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ブランジェリーナ離婚:ブラッド・ピット、児童虐待で通報されていた

猿渡由紀L.A.在住映画ジャーナリスト
(写真:REX FEATURES/アフロ)

ブラッド・ピットとアンジェリーナ・ジョリーの離婚劇が、新たな展開を見せた。米時間先週水曜日(14日)、ピットがわが子に暴力をふるったとの通報があったことがわかったのである。

TMZ.com、people.comその他の米メディアが伝えるところによると、その日、ピット、ジョリー、子供たちの何人かは、フランスからL.A.に戻るプライベートジェットに乗っていた。飛行機の中で、ピットは酔っ払い、乱暴なふるまいをして、子供のうちのひとりに暴言を浴びせかけ、手を上げたという。飛行機は午後8時ごろ着陸したが、降りてからもピットは暴言をやめず、荒っぽい行動をとり続けた。そんな様子を、飛行機の中、または滑走路で目撃した誰かが、匿名で通報したとされている。

通報を受けて、L.A.群家庭児童福祉機関(DCFS)はピットとジョリーに個別に聞き込み調査を行った。近々、子供たちにも質問する予定だという。DCFSに通報が行った場合、自動的にL.A.警察にも通告が入るが、事件が起こったのが空の上で、L.A.警察の範疇ではないため、この件はFBIに任されることになった。DCFSが引き続き調査した結果、彼らのL.A.の家でも虐待があったということになれば、L.A.警察も捜査に動き出すことになる。

今週月曜日に裁判所に提出した離婚申請書の中で、ジョリーは、別居を始めた日を、9月15日としている。つまり、この事件があったとされる日の翌日だ。14日の夜、ピットは、自宅に戻らずホテルに泊まったようだが、これは珍しいことではなく、前から、ジョリーと言い争いをするとピットはよくホテルに泊まっていたそうだ。

ジョリーの弁護士は、ジョリーが家族の健康のために離婚の決断をしたと語っている。ジョリーは、養育費、元配偶者サポートなど、お金の面での要求はいっさいしていないが、実質的な単独親権を要求している。法的にはまだ父親であり、裁判所が決めたとおりに面会させることは許すが、普段は自分がひとりで育てるということだ。アメリカでは、子供がいる夫婦が離婚する場合、普通は、共同親権である。単独親権が認められるのは、相手に大きな問題があり、子供の身に危険が及ぶことが考えられる場合だ。たとえば、ブリトニー・スピアーズがケビン・フェダーラインと離婚をした時、スピアーズが相当に荒れた状態にあったため、ふたりの息子の親権はフェダーラインに与えられている(後にスピアーズは更生し、共同親権に変更された)。

認められるのが非常に難しいとわかっているにも関わらず、ジョリーが単独親権を要求し、ハリウッドきってのすご腕離婚弁護士ローラ・ワッサーもそれを止めなかったのには、それなりの理由があるのだろうかとは思われていたが、ここへきて、この報道が出たわけだ。ピットは捜査に協力的ということで、ピットに近しいとされる人は、people.comに対し、「関係者が彼をできるだけ悪く見せようとし続けるのは、本当にひどいことだ」と、彼は決して子供に暴力などふるわないと主張している。

ピットとジョリーには、マードックス(15)、パックス(12)、ザハラ(11)、シャイロ(10)、双子のノックスとヴィヴィアン(8)の、6人の子供がいる。最後にふたりが一緒に公の前で目撃されたのは、今年7月12日、ウエストハリウッドの人気カフェ。行列のできるこの店で、夫妻は、ノックスとヴィヴィアンの誕生日を朝食で祝っている。

L.A.在住映画ジャーナリスト

神戸市出身。上智大学文学部新聞学科卒。女性誌編集者(映画担当)を経て渡米。L.A.をベースに、ハリウッドスター、映画監督のインタビュー記事や、撮影現場レポート記事、ハリウッド事情のコラムを、「シュプール」「ハーパース・バザー日本版」「週刊文春」「キネマ旬報」他の雑誌や新聞、Yahoo、東洋経済オンライン、文春オンライン、ぴあ、シネマトゥデイなどのウェブサイトに寄稿。米放送映画批評家協会(CCA)、米女性映画批評家サークル(WFCC)会員。映画と同じくらい、ヨガと猫を愛する。著書に「ウディ・アレン 追放」(文藝春秋社)。

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