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会えない今だから「また明日ね」と…。セルフプロデュースのkolmeが2年の模索を経た進化とメッセージ

斉藤貴志芸能ライター/編集者
左からMIMORI、KOUMI、RUUNA(エイベックス提供)

楽曲制作や振付などセルフプロデュースで活動しているガールズユニット・kolmeが初のミニアルバムをリリースした。タイトルはそのまま『Hajimete No Mini Album』。コロナ禍の状況で自らと向き合い、2年の模索を経て進化した音楽とメッセージが詰まった1枚となった。

3人での誕生日会にお子様ランチ(笑)

――ミニアルバムを発売して、リリースイベントも久しぶりでしたね。

RUUNA 去年、ライブハウスでツアーはやりましたけど、ショッピングモールの雰囲気は懐かしくて、楽しかったです。

KOUMI ステージで陽の光を浴びてビックリしました(笑)。

RUUNA 今は声を出せない分、皆さんが表情豊かに観てくれる気がします。笑顔で楽しんでいるのを伝えてくれて。

MIMORI 確かに、マスクより上だけでもわかります(笑)。クラップの熱量もすごくて、オケが聞こえなくなる会場もありました。

――皆さんのkolmeハウスでの共同生活は、コロナ禍の前と変わりませんか?

RUUNA 全然変わりません。もともと仕事から帰ってきたら、各自の時間を過ごすタイプの3人で、いつも一緒にいてもストレスとかはないです。

MIMORI 逆に、お誕生日会とか前はスタッフさんも含めて外で何軒か回っていたのが、3人でホームパーティーをすることが増えました。

RUUNA 誕生日のメンバー以外の2人が料理のメニューを考えます。MIMORIだと、お子様ランチが好きだから(笑)。

MIMORI 違います! お子様ランチに入っているものが好きなんです。

KOUMI 同じことじゃない(笑)?

RUUNA なので、KOUMIと私で何を作るか話し合って、食器のプレートも買いに行きました。

――旗を立てたりもしたんですか(笑)?

MIMORI 立ってました(笑)。「みもちゃん、おめでとう」と書いてあって。メニューも豊富すぎて、オムライス、ハンバーグ、ポテト、ウインナーに春巻も乗っていたよね? 他にみそバターコーンラーメンまで、私の好きなものが全部集まってました。

あの時間の私たちをミニアルバムに詰め込んで

――このタイミングでミニアルバムをリリースしたのは、どんな流れからだったんですか?

RUUNA 急に思い立って作り始めた感じです。

MIMORI 去年の秋くらいから。

RUUNA コロナ禍の2年間に配信した曲を、盤に残したい気持ちがあって。皆さんと会えないからこそ、音楽を通して少しでも毎日を頑張る力をお届けしたくて、リリースしてきたんです。いつか「こんなことがあったな」と振り返ってもらうには、盤にするのが一番。あの時間の私たちを詰め込めたらと思いました。

KOUMI フルアルバムだと、もう何曲か作らないといけない。でも、無理する必要はないよねと。今持っている曲で時間をかけて丁寧に作ろうと、ミニアルバムになりました。

――確かに、この2年のkolmeがうかがえる1枚ですね。最初の緊急事態宣言の頃は予定されていたライブが中止になったりで、どんな心境でした?

RUUNA 経験なかったことで、先が見えなすぎて。事務所の方から外に出ないように言われたので、ずっとkolmeハウスにいて、3人でリビングで練習してました。

MIMORI 弾き語りの練習をしたね。

RUUNA MIMORIにピアノを弾いてもらって。いろいろ中止になって、マイナスな気持ちになりがちでしたけど、今できることをやろうと、それぞれが勉強する期間でもありました。

KOUMI 「何かしないと」みたいな意識は常にありました。

MIMORI でも、できることは本当に限られていて。自分たちの活動の一番の源のライブができない。スタジオに行けなくてレコーディングもできない。次の曲をどうするか、本当に悩みました。

――その分、今までやってなかったことを始めたりも?

