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兄弟との三角関係に揺れて…。恋愛ドラマ主演が続く久間田琳加。「経験はできないドキドキを伝えられたら」

斉藤貴志芸能ライター/編集者
(C)TBS

24日にスタートするドラマ『ブラザー・トラップ』。ちょっと大人で積極的な兄と、まっすぐで初々しい弟の間で揺れる女子大生役で久間田琳加が主演する。10代の頃からモデルとして絶大な人気を博し、昨年「non-no」専属モデルとなると同時に表紙を飾る一方、女優活動も本格的に展開。このところ、恋愛ものでの主役が続く。自身も大の少女マンガ好きとあって、ときめきの伝わる演技が光っている。

不安があっても迷いは見せないように

――2年前はバラエティ出演が多い印象でしたが、最近はドラマや映画の仕事が増えているようですね。

久間田 去年は女優業にガッツリ力を入れたくて、なるべくたくさんの現場を経験しようと思いながら、1年を過ごしました。

――演技の面白みをより感じたからですか?

久間田 それは(連ドラ初主演作の)『マリーミー!』から、作品ごとに強くなりました。毎回現場で「この役にはこんな見せ方があるんだ」とわかるのが新鮮で、そういうことをもっと知りたいと思ったのが大きいかもしれません。

――2020年放送の『マリーミー!』の頃は、撮影が進む中でも「私が主演で大丈夫?」と思っていたと、後日談として話されていました。今は自信も付いてきたのでは?

久間田 まだまだです。ただ、切り替えが大事だと考えるようになりました。今回の『ブラザー・トラップ』でも、自分が引っ張らないといけない立場なので。撮影に入る前は不安ですけど、自分がしっかり地に足を付けて立ってなくて、皆さんもどうしていいかわからなくなったら本末転倒。迷いは見せないようにしています。

人見知りは少しずつ克服しています(笑)

――琳加さんは3年前に本格的に女優業を始めて、最初からほとんどの作品で主演やヒロインを務めてきました。それだけ光るものがあるからでしょうけど、ご自分ではどう受け止めていますか?

久間田 ありがたいことに、そういう役に挑戦させていただく機会が多いです。でも今回、ずっと俳優をやってらっしゃる塩野(瑛久)さんとご一緒して思ったのが、現場でどっしりしている感じが全然違うなと。毎作品、そういうふうに見習いたい方がいらっしゃいます。自分自身が引っ張って、満足いく演技もできるようになるまで、あと何十年かかるんだろう……という感じが若干します(笑)。

――やっぱり主役の重みはあるわけですね。

久間田 はい。自分の役にも集中しないといけないし、視野を広げて周りの方も見たいので、目があと何コも欲しいです(笑)。私はひとつのことに入ったら、そこしか集中できなくなるタイプで、もっと器用になりたいと思いながら撮影しています。

――女優として磨いてきたこともありますか?

久間田 人見知りはちょっとずつ克服できていると思います(笑)。撮影してないときのコミュニケーションも大事だと、いろいろな現場を経験してわかったので。以前は共演者の方に頼りがちだったのが、自分から皆さんと話さないといけない立ち位置が増えて、今回もそこは意識しました。

原作マンガの表情を鏡の前で練習しました

「LINEマンガ」で1億3000万viewを突破した日向きょうの人気作を実写化した『ブラザー・トラップ』。恋愛に積極的になれない大学生・立花あかり(久間田)は、年下男子・成瀬和泉(山中柔太朗)のまっすぐさに惹かれるが、彼の兄はわだかまりを残したままの元カレ・大和(塩野瑛久) だった。

――昨年10月クールのドラマ『青春シンデレラ』や今年5月公開の映画『おとななじみ』など恋愛ものが続いていますが、得意ジャンルですか?

久間田 少女マンガが好きで良かったとは、すごく思います。「このシーンはこういうふうに演じたい」とイメージが湧きやすいので。普通なら経験できないような展開がマンガだとあって、そういうところは演じていても楽しいです。

――恋愛ものならではのスイッチを入れたりもするんですか?

久間田 ドキドキの表現は難しいです。マンガ家さんはすごくかわいらしく描かれますけど、実写でやると、オンエアを観て「違ったかな」と思うときもあって。原作のあかりの印象的な表情を写真に撮って、鏡の前で練習もしました。観てくださる皆さんに気持ちを伝えられたらと。自分もマンガが好きだからこそ、原作ファンの方のイメージを壊さないようにしたいんです。

――キスシーンは慣れました?

