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バンコクの鉄道BTS、プラットホームで「スマホへの注意喚起」:タイでも日常的な「歩きスマホ」

佐藤仁学術研究員・著述家
バンコクのBTSのプラットホームではほぼ全員スマホをチェックしている

日本でも駅のホームでの「歩きスマホ」は日常的な光景になっているが、「歩きスマホ」は万国共通である。日本でも鉄道会社や携帯電話会社が「歩きスマホ」による事故防止に向けてポスターや放送で注意喚起をしている。

バンコクでは老若男女ほぼ全ての人がスマホを所有しており、常にスマホのチェックを欠かせない。そのためタイでも「歩きスマホ」は日常的な風景である。

揺れてる電車内でのスマホは目の負担が大きく、目に悪い
揺れてる電車内でのスマホは目の負担が大きく、目に悪い

バンコクでも日常的な「歩きスマホ」「電車スマホ」

タイの首都バンコクを走り、バンコク市民の通勤・通学の足として利用されている高架鉄道BTS(バンコク・スカイトレイン)の駅のプラットホームでも、多くの人が「歩きスマホ」をしている。電車を待っている時もスマホを見ており、電車に乗る時もスマホを見たまま乗ろうとするとので、時間がかかる。降りてくるときもスマホを見ているので、乗降に時間がかかる。日本でもよく見かける風景だが、バンコクではあまりにも日常的な光景になってしまい、日本人ほど他人の「歩きスマホ」にイライラしていないようだ。もうバンコクではほとんどの人が「歩きスマホ」をしているから、「まあ、自分もやっているから仕方ないか・・」と注意する方も後ろめたさがあるのだろう。電車の中でもほぼ全員がスマホを見ている。

それでもBTSのプラットホームには電子ボードで「スマホへの注意喚起」がされている。

「目を休めましょう」

朝起きてから夜寝るまでずっとスマホばかり見ているのは、日本人もタイ人も同じである。食事中もスマホが気になって仕方ない。たまには「スマホを見ないで目を休めましょう」と訴えている。特に動いている電車の中で、揺れながらスマホの画面にピントを合わせて追いかけなくてはならないので目の負担が大きいので、目にはよくない。

BTSのプラットーホームにある注意喚起の電子ボード「Rest your Eyes for vision」
BTSのプラットーホームにある注意喚起の電子ボード「Rest your Eyes for vision」

「お互い話しましょう」

友人同士、家族同士で電車に乗っても、お互いに話すことなく、それぞれがスマホを見ていることが多い。これも日本でも同じ光景に出くわす。「スマホを見てばかりいないで、お互い話をしましょう」と訴えている。

BTSのプラットーホームにある注意喚起の電子ボード「Let's talk to each other」
BTSのプラットーホームにある注意喚起の電子ボード「Let's talk to each other」

「健康のために姿勢をよくしましょう」

寝ても覚めてもスマホを手放せない現代人は、スマホばかり見ているので下ばかり見ているから、姿勢が悪くなって健康にもよくない。スマホを見ながら、歩いている姿は非常に格好悪いものだ。さらに目にもよくないし、肩こりや頭痛の原因にもなる。日本でも「スマホ老眼」が最近問題になっているが、これも全世界で共通である。「健康のためにスマホばっかり見てないで、前を見ましょう」と訴えている。

BTSのプラットーホームにある注意喚起の電子ボード「Look up for your Health」
BTSのプラットーホームにある注意喚起の電子ボード「Look up for your Health」

それでも減らない「歩きスマホ」「電車スマホ」

このようにBTSのプラットホームではスマホへの注意喚起をしているがタイでも「歩きスマホ」は一向に減らない。むしろ増加している。もう誰もが歩きながらも、電車の中でもスマホを見ている。さらにイヤホンをしながら音楽を聴いている人も多い。

そして、そもそもこのように電子ボードで注意喚起をしていても、ほとんどの人がスマホに目が行っているので、これらの注意喚起はほとんど目に入っていない。それでも何も注意喚起をしないよりは、たまにでもこの電子ボードが目に入った時に気づいてもらえばいいのだろう。

学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

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