RUUNA 初めて海外ドラマを観ました。Netflixで『SUITS』とか。kolmeハウスのテレビに録画機能がないこともあって(笑)、ドラマを観るのはすごく久しぶりでした。

KOUMI 私も映画をひたすら観ていました。3時間とかある映画は忙しいと観られないので、チャンスだと思って。『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』とかタランティーノの作品が楽しかったです。あとは動画編集。ファンクラブ用に月2本と、YouTube用の動画を作っていました。

MIMORI 私はDJを始めました。エイベックス主催の配信DJイベントに「出てみない?」と言われたのがきっかけです。ずっと「DJって何をしているんだろう?」と思っていたんですけど、0から学んで、やったらこんなに楽しいんだなと。機材を集めてアナログもやってみたくて、勉強しています。

RUUNA/秋元瑠海(あきもと・るうな)。1996年9月 9日生まれ、宮城県出身。リーダー。メインヴォーカル
RUUNA/秋元瑠海(あきもと・るうな)。1996年9月 9日生まれ、宮城県出身。リーダー。メインヴォーカル

これまで通りの生活だったら生まれてなかった曲も

――そうした日々の中で作られた曲が、今回のミニアルバムに収録されたと。

RUUNA これまで通りの生活だったらリリースしてない楽曲を、選ぶようになりました。今伝えたいメッセージに対して、どういう曲調をピックアップして制作していくか。そこで変わったんです。『See you』は、fox capture planさんと完全リモートでデータをやり取りして作らせていただきましたけど、こういう状況でなかったら生まれなかった曲だと感じます。

MIMORI 曲は全部お任せして、私は作詞に集中できました。今までは「また明日ね」と気軽に言えていたのが、この状況で言えなくなったことに気づいて、やるせなさを伝えるにはどうしたらいいか。暗くならず、音楽で世の中を少しでも明るくしたくて、この曲が生まれました。

――<See you again>を繰り返すサビが印象的で、いつかまた会える日への希望が染みますが、詞はスラスラ書けたんですか?

MIMORI 言葉は出てきて、自分のメロディだったらハメやすいんです。人の曲に詞を付けるのは難しいことに気づきました。あと、「また明日ね」をどういうふうに言うか。あからさまなのもイヤで、きれいな言い回しにするのも難しかったです。

KOUMI 英語詞について、今回はMIMOちゃんの親戚のアメリカに住んでいる方にも、いろいろ教わりました。「またね」を直訳すると“See you”とかになるけど、現地ではそういう意味では使わない言い方もあったり。<Have a good time>が「またね」のニュアンスと聞いて、詞にもハマりました。

――ドラマ『カルテット』や『コンフィデンスマンJP』の劇伴も手掛けたfox capture planとkolmeの音楽の融合は、うまくいったようですね。

MIMORI ピアノのタッチやリズムがめちゃめちゃ難しいんです。kolmeでは踊ることを考えて曲を作るから、3拍子はあまり使わないので新鮮でした。

しんみりした歌詞をずっと書きたくて

――『Playback』と『Time goes by』は2020年の後半に作った曲だそうで。

MIMORI 年末の結成6周年の記念日に向けて、2年前の10月か11月ごろに制作してました。

――パーティー感のある『Playback』は、当時の状況の中での願望を反映したような?

MIMORI 6周年はみんなと祝う大事な行事で、ライブはできないけど曲でパーティー感を出したいと思いました。なるべく明るい曲を選んで、ハッピーな言葉しか入れていません(笑)。

――皆さんもこの歌のように、人生を楽しんでいる感じですか?

RUUNA あまり思い悩むタイプのメンバーはいません。人生いろいろありますけど、音楽に囲まれて、メンバーと6年間やりたいことをやれているのは、何て幸せなんだろうと。そんな歩みを振り返りつつ、「もっともっと楽しんでいこう!」という歌です。

――一方の『Time goes by』は別れの歌ですが、KOUMIさんがこういう詞を書きたい心境だったんですか(笑)?

KOUMI かれこれ2年くらい、ずっと書きたくて(笑)。でも、こういう状況が続いて、『Playback』や『See you』のような、みんなの背中を押せる明るい楽曲を作るのがグループのモチベーションになっていたので、私の気持ちは抑えてきました。それで、やっと少し落ち着いたタイミングで、「そういえば、あの楽曲は良かったな」と、ローでしんみりした歌詞を書けました。

人を思いやりすぎて自分を削らないほうがいい

――そもそも、なぜそういう詞を書きたかったんですか?

