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中村ゆりに続く? “美しすぎる脇役”と注目が高まる32歳の女優

斉藤貴志芸能ライター/編集者
『ゴシップ』に出演した小林涼子 (C)フジテレビ

中村ゆりがW主演して好評を博したドラマ『今夜はコの字で』の続編が4月からスタートする。中村といえば、30代に連続ドラマの脇役や1話のゲスト出演が続き、そのたびに「あの美人は誰?」と話題になる時期があった。独自のポジションで知名度を上げ、主演やヒロインも演じるようになったが、その“美しすぎる脇役”の後継を担いそうな32歳の女優がいる。

1話のみの出演でも印象を残してきた中村ゆり

 中村ゆりはもともと、モーニング娘。や鈴木亜美らを輩出したオーディション番組『ASAYAN』から、アイドルデュオ・YURIMARIのYURIとして1998年に15歳でデビュー。翌年に解散後、3年の活動休止を経て女優に転身した。

 2007年に井筒和幸監督の映画『パッチギ! LOVE&PEACE』に出演。シリーズ前作で沢尻エリカが演じた在日韓国人役を継ぎ、全国映連賞の女優賞などを受賞している。

 ドラマでは1話のゲスト出演や脇役が多かったが、その中で出番が増えていく。2012年の朝ドラ『梅ちゃん先生』では堀北真希が演じたヒロインの担任教師。2014年の『花子とアン』では吉高由里子が演じたヒロインの夫の元の妻。結核を患っていて、自ら離婚を切り出した後に他界する薄幸な役で目を引いた。

 同年には、木村拓哉主演の『HERO』2期の7話にゲスト出演。同棲していた恋人に暴力をふるわれながら、起訴に当たって彼を庇おうとする女性を好演した。

 2015年には北川景子主演の『探偵の探偵』にレギュラー出演。川口春奈が演じた探偵の助手の姉役。良き姉に見えたが、やがて妹への執着を露わにし、探偵社に押しかけて泣きわめきながら妹を連れ戻そうとする姿は怖いほどで、インパクトを残した。

独自のポジションから37歳で連ドラに初主演

 当時、一般的な知名度は高くなかった分、ドラマに登場するたびに「あのきれいな女性は?」と言われる独特な存在となった。『グッド・ドクター』、『パーフェクトワールド』などで番手がさらに上がるにつれ、名前も知られるように。

 2020年には『今夜はコの字で』で、37歳にして連ドラ初主演を果たす。こぢんまりとした居酒屋を大学の後輩と共に巡る話で、陰のある役のイメージが強い彼女には珍しく、明るく笑顔の多いキャラクターだった。

 昨年も『天国と地獄』など連ドラ3本にレギュラー出演。『ただ離婚してないだけ』では、北山宏光(Kis-My-Ft2)が演じた主人公との関係が冷え切った妻役で、様々な苦境に陥るヒロインのポジション。今月40歳を迎えて、この4月からは主演作『今夜はコの字で』の続編がスタートする。

『ゴシップ』の元カノ役で絶賛された小林涼子

 そんな中村ゆりと似た軌跡を辿っていると見える女優が、小林涼子だ。現在32歳。1月クールでは『ゴシップ #彼女が知りたい本当の〇〇』の7・8話に出演した。ネットニュース編集部員の根津道春(溝端淳平)の大学時代の元カノ、阿久津舞衣役。新聞社に勤めていて、根津に「私たち、やり直さない?」と持ち掛けつつ、ベンチャー社長の不倫写真をネタとして渡した。

 根津に「社会の裏側を暴く記者になりたいという夢は、ゴシップサイトにいて叶えられるの?」と、転職先も紹介して心を揺らす。父親の不正の証拠を掴んだ根津が「もうどうでもいい」とつぶやくと、舞衣は彼を抱き締めたりも。

 だが、吹っ切れた根津は結局、転職の誘いを断った。自分とやり直すつもりもないと悟った舞衣は、「今度は自分の思ってること、ちゃんと相手に伝えなよ」と、根津の今の恋を後押しする言葉を残して去っていった。

 放送後、SNSでは「たまらずググった。めちゃくちゃ可愛い」「たまに見かけるチワワみたいに目がデカイ女の人、小林涼子っていうらしい。すごい印象に残る顔の人だよね」「相当顔小さいんじゃないのか!? その上であの大きな目って生で見たら圧倒されそう」「『やり直せない?』って聞かれたら即答で首縦に振ってしまうよな」といった声が挙がっていた。