久間田 初めてのキスシーンは去年だったんです。今回だと、塩野さんがキスシーンのプロなんですね(笑)。私と山中さんのリハーサルのときも、スタッフさんの中に塩野さんが入ってこられて「カメラがこっちだと、女性の顔が見えるように、こっちからいくんだよ」と説明してくださって、助かりました。

――ああいうシーンは役者さん的には、アクションに近いと聞きます。

久間田 私もそういう話は聞いていたんです。角度とか決まりごとが多くて、ドキドキしている暇はないと。本当にそうなんだとわかりました(笑)。

電話に出るのを止められてドキッとしました

――逆に、演じていてキュンとなるようなシーンもありました?

久間田 和泉くんといるときにお兄さんの大和先輩から電話が掛かってきて、出ようとしたら、和泉くんに「出ないで」ってパシッと手を押さえられたシーンは、ドキッとしちゃいました(笑)。年下だからこその行動というか、ちょっと強引な感じで急に本音が見えて。

――名前呼びも女子的には嬉しいものですか?

久間田 和泉くんには「あかりさん」と呼ばれるんですけど、会話も年下だけに敬語で新鮮です。今まで出演してきたラブストーリーとは、違う空気が流れていて。

――琳加さん目線だと、和泉と大和ではどちらに惹かれますか?

久間田 そこはすごく悩ましいです(笑)。撮影では最初、大和先輩とのシーンが多くて、結構強引でいいかもと思っていました。後半は和泉くんとのシーンが増えて、やさしい空気感が伝わってきて、今はやっぱり和泉くんかなと(笑)。2人が真逆だからこそ、どちらにもいいなと思う要素がありすぎます。一番いいのは、2人が合体することですね(笑)。

――現場でも、そういう話題は出ますか?

久間田 日々、女性スタッフさんと「どっち派ですか?」と話していました。意外と分かれるんですけど、若干、大和派が勝っています(笑)。

マンガと現実の恋のギャップはわかります

――演じたあかりの人物像は、どう捉えました?

久間田 こんなに周りに気をつかえて、やさしい人はいないですね。意外とヘコたれず、いざというときには行動力もあって、守ってあげたくなるような女の子だと思いました。

――自分に自信が持てず、人の顔色ばかり窺ってしまう面もあって。

久間田 そこは私と近いです。「これを言っていいんだろうか?」と自問自答をするところはすごくわかります。ストレートに言ったほうがいいことで遠回しな言い方をしたり、すぐ伝えたほうがいいことを「今じゃないかも」となかなか言えなかったり。

――あかりが困っている人を放っておけないところは、どう思いました?

久間田 放っておけない気持ちはあっても、行動に移せるかどうかですよね。私は手を差し伸べてウザいと思われたらイヤだなと、考えてしまうんです。そこで動けるあかりは素敵だなと思います。

――あかりも少女マンガ好きで、最初は「現実の恋愛はもういい」と考えていました。

久間田 あかりが家でメガネにダサめの服でマンガを読んでいるところは、「これ私だ」と親近感がありました(笑)。誰でもマンガみたいな恋愛に憧れる時期はあると思うんです。私もマンガを読みながら「素敵! ロマンチック!」となるタイプですけど、それだけに現実の恋にギャップを感じるのはわかります。

カラオケではドリカムさんを歌ってます

――『ブラザー・トラップ』で、大学生役ということで意識した点もありました?

久間田 高校生役と違って制服でもないし、実際の年齢とより近いのでわかることが多いですね。高校生を演じるときは、たまに「この気持ち、どこに置いてきてしまったんだろう?」と思ったりもするので(笑)。大和先輩のちょっと大人なところにドキッとするのは、大学生ならではの恋愛でいいなと。本物の講堂で撮影もして、リアルに大学生活を送っているような気分でした。

――和泉との出会いの場はカラオケボックスでした。実際に行くことはありますか?

久間田 学生時代も行ってましたし、最近もまた行くようになりました。

――どんな曲を歌うんですか?

久間田 ドリカム(DREAMS COME TRUE)さんですね。『LOVE LOVE LOVE』は好きで絶対歌っちゃいますし、最近は『大阪LOVER』も覚えました。……何か恥ずかしいですね(笑)。

――何が恥ずかしいんですか(笑)?

