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石原さとみが結婚発表。ハリウッドにもいる、一般人と結婚したセレブたち

猿渡由紀L.A.在住映画ジャーナリスト
マット・デイモンの妻ルチアナはバーテンダーだった(写真:REX/アフロ)

 女優の石原さとみが結婚すると発表した。お相手は同年代で、一般の会社員だという。

 芸能人が結婚する場合、お相手もやはり芸能人であることが、圧倒的に多い。住む世界が同じで、共通の友人も多く、共演する機会もあったりするのだから、それは自然なことだ。しかし、ハリウッドにも、一般人と結婚したセレブは何人かいる。ただし、一般人とはいってもかなりの成功者だったり、特別の家柄だったり、外国人だったりすることが多いのは事実だ。

 最近の例は、ジェニファー・ローレンス。彼女の夫クック・マロニーはニューヨークの画廊のディレクター。著名なアーティストの代理人も務め、その中にはローレンスが親しくする女優レナ・ダナムの父キャロル・ダナムも含まれる。彼の総資産は2,500万ドル(およそ25億円)と推定されている。

 スカーレット・ヨハンソンの2番目の夫ロマン・ドリアックはフランス人で、広告会社のオーナー。その前はフランスの雑誌の編集者や記者の仕事をしていた。ヨハンソンの最初の夫はライアン・レイノルズ。彼女の現在の婚約者は「サタデー・ナイト・ライブ」のコメディアン、コリン・ジョストで、また芸能人のお相手に戻ったことになる。

 ジェシカ・チャスティンの夫ジャン・ルカ・パッシ・デ・プレポスロは、イタリア人で、イタリアのブランド、モンクレールのエグゼクティブ。かつてはアルマーニの広報担当者だったことから、ジョージ・クルーニー、ジュリア・ロバーツ、レオナルド・ディカプリオなど、ハリウッドの大物セレブとも親しい(ご存知のとおり、クルーニーもまた、一般人である弁護士アマル・アラムディンと結婚している)。パッシ・デ・プレポスロ一族はイタリアの旧貴族で、家族が所有する、17世紀から続く北イタリアのお城のような家は、観光客も訪れる名所だそうだ。

 サルマ・ハエックの夫フランソワ・アンリ・ピノーもファッション業界の大物でフランス人。彼はグッチ、サンローラン、バレンシアガ、ブリオーニなど数々のブランドを抱えるケリングのCEOだ。

 リチャード・ギアの3番目にして現在の妻アレハンドラ・シルヴァはスペイン人で、営業とマーケティングの仕事をしていた。彼女の父はレアル・マドリードの元バイス・プレジデントで、ギアとは以前から家族ぐるみのつきあいだったそうである。

 ワンダーウーマンことガル・ガドットの夫ヤロン・ヴァルサノは、不動産デベロッパー。ただしふたりはガドットが「ワイルド・スピード」シリーズでハリウッド女優の仲間入りをする前に出会い、結婚している。出会いはイスラエルの砂漠で行われたヨガ関連のイベントだったそうだ。

ウエイターやバーテンダーと結婚したセレブも

 一方で、ごく普通な人と結婚したセレブもいる。たとえばジェニファー・ロペスの最初の夫オハニ・ノアはキューバ系のウエイターだ。結婚したのは、歌手としてアルバムデビューをする前ではあったが、主演映画「Selena(日本未公開)」が公開されて、彼女に注目が集まった頃である。この結婚は1年で破綻。その後、彼女は、ダンサーのクリス・ジャッド、歌手のマーク・アンソニーと離婚し、現在は元ヤンキースのスター選手アレックス・ロドリゲスと婚約している。

 この12月に結婚15周年を迎えるマット・デイモンの妻ルチアナ・バロッソは、マイアミのバーテンダーだった。「ふたりにクギづけ」の撮影でマイアミに滞在していたデイモンは、ある夜、そのバーを訪れたのだが、彼を見つけた客があまりに騒ぐため、普通に飲むのをやめ、バーカウンターの中に入って、ドリンクを作る手伝いをし始めた。アメリカではバーテンダーにチップを渡すのが常識で、当然のことながらこの夜のチップは並外れた額になり、それを全部デイモンはバロッソにあげたそうだ。

 また、ジェニファー・アニストンとの交際でメディアを騒がせたヴィンス・ヴォーンは、アニストンとの破局後、カナダ人の不動産エージェント、カイラ・ウェバーと出会い、結婚している。ウェバーはプライバシーを重視しており、ごく稀にしか表に出てこない。

 過去の交際を振り返り、ヴォーンは、「この職業に付いて回るパパラッチという存在が、僕はどうしても苦手。誰かを好きになり、その人と時間を過ごすのは素敵だが、その頃、僕は、できるだけ目立たないように必死だった」と語っている。アンジェリーナ・ジョリーと付き合っている頃のブラッド・ピットを見てきたデイモンも、「カップルがふたりともセレブだと、世間の関心が倍になる」と言う。だが、もちろんそれだけで結婚相手を決めたわけではない。大事なのは、その人と本当に相性が良くて、本当に相手を愛せるかどうかなのだ。「結婚って、実はとてもバカげたコンセプトだと思うよ。彼女とじゃなきゃ、僕は絶対にやらない。僕はこの女性と結婚していたいから、やったんだ。だから、結婚を長く続けるアドバイスなんて、あげられないよ」と、デイモンは言っている。石原さとみさんと婚約者の男性も、そんなお相手同士であるといいですね。どうかお幸せに!

L.A.在住映画ジャーナリスト

神戸市出身。上智大学文学部新聞学科卒。女性誌編集者(映画担当)を経て渡米。L.A.をベースに、ハリウッドスター、映画監督のインタビュー記事や、撮影現場レポート記事、ハリウッド事情のコラムを、「シュプール」「ハーパース・バザー日本版」「週刊文春」「キネマ旬報」他の雑誌や新聞、Yahoo、東洋経済オンライン、文春オンライン、ぴあ、シネマトゥデイなどのウェブサイトに寄稿。米放送映画批評家協会(CCA)、米女性映画批評家サークル(WFCC)会員。映画と同じくらい、ヨガと猫を愛する。著書に「ウディ・アレン 追放」(文藝春秋社)。

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