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この冬を乗り切る! すぐできる物価高・円安対策 あわせて長期的な対策も

坂本綾子ファイナンシャルプランナー(CFP®)、1級FP技能士
(写真:イメージマート)

2022年の家計に関連する話題といえば、光熱費や食料品の値上げと円安ではないでしょうか。

2021年から続く光熱費・食料品の値上がり

去年の同時期に、「値上がりが相次いだ2021年、来年のために見直したい固定費節約術」として値上げを取り上げました。

2022年に入ってからも、特に光熱費と食料品については、値上げが続いています。2021年の値上がりはコロナ禍で物資の需給バランスが崩れたことの影響が大きかったのですが、2022年に入ってからはロシアのウクライナ侵攻と円安が加わり、庶民の財布を直撃しています。ここ数年、110円前後で推移していた米ドルと円の為替相場は、2022年2月以降急激に円安が進んで、一時は150円近くになりました。エネルギーや食料品を輸入に頼る日本では、円安は値上がりにつながります。

寒さが身に染みるようになる時期に、日々の生活に欠かせないエネルギー=光熱費や食料品の値上がりはこたえますね。

まずは、この冬をどう乗り切るか。加えて、これからの対策も考えておきましょう。

短期的な物価高、円安対策

値上がりする光熱費を少しでも安くすませるには、当然ですが、使用量を抑えることです。せっかくの暖房の熱を外に逃がしてしまうのは窓やドアなどの開口部。すき間に遮るものを置いて防ぎます。わざわざお金を出して買う必要はありません。我が家では古いぬいぐるみや毛布などを動員しています。

またヒートテックなどの温かい肌着を着るのは当然として、状況に応じて肩掛け、ひざ掛けを活用。サーキュレータを使って暖かい空気を循環させます。暖房は、使っている部屋、部分を中心に。

ただし、あまりに室温が低いと免疫力が下がるそうです。文部科学省では教室の適切な室温として17度以上28度以下を基準にしています。寒すぎて体調を崩し仕事や家事が予定通りに進まないようでは返ってマイナスです。真冬はある程度の電気代やガス代がかかると割り切って、増えた分を他で減らして相殺する、つまり支出の合計額を増やさない方向で考えましょう。

まだなら携帯電話料金の見直しが有効

光熱費の増加分をカバーする候補として考えたいのは、通信費です。去年の記事でも書きましたが、値上がりが相次ぐ中で値下がりしているのが携帯電話料金です。格安スマホなどへの見直しがまだなら、チャレンジしてください。数千円単位で安くなる人は結構いるはずです。1人3000円安くなれば、夫婦なら6000円、子ども2人の4人家族なら1万2000円の節約です。光熱費の値上がりをカバーできるのではないでしょうか。

携帯電話料金の見直し方は3パターン

見直しの方法は3パターンあります。①キャリア・機種は変えずにプランを見直す、②機種は変えずにキャリアを見直す、③キャリアも機種も見直す。

使い方とプランがあっていないために高い料金を払っている人は①、スマホの機種はそのままで安いキャリアに乗り換えたい人は②、機種変とキャリアの変更を同時に行いたいなら③。①②③の順にハードルは高くなります。

特に②と③はインターネットに強く、自分でSIMの入れ替えができる人向き。割安な料金プランを提供するキャリアは店舗を持たないところが多いからです。ただし、一部に店舗を持つところもあります。ネットに強い友人や家族に協力してもらう、店舗を訪ねるなどしてぜひ実行してみましょう。

光熱費の増加分、月数千円を節約する

他にも、契約しているけど使っていないサブスクなどがあれば解約するなど、1カ月あたり3000円から5000円を目安に節約ができれば、光熱費の値上がりはかなりカバーできるのではないでしょうか。

食費は増やさないことを目標に

次に食料品の値上がりへの対策です。食料品の中で値上がりしているのは基本的に加工食品です。これを機会に食料品の買い方、使い方を見直しましょう。食費をこれまでよりも増やさない、維持することを目標にします。

値上がりしているのは、小麦粉など輸入に頼る材料を使ったパンなどです。そういった食料品の購入を減らし、お米や値段の安い生鮮食品を活用します。日本人の米離れの影響でお米の価格は値下がりか横ばい傾向です。また生鮮食品は、気候などの影響による価格変動が大きいものの、その分、大きく値下がりするものもあります。その時に安い食品を中心に献立を考えます。食材で検索すると、いろんなレシピがでてきます。食費は、外食、中食が多いほど高くなります。電子レンジなどを使った簡単な料理のレパートリーを増やすことで、だいぶ抑えられるはず。そして、具沢山味噌汁、具沢山スープなどにして、買った食品は無駄なく使い切ります。ポイントは、米、自分で料理、簡単レシピの活用です。

さて、目の前のことだけではなく、先のことも考えておきましょう。

長期的な物価高・円安対策

円安はこれからも続くのでしょうか?日本は人口が減っているので、今後は世界の中で相対的に経済力が弱くなる可能性があります。経済力が弱い国の通貨は安くなる傾向があります。2022年の円安のスピードはかなり急激でしたが、今後もじわじわと円安が進む可能性は高いと思われます。

つまり、物価高対策、円安対策は、長期的な課題でもあります。対策は2つです。

海外資産への投資と、住宅の見直しです。

投資信託を使って海外資産を持つ

海外の資産を持っていると円安時には円換算の価値が上がります。米ドル建ての外貨預金を持っていた人はかなりの含み益が出ているはず。外貨預金でもいいのですが、円安対策も兼て長期的な資産形成をするには、投資信託が向いています。

海外資産への投資は、海外の株式や債券が含まれた投資信託を使えば誰でも可能です。例えば、MSCIコクサイやS&P500という指数に連動する投資信託を購入すると、先進国株式やアメリカの代表的な企業の株式に投資ができ、株式の値上がりと円安により利益を得ることができます。利益に非課税のNISA口座やDC、iDeCo口座で買うと節税にもなりより効果的です。資産の増加により、円安による物価の値上がり分をカバーできれば、家計を維持できます。

省エネ性能の高い住宅で光熱費を節約

住宅の見直しは費用がかかるので、慎重に検討する必要がありますが、もし購入や買換えを考えているなら、ぜひ省エネ性能の高い家を選びましょう。住んでいる家の省エネ性能が上がるようなリフォームも有効です。省エネ性能が高いと、光熱費は少なくてすみます。

SDGsのの観点からも、省エネはこれからの重要課題。国が推奨するZEH(ゼッチ)(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)は、エネルギーを作り出すことで年間のエネルギー消費ゼロを目指すものです。光熱費は限りなく安くなるか不要になります。これを推進するために、住宅ローン控除は省エネ性能が高い住宅ほど限度額が大きく、また子育て世帯を中心に補助金の制度もあります。

投資や住宅の見直しは、明日すぐに得するわけではありませんが、長い目で見たときには、物価高や円安対策として大きな効果を生むことになるはずです。

ファイナンシャルプランナー(CFP®)、1級FP技能士

雑誌記者として22年間、金融機関等を取材して消費者向けの記事を執筆。その経験を活かしてファイナンシャルプランナー資格を取得。2010年より、金融機関に所属しない独立した立場で、執筆に加えて家計相談やセミナー講師も行う。情報の取捨選択が重要な時代に、それぞれの人が納得して適切な判断ができるよう、要点や背景を押さえた実用的な解説とアドバイスを目指している。

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