10代の頃に大野智主演ドラマのヒロインも

 小林涼子は子役出身で、小・中学生向けファッション誌『ニコラ』の専属モデルとなり、中3だった2004年にドラマ『一番大切な人は誰ですか?』で宮沢りえの娘役を務めた。『ゴシップ』の反響にもあった通り、小顔に大きな瞳の端正な美少女ぶりは、当時から評判を呼んだ。2007年には人気コミックが原作の昼ドラ『砂時計』で、ヒロインが世代ごとに変わる中、核になる中高生時代を演じた。

 そして、2008年には嵐の大野智主演のドラマ『魔王』でヒロインに。弁護士として弱者を助ける裏で弟を殺した犯人たちへ復讐していく主人公に想いを寄せる役。触れたものの過去が見えるサイコメトリストでもあった。清廉さと共に愛する人の真の姿を知ってしまった切なさも滲む演技で、視聴者の胸を打ち、数々のドラマ賞を獲得した。

 そうした活躍はありつつ、同世代に映画デビュー作『HINOKIO』で共演した多部未華子、堀北真希や、新垣結衣、戸田恵梨香、吉高由里子らがいた中、ブレイクにまでは至らなかった。事務所を二度移籍しながら、脇役や1話ゲストでのコンスタントな出演を続けてきた。

ステッカー公式HPより
ステッカー公式HPより

『姉ちゃんの恋人』や『判捺し』にボートレースCMも

 年齢を重ねる中で、2018年にはTOKIOの松岡昌宏主演の『家政夫のミタゾノ』2話で、人気女子アナで実は隠し子がいる役を演じている。2019年公開の水谷豊が監督を務めた映画『轢き逃げ 最高の最悪な日』では、轢き逃げ事件を起こした主人公の妻役を担った。

 30代に入り、近年で印象深いのは2020年の『姉ちゃんの恋人』。有村架純が演じる主人公がつき合うことになった恋人の昔の彼女役。男2人に乱暴されそうになったのを彼に助けられたが、世間体を気にして裁判で証言しなかったため、彼が暴行を働いたと実刑判決を受けた。思いがけず再会して、ずっと悔やんでいたことを明かす。

 昨年の『婚姻届に判を捺しただけですが』では、清野菜名が演じる主人公の先輩デザイナー役。2.5次元俳優にハマっているオタクで、推しの交際報道で抜け殻のように落ち込んだりとコミカルさを見せた。

 また、2020年に放送されたボートレースのCMでは、田中圭が演じたボートレーサーの妹でアーティストという役に扮している。頼りない兄にエールを送りつつ、自らはニューヨークへ旅立っていった。

安定した演技力も評価、新ドラマで主人公の同僚に

 こうした作品に出演するたびに「あの美女は…‥」と話題になるのは、かつての中村ゆりと同じだ。昔はロングヘアーだったこともあり、「『魔王』の子だったか」といった声も見受けられる。

 そして、脇役で出演が途切れないのは、安定した演技力も評価されているからだろう。『ゴシップ』の舞衣も、根津が凛々子(黒木華)に想いを寄せているのを見てきた視聴者には厄介者に映りそうなところを、彼女なりの想いと潔さが台詞以外からも醸し出され、良い後味を残した。

 現在はParaviで配信されている『復讐の未亡人』に、松本若菜が演じる主人公の同僚役で出演中。4月スタートの『花嫁未満エスケープ』でも、岡崎紗絵が演じる主人公と同じセレクトショップで働く店員役を、元乃木坂46の松村沙友理と共に務める。

 そろそろ名前も定着しそうな中で、“美しすぎる脇役”からさらなるステップアップが見られそうだ。中村ゆりのようにキャリアを重ねたうえでの主演展開も期待したい。

芸能ライター/編集者

埼玉県朝霞市出身。オリコンで雑誌『weekly oricon』、『月刊De-view』編集部などを経てフリーライター&編集者に。女優、アイドル、声優のインタビューや評論をエンタメサイトや雑誌で執筆中。監修本に『アイドル冬の時代 今こそ振り返るその光と影』『女性声優アーティストディスクガイド』(シンコーミュージック刊)など。取材・執筆の『井上喜久子17才です「おいおい!」』、『勝平大百科 50キャラで見る僕の声優史』、『90歳現役声優 元気をつくる「声」の話』(イマジカインフォス刊)が発売中。

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