Google:モバイルとYouTubeが絶好調「AIファーストに順調に移行」
Alphabetは2017年4月27日、傘下のGoogleの2017年第1四半期(1~3月)の決算を発表した。
毎度のモバイルとYouTubeが絶好調
Alphabetの2017年第1四半期の連結売上高は前年同期比22%増の247億5,000万ドル(約3兆円)で、純利益は29%増の54億2,600万ドルだった。Alphabetの売上の99%以上がGoogleだ。そのGoogleの売上高は前年同期比22%増で245億600万ドルで、営業利益は22%増の75億9,800万ドル。
そしてGoogleを支える広告収入は同19%増の214億ドルで、Googleの売上の約87%を占めている。従来からの広告依存のGoogleの売上構造は変わっていないものの、以前は90%以上が広告の売上だったから、広告以外の売上が増加している。
Google事業にはGoogleの検索やYouTube、Android、アプリ、クラウド、Google Play、ハードウェアなどが含まれる。特にモバイル向けの広告とYouTubeが絶好調なことも例年通りである。今期はYouTubeでの広告にヘイトスピーチ関連の動画がアップされている問題で、2017年3月には広告主からのボイコットが相次いだが、業績への影響は見られなかった。
「それ以外の事業」はGoogle Fiber、Calico、Nest、Verily、GV、Google Capital、Xなど多額の投資が必要な事業だ。売上高は前年同期比49%増の2億4,400万ドルだったが、営業損失は8億5,500万ドルの赤字。NestやライフサイエンスのVerily、Google Fiberなどの売上は好調だったものの、まだ赤字は続いている。
「AIファースト・カンパニーに順調に移行」
サンダー・ピチャイCEOは決算発表時に「Googleが順調にAIファーストカンパニーに移行していることが嬉しい」とコメント。「Google Assistant」に代表されるような対話型のAI(人工知能)をベースにしたサービスやプロダクトを提供しようとしている。2016年12月には日本語にも対応した。「OK, Google」と呼びかけて、天気や検索、注文などができるGoogle Assistantを搭載したGoogle Homeは有名だ。4月26日からはGoogle Homeは500万以上のレシピの料理手順を読み上げるサービスも提供開始した。
他にも検索などでも様々なサービスでAIが活用されている。さらに4月3日には上述のYouTubeに投稿されたヘイトスピーチなどの動画コンテンツ識別にAIを活用し、不適切なコンテンツの早期検出と削除をしていくことを明らかにした。
AIに注力しているのはGoogleだけではない。Amazon、FacebookなどもAIを積極的に活用したサービス開発に取り組んでおり、競争はこれからますます激化していく。2017年4月21日にメルセデスは2016および2017年モデル全車でGoogleの「Google Home」とAmazonの「Amazon Alexa」のAI音声アシスタントに対応することを発表。利用者はAIの音声認識を通じて、遠隔で車の操作やリモートロックなどが、まずはアメリカで利用できるようになる。
AIは従来からのGoogleの収入源の広告配信にも大きく貢献する。それだけでなく、早期にAIを活用したサービスやプロダクトを創出し、いつまでも広告だけに依拠しない新たな収益源の確保が求められる。
▼4月26日からはGoogle Homeは500万以上のレシピの料理手順を読み上げるサービスも提供開始