リニア新幹線で注目の名古屋 地下上昇の中で穴場はズバリ「高岳」周辺

名古屋の繁華街といえば、栄。その隣接駅「高岳」にはもっと注目が集まってよい。(写真:GYRO PHOTOGRAPHY/アフロイメージマート)

 名古屋の地価上昇が止まらない。特に中心地の地価上昇が顕著で、2017年の基準地価では都道府県庁所在地別の最高価格で名古屋市が大阪市を抜く、という驚きの事態が生じた。それは「名古屋がビジネスの拠点として成長していることの証」といえる。

名古屋駅周辺に続き、栄の活気が増している

 名古屋がビジネスの拠点として大きく発展している背景には、2027年開通予定のリニア中央新幹線があることは間違いない。開通すれば、品川駅から名古屋までの所要時間は40分とされる。それなら、「名古屋に支社を置こう」「本社を移転しよう」「とりあえず、フロアを押さえておこう」と考える企業が増えるのは当然だろう。

 実際、名古屋駅周辺では、超高層のオフィスビルが次々に誕生。街が大きく成長している。

 名古屋では、名古屋駅周辺から地価上昇が始まった。次いで、名古屋の繁華街である栄エリアでも地価が上昇。それに呼応するかのように、栄エリアでは再開発が次々に発表されている。

 栄の中心的存在だった中日ビルは建て替え工事が始まっており、2024年に新たなビルが完成する予定。同ビルと向き合うように位置するデパートの「三越」も建て替えが決まり、これは2029年に完成予定だ。加えて、老舗百貨店「丸栄」の建て替え計画があるし、名古屋のシンボルでもある名古屋テレビ塔のリニューアル工事も始まっている。

 めぼしい再開発が終了した名古屋駅周辺に代わり、栄エリアに「名古屋再生」の活気が移っている。このような開発が進む結果、名古屋駅周辺でも、栄周辺でも新築マンション価格が上昇。70平米の3LDKが7000万円以上という水準まで上がってしまった。

 「70平米7000万円」は、名古屋の人にとっては驚きの価格水準である。

 このような「価格上昇」が起きるとき、穴場探しが始まる。中心エリアでまだ値段が上がっていない場所はないか、と探す動きが生じるわけだ。名古屋の場合、穴場の候補として、栄に近接する「高岳(たかおか)」がある。

高岳は、東海エリアで「本当に住みやすい街」第1位

 今年8月、「本当に住みやすい街大賞2019in東海」(住宅ローン専門金融機関アルヒ主催)で第1位になったのが、「高岳」。名古屋市営地下鉄桜通線の駅である。

 名古屋エリアには星ヶ丘や八事など全国的に名前が知られた高級住宅地がある。それらを抑えて、第1位になったのは「高岳」……これについては、同賞の審査委員長を務める私のところに、「なんで?」と聞いてくる人が多かった。

 理由は、ズバリ中心地・栄に隣接しているのに、土地やマンション価格が抑えられていること。多くの人にとって、実際にマイホームを購入しやすい場所であるからだ。

 高岳があるのは名古屋市東区で、高岳駅は、名古屋テレビ塔に近い久屋大通駅の隣駅となる。

 東区は、栄や錦といった繁華街がある中区に隣接し、白壁を筆頭に、主税町(ちからまち)、橦木町(しゅもくちょう)など、武家屋敷街からの歴史をもつ住宅地がある場所だ。

 名古屋の中心地である栄に隣接しながら、落ち着いた住宅エリアで、東海中学校・高等学校を筆頭に教育機関が多いことから、東京都心部でいえば文京区のような性格を持つ場所といえる。

 東京の文京区は、2015年頃までマンション価格が抑えられ、都心部で価格上昇が最後にやってきた場所だった。今から考えれば、「あのとき買っておけば」と悔やむ人が多い場所……それに似た状況が名古屋市東区にある。

栄の中心エリアに隣接しているのに、住宅エリアの落ち着きも

 東区内において、高岳は栄の中心地に近い。しかし、注目度が低かった。それは栄ほど華やかではないことが理由だろう。栄の中心地から高岳駅方向を見ると、名古屋高速道路環状2号線の高架がある。この高速道路までが名古屋の繁華街で、その先は住宅エリアとみなすムードが名古屋市民にはある。

 高岳は栄の中心地から1、2キロメートルの場所。そんなに近いのに、高速道路を越えただけでマンション価格は大きく下がる。そのことを見過ごすのはもったいない、と思える場所である。

 現在、高岳駅周辺で分譲されているマンション事例を探すと、高岳駅から徒歩6分の東区葵1丁目に建設されている地上20階建て・全354戸の超高層・大規模マンションがある。その価格は、3LDKが4000万円台から、という設定。高岳駅のほか、地下鉄東山線新栄駅から徒歩4分で、地下鉄東山線・名城線栄駅からも徒歩15分と、栄の中心地から歩ける距離なのに、栄エリアのマンションとの間に1000万円から2000万円の価格差が生まれているわけだ。

 加えて、栄エリアのマンションでは駐車場設置率が下がっているなか、駐車場設置率が約8割と多くなっているのも特徴。車社会の名古屋では、駐車場が多いことの価値は高い。

 このようなマンションがなくなれば、名古屋の中心エリアは、ますます「普通の人がマンションを買えない場所」になってしまうだろう。

 

年間200物件以上の物件取材を行い、全国の住宅事情に精通。正確な市況分析、わかりやすい解説で定評のある、住宅評論の第一人者。毎日新聞に連載コラムを持ち、テレビ出演も多い。著書多数。

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