国会は今すぐリモート開催にすべきだ

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国会こそ典型的な3密空間

在宅で仕事していると昼間もテレビを見ることが多い。昼食後にたまたまテレビをつけたらNHKで国会中継を放送していた。議員は全員マスクをつけている。少し前までは委員会の中継だったのが、この日は衆議院の議場に議員が勢ぞろいしていた。委員会中継でも気になってはいたが、衆議院の議場全体が映るとかなり異常に感じた。密閉空間にマスクの人びとがぎっしりひしめき合って座っている。こんな状態で、マスクが感染対策になるのか?隣の議員との距離は今まで通りでソーシャルディスタンスもあったものではない。国会こそ、密閉・密集・密接の3密ではないか。

我々国民の側は在宅ワークが当たり前で、打合せが必要な際はZoomなどのミーティングツールを使ってリモート会議をしている。パソコンを通じての会議が初めての人も多い中、みんな使い方を少しずつ学びとりながらなんとか慣れつつあるのだ。新しいメディアリテラシーを身につけ始めている。

なぜそうするのか?もちろん不要不急の外出を控えるようにと政治家が会見でアナウンスするからだが、それだけではない。新型コロナウイルスの感染者が増殖した海外の様子を見聞きして、なんとかみんなで力を合わせてこれ以上の感染を防ごうと考えるようになったからだ。みんなで自分と家族、そして社会全体を守りたいからだ。今のうちになんとか抑えこんで、早い時期に元の社会に戻したい。そうみんな感じているのだ。

それなのに、国会に集まった議員たちの無防備さはどうだろう?夜のニュースで知ったのだが、この日初めて入口に消毒液が置かれて議員が手を洗いマスクを着用することになったそうだ。何を今さらやっているのか?国民は2月の終わりからずっと、消毒液で手を洗ってきたのに。

この国のために国会はリモート開催にするべき

思い返すと、私たちは3月に入ってからずっと会議やセミナー、講演会などを諦めてきた。人が大勢集まる場を作ってはならないとの専門家たちの意見を聞かされてきたからだ。私も3月に予定されていたセミナーを自分から断ったり、主催者判断で延期になったりした。自分が主催する毎月の勉強会も開催を断念した。4月に予定されていたある企業研修も延期になった。それらは私にとって経済的打撃も伴うが、むしろ自分から延期を提案したものもある。いま世界中の人びとが、同様の苦渋の判断をしている。

国会の光景をテレビで見ながら、議員同士で感染し合うなら自業自得かとも思ったが、考えてみるとそんなわけにはいかない。政治家ほど日々国内を行ったり来たりし、多くの人と会う職業もない。もし今、議員の一人が感染していたら、それが国会内でじわじわ増殖した末に、日本中に拡散してしまう恐れがある。やめてほしい。新型コロナウイルス対策を議論する国会の場が、最大のクラスターになったらどうするのか。

法的な問題もあるのかもしれないが超法規的措置でも何でもやって、今すぐ議員は全員リモート会議のツールの使い方を習得し、国会をリモート開催に移行すべきだ。国民のためにそうすべきなのだ。

私は先週、テレビ番組での対策のゆるさを指摘する記事を書いた。

ウイルスへの危機感が薄いのは若者よりメディアの方だ(3月28日)

各局は週明けには対応し、ソーシャルディスタンシングで出演者を配置した。

ソーシャルディスタンスから感じたテレビと私たちの距離(3月31日)

迅速ではあったが、正直距離を取るレベルでいいのか、という気もしている。欧米ではメインキャスターが自宅からリモート出演する例も出てきているそうだ。

だが国会は、まだまだそれ以前の状態だ。ソーシャルディスタンスすら取れていない。結局、この国の政治家は国民の側にいないことを露呈している気がする。「一世帯にマスク2枚」をトップがわざわざ発表するくらい、国民の意識とズレた人びとなのだから。これは与党だけのことではない。同じように国会に出席し何の疑問も呈さない野党の政治家も似たようなものだ。結局危機感がいちばん薄いのは、この国の政治家たちなのだ。