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リンジー・ローハンが妊娠。売れっ子スター、トラブルメーカーを経て幸せな今

猿渡由紀L.A.在住映画ジャーナリスト
リンジー・ローハンと夫ベイダー・シャマス(写真:REX/アフロ)

 リンジー・ローハンが幸せでいっぱいだ。現在36歳の彼女は、もうすぐママになるというのである。ローハンは、「coming soon…」と文字が書かれた白のベビー服の写真をインスタグラムに投稿して、ファンに報告。「私たちは恵みを感じています。そして興奮しています」とのコメントも添えられていた。

 子供の父親は、昨年夏に彼女の夫となったベイダー・シャマス。ローハンは近年、ドバイに居住しており、クレディスイス証券に勤めるシャマスとは現地で出会った。初めてふたりが一緒にいるところを目撃されたのは2020年2月、ドバイでの音楽祭。2021年11月に婚約を発表し、昨年11月にはローハンの久々の主演映画「フォーリング・フォー・クリスマス」(Netflixが配信)のプレミアで、初めてカップルとして公の場に登場した。この映画を監督したジャニーン・ダミアンとは、やはりNetflixで配信される「Irish Wish」でも組むが、こちらは昨年9月に撮影を終えている。次に浮上しているプロジェクトもまだ脚本段階で、今はパーフェクトなタイミングだろう。

リンジー・ローハンのインスタグラムより
リンジー・ローハンのインスタグラムより

 それにしても、ディズニー映画「ファミリー・ゲーム/双子の天使」でひとり二役をこなした12歳の子役が母親になるとは、なんとも感慨深い。ここに来るまでにいろいろあっただけに、なおさらだ。

「ファミリー・ゲーム〜」の5年後にはジェイミー・リー・カーティスと共演したコメディ映画「フォーチューン・クッキー」が大ヒットし、ローハンは最も注目の若手女優に。その翌年には「ミーン・ガールズ」が高く評価された上、歌手としてアルバムも発売し、人気はピークに達した。だが、若くしてお金をたっぷりもらえる立場になると、パリス・ヒルトン、ミーシャ・バートン、ブリトニー・スピアーズらと夜毎ナイトクラブに出かけてはパパラッチされるようになる。それぞれの場で着ているファッションも話題になり、トレンドセッターの肩書きも手にする一方で、ヒルトンの元恋人と付き合ってヒルトンと仲違いした、あるいは自分の元婚約者と付き合い始めたアシュレイ・シンプソンと仲違いしたなど、さまざまなゴシップも提供し、お騒がせの人となった。

 それでも仕事をきっちりしていればよかったのだが、夜遊びのせいで撮影現場に遅刻してきたり、欠勤したりするようになって、キャリアの下り坂が始まる。依存症の更生施設に入るなどもしたのだが、現場に迷惑をかけ続けるのは変わらず。そのうち、保険会社から嫌がられ、かつての大スターは、雇うことが不可能な女優になってしまった。

 警察のお世話にもなり、すっかりイメージダウンした彼女は、その後、低予算のインディーズ映画、テレビの2時間ドラマ、舞台劇、リアリティ番組、オーストラリアのコンテスト番組などの仕事を細々とこなす。「プレイボーイ」誌でヌードになったこともあった。近年は本業以外にも視野を広げ、2016年にはギリシャにナイトクラブ、2018年にはやはりギリシャにビーチリゾートをオープン。2020年にはイギリスの会社とコラボレーションをしてジュエリーのコレクションを発売した。

「フォーリング・フォー・クリスマス」の1シーン(Scott Everett White/Netflix)
「フォーリング・フォー・クリスマス」の1シーン(Scott Everett White/Netflix)

 アメリカ国外での活動が増える中、パパラッチがいないことにも惹かれて、ローハンはドバイに拠点を移す。そこで夫となる男性に出会ったのだ。そんなところへ「フォーリング・フォー・クリスマス」のオファーが来て映画の主演にも復帰を果たし、公私ともに充実した生活を手に入れたローハン。そこに今度は赤ちゃんが加わるのである。

 折しも、つい最近はヒルトンがママになったばかり。若い頃は公にローハンの悪口を言ったヒルトンも、今や40歳だ。テレビのインタビューで、ヒルトンは、「私たちは子供だった。でも、もう成長した」と、ローハンとの仲が回復していることを告白。ローハンが婚約した時にも、祝福のメッセージを直接送ったとも語っている。ひと足先に出産と子育てを経験したヒルトンは、ローハンが何か相談したいことがあれば、アドバイスをくれるのではないか。そんな様子を想像するのは微笑ましい。彼女たちはどんなママになって、どう子育てを楽しんでいくのだろう。温かい目で見守っていきたい。

L.A.在住映画ジャーナリスト

神戸市出身。上智大学文学部新聞学科卒。女性誌編集者(映画担当)を経て渡米。L.A.をベースに、ハリウッドスター、映画監督のインタビュー記事や、撮影現場レポート記事、ハリウッド事情のコラムを、「シュプール」「ハーパース・バザー日本版」「週刊文春」「キネマ旬報」他の雑誌や新聞、Yahoo、東洋経済オンライン、文春オンライン、ぴあ、シネマトゥデイなどのウェブサイトに寄稿。米放送映画批評家協会(CCA)、米女性映画批評家サークル(WFCC)会員。映画と同じくらい、ヨガと猫を愛する。著書に「ウディ・アレン 追放」(文藝春秋社)。

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