KOUMI ハッピーな歌詞を書くのが得意でないんです(笑)。バッドエンドのフランス映画とか、芸術的で起承転結があまりないような作品が好きなので。人の明るい部分より影の部分の感情を書きたいと思っていました。

――恋愛曲のようで、<心で確かに感じていた真実を否定しないで>といった自分を貫くスタンスが出ています。

KOUMI 「自分の意見が一番だよ」と、メッセージを伝えたかったんです。私自身、いろいろな経験をして自信がついたのと、他人のことを思いやりすぎて自分を削らないほうがいいと思ったので。

――曲調的にはシティポップがベースのようで。

MIMORI その頃、海外で日本の昔のシティポップが流行っていたので、挑戦してみようと。私は全然聴いてなかったジャンルで、勉強しました。70年代や80年代のシティポップを検索して、とりあえず1コーラスずつポンポン聴いていって、「こういうふうにコードが進んでいくんだ」とか。でも、スタッフさんからは「ただの良いメロディだとつまらないから、面白くして」と言われました(笑)。

――なかなか難しい注文ですね。

MIMORI kolme要素を加えるためにラップを入れたり、アレンジャーの(アサイ)リョウタさんと相談して、歌声を左右に振ったり、1回聴いただけではわからない要素を盛り込んでいきました。

アコースティックライブで歌だけで見せる挑戦を

――去年のアコースティックライブから派生して、『In my dream』と『Precious』のアコースティクバージョンも収録されました。アコースティックライブというと、バンドが生ギターやピアノなどだけの編成になるイメージですが、皆さんの場合はトラックを作り変えたんですね。

RUUNA MIMORIがアレンジャーのRumbさんとアコースティックな音源を作ってくれました。ハモリのラインも考えてくれて。

MIMORI 音数を少なくしたのと、お酒を飲みながら気持ち良く聴けるのを一番大事にしました。

RUUNA 今までは歌とダンスありきだったから、歌だけで見せるのは初めての挑戦で、いつもよりリハーサルが大変でした。歌い分けも通常のダンスバージョンと変わったので。

――アコースティックライブに取り組んで、新たに自分たちから引き出されたこともありました?

RUUNA 今までのレコーディングでは、歌を揃えることをしなかったんです。各自が思うままに歌って。でも、今回のアコースティック曲では、音を伸ばす長さとか、ここは息を多めに歌うとか、全部揃えました。他の新曲でもサビとか3人で歌うパートはそうしたので、いつもよりボーカルが揃っていると思います。

MIMORI 『Time goes by』のラップ部分は、アコースティックライブをやって追加しました。ハモリも入れて、メロディもちょっと変えたんです。それぞれの歌い方のクセをさらに理解できて、「この人はこう歌えばより伝わる」とわかって、細かい指摘もしました。メロディに関しては作り方も考え方も変わりました。

KOUMI ハモリを入れて歌ったのも、アコースティックライブが初めてです。主旋の人を周りが支えることをしてなかったので、ハーモニーを揃える難しさを改めて感じました。

KOUMI/早坂香美(はやさか・こうみ)。1996年5月31日生まれ、宮城県出身。振付・英語詞担当
KOUMI/早坂香美(はやさか・こうみ)。1996年5月31日生まれ、宮城県出身。振付・英語詞担当

流行を知っておくだけでも全然違います

――kolmeの強みがアコースティックライブから増えたんですね。

RUUNA ツアーは1部がアコースティックライブ、2部が通常のダンスもある形で、スタッフさんに「いつもより声が出ている」と言われました。1部でだいぶ歌って、他のメンバーの歌を聴いて合わせることもしたので。私は前から「スナック秋元」というソロで昔の歌謡曲を歌うコーナーがありましたけど、このツアーでは各メンバーがメインのカバー曲もやりました。その日の主メロの歌を聴いて、どれくらいのハモリがちょうどいいのか合わせていたら、耳が鍛えられたのか、2部でも他のメンバーの歌をよく聴くようになりました。

――メンバー個々がメインというと、「スナック早坂」も開かれたり(笑)?

