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2017年ハリウッド:カップル破局トップ5

猿渡由紀L.A.在住映画ジャーナリスト
スカーレット・ヨハンソンは、今年、2度めの夫ロマン・ドリアックと離婚(写真:Splash/アフロ)

 美男美女がしょっちゅうくっついては離れるハリウッド。今年もまた、数多くのカップルが誕生しては破局した。2年前に破局を宣言しながらも離婚を進める気配のなかったベン・アフレックとジェニファー・ガーナーは、今年4月、ついに離婚を申請。そもそも破局の理由のひとつはアフレックが子守りとして雇われた女性と不倫をしたことにもあったのに、アフレックは早くも、これまた結婚中からダブル不倫だった疑いが持たれている女性テレビプロデューサーと堂々交際を始めている。一方で、1年前に離婚を申請したアンジェリーナ・ジョリーとブラッド・ピットは、未だに手続きを進めず、止まったまま。こちらの行方は、来年も注目されるところだ。

 気になるカップルの動きは、ほかにもいくつかあるが、最も印象に残る5つを、下から順に振り返ってみよう。

5位:スカーレット・ヨハンソン(32)とロマン・ドリアック(35):結婚歴2年

 セクシーな女の代表かつ、恋多き女の代表だけに、衝撃かと言われれば、そうでもない。ライアン・レイノルズとの最初の結婚も実質2年半しか続かず、そのすぐ後には、ショーン・ペンや広告会社のエグゼクティブと堂々交際をしたのが彼女だ。ということで、5位。

 だが、このフランス人の元アート雑誌編集者とは娘も授かり、夫婦でパリにポップコーンの店をオープンしたりもして、ついに落ち着いたのかとも思わせていた。それでも、破局が発表される数ヶ月前のインタビューで、彼女は、ひとりの人に決められるのは不自然なことだというような発言をしている。結果がこの離婚。やはり彼女はまだ遊び足りなかったのだろう。

 離婚申請は今年3月。彼女は単独親権を求め 、ドリアックは、娘の世話をしているのは映画の仕事であちこちを飛び回っているヨハンソンでなく自分であるとして、娘をフランスで育てたいと訴えていた。9月にようやく決着したが、合意内容は明らかになっていない。ヨハンソンは現在、「Saturday Night Live」にレギュラー出演するコメディアン、コリン・ジョストとつきあっている。

4位:ジェニファー・ローレンス(27)とダーレン・アロノフスキー(48):交際歴1 年

 年齢差21歳。いずれ別れるだろうとは、誰もが思っていた。むしろ1 年も続いたことのほうが不思議かもしれない。

 ふたりの出会いは、この秋北米公開されてアメリカの観客を激怒させた(アメリカの観客を怒らせたジェニファー・ローレンスの日本未公開作とは)アロノフスキーの最新監督作「mother!(日本未公開)」。昨年9月頃から交際の噂が流れ、10月にはニューヨークの街中でキスをしているところが目撃された。この秋には、ヴェネツィア映画祭、トロント映画祭、ニューヨークプレミアなどに、ふたり揃って出席している。

 先月、ローレンスは、「Variety」主催のイベントで、破局の原因が「mother!」の反響がひどかったことにあると認めた。「映画のプロモーション活動を終えてホテルに戻ってきたら、もうその映画の話はしたくない。でも彼は監督だから、ホテルに戻ってからもずっと映画の話なの。それは理解できる。彼はこれを生み出して、脚本を書いて、監督したのだから」という彼女は、批判的な批評記事を読むにつれてどんどん彼を守る姿勢になり、そのうち、これは良くない、終えるべきだと判断したと語っている。

 しかし、今月にもふたりはニューヨークで一緒にいるところがパパラッチされており、友人関係は続いているようだ。ローレンスは過去に、ニコラス・ホルト(28)、クリス・マーティン(40)などと交際歴がある。アロノフスキーはレイチェル・ワイズと長年事実婚状態にあり、息子も授かったが、ダニエル・クレイグに略奪婚をされている。

「mother!」は日本で公開中止となった(写真/Paramount Pictures)
「mother!」は日本で公開中止となった(写真/Paramount Pictures)

3位:ユアン・マグレガー(46)とイブ・マヴラキス(51):結婚歴22年

 マグレガーがプロダクションデザイナーのマヴラキスに出会ったのは、「トレインスポティング」で大ブレイクする前の1995年。血の繋がった娘3人と、モンゴルからの養女ひとりを育て、堅実な家庭を築いているように見えたふたりだが、今年10月、マグレガーがテレビドラマ「Fargo」で共演するメアリー・エリザベス・ウィンステッド(32)とキスする様子が目撃された。

