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1位港区にはHARUMI FLAGのような街も……じつは、これ地方都市の話

櫻井幸雄住宅評論家
「本当に住みやすい街大賞」で大賞となったのは、港区の街だった……。筆者撮影

 1位港区で、2位藤が丘、3位丸の内と聞けば、首都圏の街ランキングと思う人が多いだろう。しかし、1位は港区の東海通駅、2位は名東区の藤が丘駅、3位の丸の内は千代田区ではなく中区と聞けば、首都圏の話ではないことが分かる。

 じつは、これ、3月1日に住宅ローン専門金融機関「ARUHI(アルヒ)」が主催する「本当に住みやすい街大賞2023in愛知」で発表された、愛知県の本当に住みやすい街ランキング上位の街である。

 「本当に住みやすい街大賞」は、全国の地域で表彰を行っており、今回は初めて愛知県のランキングが発表された(2019年に東海地方のランキングを発表したことはあった)。

 今回愛知県で大賞に輝いた街は「東海通(駅周辺)」。以下、10位までの街は次の通りだ。

1位 東海通(名古屋市営地下鉄名港線)

2位 藤が丘(名古屋市営地下鉄東山線)

3位 丸の内(名古屋市営地下鉄鶴舞線・桜通線)

4位 尾張一宮(JR東海道本線)

5位 徳重(名古屋市営地下鉄桜通線)

6位 車道(名古屋市営地下鉄桜通線)

7位 岡崎(JR東海道本線)

8位 一社(名古屋市営地下鉄東山線)

9位 茶屋が坂(名古屋市営地下鉄名城線)

10位 勝川(JR中央本線)

 愛知県民以外には、馴染みの薄い駅名ばかりではないか。東海通(とうかいどおり)、車道(くるまみち)、一社(いっしゃ)、勝川(かちがわ)など、他県の人には難読の駅名も多い。

 愛知県では、名古屋市内を中心に、もっと知名度の高い駅がある。筆頭は再開発が進む「名古屋駅」、そして東海地方随一の繁華街がある「栄駅」、高級住宅地として知られる「星ヶ丘駅」や「覚王山駅」、「今池駅」、「池下駅」などが全国的に知られた駅名となる。

 しかし、「本当に住みやすい街大賞」では、以上のメジャー駅が入っていない。それは、首都圏でも関西でも、広島でも、福岡でも北海道でも同様。これまで11の地域で開催した「本当に住みやすい大賞」では、いつも目立たない街が大賞に輝いた。

 そして、「本当に住みやすい街大賞」に選ばれてから一気に注目度が上がる街も生じている。たとえば、2019年首都圏で大賞になった「赤羽」や、2020年大賞の「川口」、関西では2018年大賞のJR神戸線「尼崎」、2022年大賞の「西明石」など、いずれも「意外!」と言われたが、その後注目度が上がった。

 「本当に住みやすい街大賞」は住宅ローンのフラット35利用者が多かった街から選ぶのが特徴。単なる街の人気投票ではなく、実際に住宅ローンを組んでマイホームを買っている人が多い街でランキングを行っている。

 そのため、今はまだ住宅価格や家賃が安く、これから人気が上がる街を一足先に探し出すことが可能に。だから、大賞に選ばれた後、注目度が上がる現象が起きやすいと考えられる。

 今回のランキングでも、その傾向があり、名古屋の狙い目駅を探し出すランキングとしても活用できる。

 同賞は、地方都市でこれからの狙い目駅を探し出す上で、有効という側面があるわけだ。

 愛知県では、具体的にどんな場所が狙い目と考えられるのか。同賞の審査委員長を務めさせていただいている私から説明したい。

大賞となった東海通(駅)には、HARUMI FLAGが?

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住宅評論家

年間200物件以上の物件取材を行い、全国の住宅事情に精通。正確な市況分析、わかりやすい解説で定評のある、住宅評論の第一人者。毎日新聞に連載コラムを持ち、テレビ出演も多い。著書多数。

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