RUUNA KOUMIはスナックではなかったです(笑)。

KOUMI 私はクラブですね。

RUUNA MIMORIは「富永園」とか(笑)?

MIMORI 幼稚園みたいな(笑)?

RUUNA 私たちのちょっと大人な雰囲気とは違うかなと。

MIMORI かわいらしい曲をギターアレンジで歌いました。音源を自分で作って。

――どんな曲をカバーしたんですか?

MIMORI TikTokで流行っている『ヨワネハキ』です。<そういやさ そういやさ>とかわいく歌って、自分の良さを最大限に活かしました。

――シティポップの話もありましたが、TikTokも含め最新の音楽トレンドはチェックしているんですか?

RUUNA 日本と海外のTOP20とかTikTokとか、流行っているものはチェックしている気がします。

KOUMI TikTokだと「何で何年も前の曲が今流行っているんだろう?」というのもあって、面白いですね。

MIMORI 流行を知識として知っておくだけでも、全然違うと思います。

「かわいいだけ」と言われるのはイヤなんです

――『Precious』のオリジナルは2015年発売の1stアルバムに収録されていましたが、KOUMIさんは随分と乙女チックな詞を書いていました(笑)。

KOUMI 当時はそこまで海外を意識してなかったので、英語詞は日本の方が聴いたらわからないだろうと思って、100%ラブラブな感じを出しました(笑)。

――訳すと“あなたは私が眠るまで寝ないでいてくれる”とか。

RUUNA アツアツですね(笑)。18歳だから書けたのかもしれません。

――ミニアルバム1曲目の新曲『Upgrade me』はグイグイくる曲でクセになりますが、狙ったことはありますか?

MIMORI 7周年を迎えるので、1コ変わりたいというのはありました。Rumbさんとプリプロをしているとき、「爆弾を落としたいね」と話して、今までにないテイストを意識しています。私たちはもう新人といえるキャリアではないですけど、まだまだ進化していく気持ちを込めて、強めに行きました。

――それにしても、この詞だと、MIMORIさんはそんなに「かわいい」と言われるのがイヤなんですか(笑)?

MIMORI 嬉しいんですけど、「かわいいだけ」と言われるのがすごくイヤなんです。「ちゃんと芯もあるし、本当は強いんだよ」という気持ちをこの曲に出しました。

――さっき出たように、ツアーのカバーコーナーでは、かわいさを出したんですよね?

MIMORI 強みを活かしたい、というのはあります。進化するために自分と向き合ったとき、悪いところも見つめますけど、伸びるのは良いところですよね。それが自信に繋がるので。ファンの方は、何かに憧れて好きになってくれると思うので、胸を張れる自分でないといけない。そういう想いもあって、この歌詞ができました。

しっくりこなかった言葉を「いいね」と言われて

――この歌詞はスラスラ書けました?

MIMORI 全然スラスラいかなかったです。入れたい言葉はいっぱいあるんですけど、メロディが今までと違うので、うまくハマらなくて。ツアー中に書いていて、2人にたくさん相談しました。

RUUNA 自分が書いていても、ハマる言葉が見つからない、メロディとの組み合わせが良くない、もう言葉がない……というループに陥るんです。そういうときに、ふと「何かいいのない?」って、他のメンバーに出してもらったものが良かったりするんですよね。

MIMORI それはあるね。

RUUNA たぶん、考えすぎちゃうんです。「これじゃない。あれじゃない」となっているところで、あまり深く考えてない人から「こういう言葉は?」ともらうと、全然違うインプットができて。だから、私は歌詞で迷ったら、すぐ「募集します」とメンバーに投げます(笑)。