 その直後、実はマグレガー夫妻が5月から別居状態にあったことが明らかになる。 マグレガーからウィンステッドに心を惹かれていることを告白されたマヴラキスが激怒したせいとのことだ。同じく5月、ウィンステッドも、7年結婚してきた夫との破局をインスタグラムで報告している。

 マグレガーとウィンステッドは、現在堂々交際中だ。マグレガーとマヴラキスの娘たちは、上から21歳、16歳、15歳、7歳。

2位:ベン・スティラー(51)とクリスティーン・テイラー(45):結婚歴17年

「ズーランダー」「ドッジボール」「トロピック・サンダー/史上最低の作戦」「Zoolander No. 2(日本未公開)」などで仲良く共演してきたこのふたりが破局するとは、本当に驚きだった。出会いは、放映されないまま終わったテレビ番組での共演。2000年、ハワイで結婚式を挙げ、2002年には長女、2005年には長男が生まれている。

 スティラーの両親でコメディアンのジェリー・スティラーとアン・メアラも、おしどり夫婦として有名で、2015年にメアラが亡くなるまで添い遂げた。両親と同じように、このふたりもずっと仲良し夫婦であり続けるかと思われていたのだが、多忙すぎるスティラーと、子育てを重視するがために自分のキャリアをあまり伸ばせないできたテイラーの間には、すれ違いがあったようだ。スティラーとテイラーは、「18年間、カップルとして過ごしてきた私たちは、お互いに対して愛と敬意を持っています。しかし、別れるという決断を下しました。私たちは、これからも、親として、友達として、子供たちを育てて行きます」と、共同声明を発表している。

1位:クリス・プラット(38)とアンナ・ファリス(41):結婚歴8年

 どちらもファニーで親しみやすい、コメディ番組の人気者。インタビューでも堂々とお互いへの愛を語ってきたふたりの破局は、今年、最も悲しいニュースのひとつだった。

 原因となったのは、プラットが「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」「ジュラシック・ワールド」の主演に立て続けに抜擢され、突然にして映画スターになってしまったこと。コメディ番組ならば、撮影は平日、L.A.のスタジオと決まっていて通勤は楽、家庭との両立は比較的簡単だ。だが、この2作の後にも、プラットには「マグニフィセント・セブン」「パッセンジャー」「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス」などが次々に入り、ほとんどの時間を遠く離れたロケ地で過ごすことになった。しかも、「パッセンジャー」の撮影中、プラットが共演のジェニファー・ローレンスと浮気をしているとのゴシップが出たのである。それを聞いた時、「深く心が傷ついた」と認めるファリスは、「クリスは遠いところで映画を作っていて、私はL.A.で子育てをしている。誰だってそうであるように、不安になってしまうものよ」と語った。

 夫妻が連名でソーシャルメディアに破局宣言を出したのは、8月のこと。離婚申請は今月初めだったが、それを待たずしてファリスは早くも新恋人を作った。今度のお相手は、ファリスが次に出演するコメディ映画「Overboard」で撮影監督を務めたマイケル・バーレット。プラットとの間に授かった5歳の息子をデートに同伴させたり、離婚後の新居探しにつきあってもらっていたりと、世間に対して堂々と関係を見せつけている。一方、プラットのほうには、まだ新しい恋の噂はない。明るくて、おもしろくて、好感度満点の彼のこと、女性はいくらでも寄ってくるだろうが、本当に幸せになれる、正しい相手を見つけてほしいと、余計なお世話とわかっていつつ、望んでしまう。

 2018年がみなさんにとって素敵な出会いがある年になりますように。

L.A.在住映画ジャーナリスト

神戸市出身。上智大学文学部新聞学科卒。女性誌編集者(映画担当)を経て渡米。L.A.をベースに、ハリウッドスター、映画監督のインタビュー記事や、撮影現場レポート記事、ハリウッド事情のコラムを、「シュプール」「ハーパース・バザー日本版」「週刊文春」「キネマ旬報」他の雑誌や新聞、Yahoo、東洋経済オンライン、文春オンライン、ぴあ、シネマトゥデイなどのウェブサイトに寄稿。米放送映画批評家協会(CCA)、米女性映画批評家サークル(WFCC)会員。映画と同じくらい、ヨガと猫を愛する。著書に「ウディ・アレン 追放」(文藝春秋社)。

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