久間田 もともと学生時代も、前のめりにカラオケに行く感じではなかったんです。あかりがノレないシーンは気持ちがわかりました。私もなるべくなら、タンバリンだけ叩いていたいタイプだったので。でも、ドリカムさんを歌うと感情が入ってしまいます(笑)。

学生時代に撮ったプリクラは全部取ってあります

――あかりが思い出の写真や映画のチケットをなくしたくないと語るくだりも出てきますが、琳加さんにそういうところはありますか?

久間田 私も取っておくタイプです。一番捨てられないのは、学生時代に撮ったプリクラですね。ちょうど全盛期で、1日10回とか平気で撮っていて(笑)。写真は今だとデータとしてスマホに入ってますけど、当時はプリントしたものが大半で、すごくたくさんあるのを全部、思い出の箱に入れてあります。

――映画のチケットも?

久間田 すごく好きな作品は取っておきます。『シン・エヴァンゲリオン劇場版』とか。

――映画はよく観るんですか?

久間田 映画館には最近行けてなくて、配信で観たりはしています。洋画が多いですね。

――最近、面白かった作品というと?

久間田 今さら、という話ですけど、『オーシャンズ11』から『オーシャンズ12』と観ました。恋愛ものの出演が続いていたので、気分転換にカッコイイのが観たくなったんです。

――女優として刺激を受けた作品もありますか?

久間田 恋愛もの自体は自分でも好きで、洋画も邦画もよく観ています。衝撃を受けて今も忘れられないのは『きみに読む物語』ですね。すごく深いお話で、ずっと大好きな映画です。

同世代の方に刺さるお仕事は嬉しいです

――『ブラザー・トラップ』は深夜1時前からの放送ですが、そのくらいの時間は何をしていますか?

久間田 だいたい起きていますけど、マンガや雑誌を読んでいたり、携帯をいじっていたり、筋トレをしていたりと、やることはバラバラですね。寝るのは1時半くらいが多いです。

――最近はCMでも琳加さんをよく観ます。ノーシンピュア、ミュゼプラチナムにタウンハウジングと……。

久間田 タウンハウジングは久しぶりの単独のCMで、最近はダンスが必須なんだなと思いました。苦手分野ではありますけど、逃げられない感じになっていますね(笑)。

――CMが続くのは好感度の高さの表れですよね。

久間田 とてもありがたいですね。タウンハウジングはお部屋探しをする方に向けたもので、自分と同世代の皆さんに刺さるお仕事をいただけるのは、すごく嬉しいです。

――モデルやバラエティも含めて幅広くご活躍中ですが、どんな立ち位置を目指しているんですか?

久間田 女優のイメージをより持っていただきたいです。今年、公開が控えている作品もたくさんあるので、皆さんをあっと言わせられたら嬉しいなと思います。

――海外に行くときの出入国カードの職業欄とかには、何て書いているんですか?

久間田 ずっと“学生”だったんですよ(笑)。堂々と“女優”と書けるように頑張りたいです。

Profile

久間田琳加(くまだ・りんか)

2001年2月23日生まれ、東京都出身。

2012年に「nicola」のモデルオーディションでグランプリ。2017年8月から2022年3月まで「Seventeen」、2022年6月から「non-no」で専属モデル。女優としてドラマ『マリーミー!』、『#コールドゲーム』、『お茶にごす。』、『青春シンデレラ』などに出演。『最終列車で始まる恋』(メ~テレ)に出演中。1月24日スタートの『ブラザー・トラップ』(TBS)に主演。5月12日公開の映画『おとななじみ』にW主演。

ドラマストリーム『ブラザー・トラップ』

1月24日スタート

TBS/火曜24:58~(一部地域除く)

公式HP

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(C)TBS

芸能ライター/編集者

埼玉県朝霞市出身。オリコンで雑誌『weekly oricon』、『月刊De-view』編集部などを経てフリーライター&編集者に。女優、アイドル、声優のインタビューや評論をエンタメサイトや雑誌で執筆中。監修本に『アイドル冬の時代 今こそ振り返るその光と影』『女性声優アーティストディスクガイド』(シンコーミュージック刊)など。取材・執筆の『井上喜久子17才です「おいおい!」』、『勝平大百科 50キャラで見る僕の声優史』、『90歳現役声優 元気をつくる「声」の話』(イマジカインフォス刊)が発売中。

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