MIMORI 楽屋で「♪フフフンフン~みたいなメロディなんだけど、ハマる言葉はない?」と聞くと、ポンポンポンとダサいのも出てくるんです(笑)。

RUUNA 数を打つ感じなので(笑)。

MIMORI でも、その数打たれた中から「これいい! 核心突いてる」という言葉があって、ちょこちょこ入れました。

KOUMI 私は自分のものは自分で作りたい気持ちが強いんですけど、MIMOちゃんに「この部分が微妙なので他の言葉ない?」と相談されたとき、逆に「そのままで良くない?」と思ったことがあって。第三者の冷静な目線も大事だと感じました。

MIMORI それはサビの<酸いも甘いも>ですね。今までそういう言葉を歌詞に入れてなかったので、しっくりこない感じが自分の中であって。KOUMIちゃんに「何で? 響きも良くない?」と言われてなかったら、変えていたと思います。人に歌ってもらって、初めて「結構いいのかも」となりました。

MIMORI /富永美杜(とみなが・みもり)。1996年6月14日生まれ、宮城県出身。作曲担当
MIMORI /富永美杜(とみなが・みもり)。1996年6月14日生まれ、宮城県出身。作曲担当

25歳で初めてアクセサリーを買いました

――皆さん、それぞれUpgradeしたいことはありますか? アーティストとしてでも、いち個人としてでも。

KOUMI RUちゃんは料理じゃない(笑)?

RUUNA 私、盛り付けが苦手なんですよね。

MIMORI 味は普通においしいですけど、実家のおばあちゃんみたいな盛り付けをします(笑)。

KOUMI とりあえず入れとけ、みたいな(笑)。

RUUNA ガーッと乗せちゃいます。洗い物が少ないほうがいいので(笑)。でも、女子力をUPしたい気持ちはすごくあります。

MIMORI 私も去年初めて、自分でアクセサリーを買いました。ジャラジャラしているのが好きでなくて、普段ほとんど付けなくて、付けると邪魔で外したくなっちゃうんです。でも、もうちょっと大人の女性になりたくて。

――初めてのアクセサリーは、どこで何を買ったんですか?

MIMORI 渋谷でポップな指輪を買って、メンバーに見せたら「幼稚園児がするような指輪」と言われました(笑)。

RUUNA ビーズみたいだったので(笑)。

KOUMI プラスチックか何かの(笑)。

MIMORI パステルのお花がちょこんと乗っていて、かわいいと思ったんですけど……。

RUUNA 私とKOUMIちゃんはほぼ絶句(笑)。

MIMORI 今年中にピアスを開けるのが目標です!

趣味のトラックをいっぱい作りました

――KOUMIさんはありますか?

KOUMI 動画の編集を頑張りたいです。やると奥深くて、シーンの切り替えとかフィルターとか字幕の入れ方とか、面白くしていけたら。パソコンやタイピングは昔から好きなので、作業は楽しいです。

――ミニアルバムの特典映像に収録のオフショットムービーも、KOUMIさんが制作。そして、ジャケットのイラストはMIMORIさんが描いていて。

MIMORI ジャケットは「イラストにしたらいいんじゃない?」という声があって、5形態出すなら全部違うほうがいいと、kolmeのレコーディングスタジオの風景を描いて、5分割しました。

――制作に時間はかかりました?

MIMORI 納期があったので、パパッと描いて終わらせました。イラストは小さい頃から描いていたので、曲作りの機材をいじるより早くできます。

――家にいる時間が長い分、曲のストックはまだあるんですか?

MIMORI 15曲くらいですかね。あとは趣味のトラックをいっぱい作りました。ローファイ・ヒップホップ系がいいなと思って、自分好みにしたり。ロックにも挑戦してみたんですけど、ヘタすぎてやめました(笑)。ギターを弾けないので、代わりに全部ピアノにした結果、ロックは手を出したらいけない気がしました(笑)。

MIMORIがイラストを手掛けたジャケット(Type-D)。5形態を並べるとひとつの画になる
MIMORIがイラストを手掛けたジャケット(Type-D)。5形態を並べるとひとつの画になる

メンバー1人1人の幸せが第一です

――自粛期間から、人生について考えたこともありました?

