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ジョニデ離婚:ついに決着。アンバーは700万ドル(約7億円)を受け取る

猿渡由紀L.A.在住映画ジャーナリスト
(写真:ロイター/アフロ)

どろどろの離婚劇が、ついに決着した。

米西海岸時間16日(火)、ジョニー・デップとアンバー・ハードは、ハードがデップに対するDVの訴えを取り下げるという書類を、裁判所に提出。翌日に控えていた裁判は不要になった。離婚に関する金銭面の条件については、デップがハードに700万ドル(約7億円)を払うことで解決したようだ。この中には、ハードの弁護士代も含まれる。この金額は、ハードが狙っていたよりもかなり低いようで、彼女が雇った複数の弁護士に支払ったら、思っていたほどには手元に残らなかったということになりそうだ。

メディアに送る共同声明の内容も、話し合いを膠着させていたが(http://bylines.news.yahoo.co.jp/saruwatariyuki/20160816-00061179/)、結局、ふたりは、次のような声明を発表している。

私たちの関係は、非常に情熱的で、時に、不安定でもありました。しかし、それはいつも愛に支えられていました。金銭的な利益が目的で嘘の責め立てをすることは、どちらもしていません。故意に肉体的、あるいは感情的に相手を傷つけようとしたことも、一度もありません。アンバーは、ジョニーの将来の幸せを祈っています。アンバーは、この離婚から得るお金を慈善団体に寄付します。

DVがあったかどうかについてのこれまでの双方の主張が完全に正反対だったにも関わらず、「どちらも嘘はついていない」「肉体的、あるいは感情的に相手を傷つけようとしたことはない」というのはどう考えても矛盾しているが、最終的な妥協で、ここに落ち着いたのだろう。デップからもらうお金をチャリティに寄付するというのも、あまりに曖昧で、本気なのであれば、どんな使命をもつどの団体に、いくら寄付するつもりなのか、知りたいところだ。

ところで、昨日になって、突然自分の名前を出されたビリー・ボブ・ソーントンは、「London Fields」の撮影中、仕事時間以外にハードと一緒だったのは、キャストとクルー全員でのディナーの時くらいだとコメントしている。ハードとは友達ですらなく、カメオ出演したデップとも、ほとんど話もしなかったそうだ。ソーントンは現在、6人目の妻と結婚しており(アンジェリーナ・ジョリーは5番目だった)、妻に、ハードとの噂が事実無根であることを話したということだ。

デップとハードの出会いは、2009年3月、「ラム・ダイアリー」の撮影。当時、デップはヴァネッサ・パラディ、ハードはターシャ・ヴァン・リーをパートナーに持っていた。2011年秋、「ラム・ダイアリー」のプレミアや宣伝活動でデップとハードは再会し、2015年2月に結婚。だが、デップの母が亡くなったばかりの今年5月23日、ハードは離婚を申請し、27日にはデップにDVを受けていたとして、裁判所に、一時的な接近禁止命令を申請した。

ハードは現在、ロンドンで「ジャスティス・リーグ」の撮影に入っている。公開は来年11月。デップも、来年5月公開の「パイレーツ・オブ・カリビアン」5作目まで、公開作がない。その頃までには、世間がこの短い結婚にまつわる醜い争いを忘れてくれていることを、願っているだろうか。

L.A.在住映画ジャーナリスト

神戸市出身。上智大学文学部新聞学科卒。女性誌編集者(映画担当)を経て渡米。L.A.をベースに、ハリウッドスター、映画監督のインタビュー記事や、撮影現場レポート記事、ハリウッド事情のコラムを、「シュプール」「ハーパース・バザー日本版」「週刊文春」「キネマ旬報」他の雑誌や新聞、Yahoo、東洋経済オンライン、文春オンライン、ぴあ、シネマトゥデイなどのウェブサイトに寄稿。米放送映画批評家協会(CCA)、米女性映画批評家サークル(WFCC)会員。映画と同じくらい、ヨガと猫を愛する。著書に「ウディ・アレン 追放」(文藝春秋社)。

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