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ローソンの次なる一手。2020年コンビニスイーツのトレンドは?

笹木理恵フードライター
もちもちした求肥でクリームやスポンジを包んだ「モチクルン」

2019年に発売したローソンの”新感覚スイーツ”を総ざらい!

2018年12月にリニューアルした「バスチー」。北海道産生クリームや卵黄を増量し、よりしっとり濃厚に仕上げるとともに、表面のべたつきを解消して食べやすく改良した(画像/筆者撮影)。
2018年12月にリニューアルした「バスチー」。北海道産生クリームや卵黄を増量し、よりしっとり濃厚に仕上げるとともに、表面のべたつきを解消して食べやすく改良した(画像/筆者撮影)。

2019年、開発担当者自ら「10年に一度のヒット」と評するほどのブレイクを見せた「バスチー」を筆頭に、「新感覚スイーツ」をコンセプトとするスイーツを展開してきたローソン。「バスチー」は、定番のほか「大きなバスチー」、「スノーバスチー」などの期間限定商品も展開し、2019年12月には初のリニューアルを決行。シリーズ累計の販売個数は3500万個を突破している。

ローソンが2019年3月からこれまでに発売した「新感覚スイーツ」は、以下の通り。期間限定やリニューアル品を含め、30品以上を販売している(2020年1月現在)。

  

  1. 3月12日発売 シルフォン ‐シルクミルクシフォン- 200円
  2. 3月26日発売 バスチー ‐バスク風チーズケーキ‐ 215円/ザクシュー ‐ザクザクチョコシュー‐  195円
  3. 4月9日発売  ふわふ~わ ‐ふわっふわケーキ‐ 245円
  4. 4月26日発売 大きなバスチー 580円 ※期間限定
  5. 4月30日発売 もちしゅー ‐もっちっちバニラしゅー‐ 165円
  6. 5月28日発売 モチーズ ‐もちもち~ず‐ 130円
  7. 6月11日発売 ぷるシュー ‐ぷるるんとしたカフェオレシュー‐ 195円
  8. 6月18日発売 サクバタ ‐サクッとバターサンドキャラメル‐ 220円/サクバタ ‐サクッとバターサンドストロベリー‐  220円
  9. 7月9日発売 もちしゅー ‐もっちっちわらびもちしゅー‐ 170円/シルフォン ‐シルクミルクシフォン(いちごソース)‐ 200円
  10. 7月23日発売 サクバタ ‐サクッとバターサンドピスタチオ‐ 240円
  11. 8月6日発売 ボバボバ -プチプチ食感ボバボバのいちごミルクムース- 295円/シルフォン ‐シルクミルククリームシフォン‐ 200円
  12. 8月20日発売 プレミアムバスチー 320円
  13. 8月27日発売 モチーズ ‐もちもち~ずチョコ‐ 140円/ぷるシュー‐ぷるるんとしたプリンシュー‐ 195円/サクバタ ‐サクッとバターサンドベリチーズ‐ 230円 9月24日~再展開 ザクシュー ‐ザクザクチョコシュー‐ 195円
  14. 10月1日発売 サクバタ ‐サクッとバターサンドラムレーズン‐ 240円/10月29日発売 サクバタ -サクッとバターサンドピスタチオ‐ 240円 ※リニューアル
  15. 11月5日発売 ホボクリム‐ほぼほぼクリームのシュー‐ 200円/11月19日発売 モチーズ‐もちもち~ず北海道チーズ‐ 140円 ※リニューアル
  16. 11月19日発売 サクバタ‐サクッとバターサンドキャラメル‐ 230円 ※リニューアル
  17. 11月26日発売 とろチ~-とろっとチーズ- 240円/とろテ~ラ-とろっとカステラ- 230円
  18. 12月22日及び12月25日~ スノーバスチー-バスク風チーズケーキ- 380円/12月25日発売 バスチー-バスク風チーズケーキ- 215円
  19. 12月26日発売 スノーホボクリム(いちごミックス)‐ほぼほぼクリームのシュー‐ 245円
  20. 1月14日発売 モチクルン‐おもちでくるんプリンケーキ‐ 255円/モチクルン‐おもちでくるん苺レアチーズ‐ 255円/1月21日 再発売 サクバタ-サクッとバターサンドラムレーズン- 240円
  21. 1月28日発売 ホボクリム‐ほぼほぼクリームのシュー(ショコラ)‐ 245円
  22. 2月4日発売予定 とろテ~ラ‐とろっとショコラカステラ‐ 230円/とろち~ ‐とろっとショコラチーズ‐ 240円

