アマゾン、AWSが絶好調で黒字転換:売上全体の8%まで成長、「小売業」時価総額でウォルマートを抜く

(写真:ロイター/アフロ)

アマゾンは2015年7月23日、2015年第2四半期(4~6月)の決算を発表した。売上高は前年同期から20%増の231億8,500万ドル。純利益は9,200万ドル、1年前の純損失1億2,600万ドルで、黒字転換した。営業利益は4億6,400万ドル、前年同期は1,500万ドルの営業赤字だった。

■AWSの売上が全体の8%まで成長

2015年第2四半期の売上と売上高構成比率と特徴は以下の通り。

アマゾンの売上高のうち約6割を占めているのが北米市場(特にアメリカ)である。日本ではインターネットショップは、楽天、ヤフーショッピング、アマゾンと三つ巴の状態であるが、アメリカではインターネットショップといえばアマゾンの独壇場であり、アマゾンといえば「インターネットショップの代名詞」である。

海外市場はイギリス、ドイツ、日本、フランス、中国、イタリア、スペイン、インド、メキシコ、ブラジル、オーストラリアの11か国で約30%程度であることから1か国単位で見ると、アメリカ市場がアマゾンにとっていかに大きいかがわかる。北米市場は2期連続で前年同期比20%以上売上が伸びているが海外市場では微減微増で横ばいである。

アマゾンでは2015年Q1からAWSの売上高を発表するようになった。そして2015年Q2の特徴として、AWSでの売上が前年同期比81%増の18億2,400万ドル、営業利益が同407%増の3億9,100万ドルと絶好調で、アマゾンの売上高の8%を占めるまでになった。

▼2015年第2四半期の売上と売上高構成比率と特徴

(アマゾン発表資料を元に作成)
(アマゾン発表資料を元に作成)

▼2015年第1四半期と第2四半期のセグメント別の売上と売上高構成比率

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■時価総額でウォルマートを抜いて世界1位の「小売業」に

2015年Q2の業績発表を受けて黒字転換したアマゾンの株価は2015年7月24日に急騰し、企業の市場価値を示す時価総額でウォルマートを抜いて、アマゾンは世界1位の小売業になった。2015年7月24日の終値でアマゾンの時価総額は約2,465億ドル(約30兆円)で、ウォルマートより約160億ドル高かった。

売上で見ると、ウォルマートは約1,148億ドルでアマゾンの232億ドルの約5倍ある。インターネットショップの将来性と成長性に対する市場の期待と分析するアナリストが多いが、クラウド事業AWSの売上と利益が安定して増加していることでアマゾンの収益の基盤が確立されてくることへの期待の証左であろう。

アマゾンはインターネットを基盤とした「小売業」である。そして小売にはマーケティング費用、ロジスティック費用など多大なコストがかかる。売上高が約232億ドルの2015年Q2におけるアマゾンの営業コストは前年同期比17%増の約227億ドルだから、いかにコストがかかっているかがわかる。これからアマゾンはクラウド事業AWSで稼いだお金を、同社のメイン事業である「小売業」の拡大に必要なコストとして費やしていくことになるのだろう。