「バスチー」だけでなく、「サクバタ」や「ホボクリム」など話題になった商品が多数誕生し、そのうちとくに人気の商品は、フレーバー違いなどで積極的にシリーズ化していることがわかる。

スイーツ開発の決め手は、“ワクワク感”があるか

極薄の生地で、ホイップクリームとミルククリームの2種類を包んだ「ホボクリム」(画像提供/ローソン)
極薄の生地で、ホイップクリームとミルククリームの2種類を包んだ「ホボクリム」(画像提供/ローソン)

「プレミアムロールケーキが誕生して、ちょうど10年。近年は、ローソンのスイーツに対するお客様のアンケートで、『売り場にワクワク感が足りない』という回答が多かったことを真摯に受け止め、2019年はとにかく『ワクワクしてもらう』にはどうしたらいいか、をつねに考えてきた1年でした」と語るのは、ローソンのスイーツ開発を担当しているチーフマーチャンダイザーの吉田祐子さん。

「新商品の開発は、商品棚を見て『いまどんなスイーツが足りないか』という視点から考えるケースと、季節商品やトレンドなどを考慮して考えるケースがあります。たとえば、『ホボクリム』の場合は、クリームに特化したお店が人気を集めていることに着目し、コンビニで美味しくクリームを食べてもらうにはどうしたらいいんだろう?というところから開発がスタートしました。コンビニスイーツの優位性を生かして、『クリームを持って食べられたらいいのに』という発想を突き詰めていき、手に持って気にならないような薄皮の生地でクリームを包むことを考えました」。

ちなみに、商品のネーミングやパッケージ、販促物などは、プロモーション部隊と協同で開発する。「ホボクリムの場合は、私がいつも『シューというより、ほぼクリームのお菓子なんだよ!』と説明していたので、プロモーション部隊が色々な商品名を検討してくれていたのですが、最終的にはそれがそのまま商品名になりました(笑)」(吉田さん)。

ケーキをカップに詰め、気軽に食べられるようにした「CUPKE(カプケ)」。一番人気のショートケーキなど4品が販売されている(画像提供/ローソン)
ケーキをカップに詰め、気軽に食べられるようにした「CUPKE(カプケ)」。一番人気のショートケーキなど4品が販売されている(画像提供/ローソン)

こうした新感覚スイーツを導入する一方で、シュークリームやプリンといった定番のスイーツも、毎年見直しを図っている。とくに、従来はケースに入っていたケーキタイプのスイーツは、2019年10月にカップに入れた「CUPKE(カプケ)」として発売。ローソンのスイーツの新基軸に育てたい意向だ。

 GODIVAとの記念すべき第一弾コラボ商品が、約2年半ぶりに復刻盤の「Uchi Cafe × GODIVA ショコラロールケーキ」として発売(画像提供/ローソン)
GODIVAとの記念すべき第一弾コラボ商品が、約2年半ぶりに復刻盤の「Uchi Cafe × GODIVA ショコラロールケーキ」として発売(画像提供/ローソン)

加えて、好調なGODIVAとのコラボスイーツも、引き続き展開していく方針だ。同シリーズは、2017年6月の発売以降、計32商品を発売し、シリーズ累計2,500万個以上を販売。コラボ第一弾として発売された「Uchi Cafe SWEETS×GODIVAショコラロールケーキ」が、今年1月29日より、復刻版の「Uchi Cafe×GODIVA ショコラロールケーキ」(税込395円)として数量限定で発売される。

ローソンのスイーツ売上の男女比は、男性4:女性6だが、新感覚スイーツは男性3:女性7と女性比率が上がる。新感覚スイーツは200円台の商品も多いが、購買層を見ると目新しいものを好む女性が多く、価値を感じた商品にはしっかり対価を払う傾向があるという。

「2020年は、さらにお客様の期待に応えるべく、バスチーに続く新しいスイーツを色々と検討しています。アイスでは、好調な『Uchi Cafe日本のフルーツバー』シリーズに加え、新感覚のアイスも販売する予定です。まだ詳しく発表はできないのですが、半年以上かけて開発してきたスイーツが春以降に発売される予定なので、ぜひ楽しみにしていてください」(吉田さん)。

2020年も、ローソンのスイーツが注目を集めそうだ。

フードライター

飲食業界専門誌の編集を経て、2007年にフードライターとして独立。専門誌編集で培った経験を活かし、和・洋・中・スイーツ・パン・ラーメンなど業種業態を問わず、食のプロたちを取材し続けています。共著に「まんぷく横浜」(メディアファクトリー)。

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