MIMORI そろそろひとり暮らしをしてみたいと思ってます。引っ越し先も時期も決まっていませんけど、『SUUMO』を読んでいます(笑)。

RUUNA アコースティックライブをやって、自分に自分で刺激を与えるのは、すごく良いことだとわかりました。やってみて良くなかったとしても、ひとつの経験として捉えられるので。20歳の頃より今のほうが、挑戦に怖さがないと思います。みんながひとり暮らしをしてみるのもいいし、もしかしたら3人でいる時間がもっと濃くなるかもしれません。

MIMORI 「また一緒に住む?」となるかもしれない。

KOUMI 自粛で仕事が止まったタイミングで、会えなくなってしまった人もいますけど、新しく会えた人もいて。今まで会うのは同じ業界の人やアイドルさんばかりでしたけど、仕事が違うとこんなにも違う人がいるんだと、軽く海外に行った気分になります(笑)。

――皆さんは今年26歳になりますが、20代後半の展望はありますか?

RUUNA 20歳の頃は自分で自分を縛っていたというか、「こうでないとダメだ」みたいな考えが強かったんですね。今もkolmeとしての目標ややりたい音楽はありますけど、kolmeがすべてだったのが、それ以上にメンバー1人1人が幸せであることがベストという考えに変わりました。2人と10年くらい一緒にいて、kolmeを抜きにしても、いい人生を送ってほしい。お母さんみたいですけど(笑)、そういう気持ちになったんです。

――深いメンバー愛ですね。

RUUNA kolmeで頑張る気持ちは変わりません。でも、プライベートも大切にしてほしい。人生は1回きりなので、kolmeに縛られず、やりたいことは好きなだけやってほしい。メンバーが「こういうことをやりたい」と言ったら、「どうぞ」って感じです。幸せな人生を送るためのひとつのカテゴリーとして、kolmeがあればいいと思うようになりました。

――逆に1人1人の活動が、kolmeにフィードバックもされるでしょうね。

RUUNA そうですね。インプットがなくなって、kolmeで音楽を作るのが苦しくなるなら、インプットの時間を取ったほうが全然いいので、止まることも怖くなくなりました。kolmeに関わってくださる方も含め、みんなが幸せであることが第一。でないと、いろいろな人に良い音楽を届けることはできないので。あれがあるからこれはできない、ではなく、あれもこれも全部やる。欲張る人生でいきたいです。

MIMORI 同意見です。すべて代弁してくれました(笑)。

KOUMI このあとで何も言えません(笑)。目標はそれぞれあるので、迷惑はかけないようにしながら、自分の意見を大事に生きていけたらいいと思います。

MIMORI それは『Time goes by』の歌詞にもあったね。kolmeでもいつかまた海外に行きたいし、曲がワールドチャートに入るように頑張っていきたいです。

kolme(こーるみー)

仙台出身のグループの同い年メンバーだったRUUNA、KOUMI、MIMORIで2014年12月に結成。それぞれの得意分野を活かし、楽曲やパフォーマンスをセルフプロデュースして活動。2015年3月にシングル『To shine』でメジャーデビュー。同年10月に1stアルバム『Who is collme?』を発売。

公式HP

『Hajimete No Mini Album』

発売中 avex trax

Type-A(CD+DVD) 4950円(税込)

Type-B(CD+DVD) 5500円(税込)

Type-C(CD+DVD) 4950円(税込)

Type-D(CD+DVD) 4950円(税込)

Type-E(CD) 2530円(税込)

配信用ジャケット
配信用ジャケット

kolme Live Tour 2022 “Upgrade me”

2月23日 F.A.D YOKOHAMA

3月5日 仙台 CLUB JUNK BOX

3月12日 北堀江club vijon

3月13日 名古屋SPADE BOX

3月21日 西川口Heart

*写真はエイベックス提供

芸能ライター/編集者

埼玉県朝霞市出身。オリコンで雑誌『weekly oricon』、『月刊De-view』編集部などを経てフリーライター&編集者に。女優、アイドル、声優のインタビューや評論をエンタメサイトや雑誌で執筆中。監修本に『アイドル冬の時代 今こそ振り返るその光と影』『女性声優アーティストディスクガイド』(シンコーミュージック刊)など。取材・執筆の『井上喜久子17才です「おいおい!」』、『勝平大百科 50キャラで見る僕の声優史』、『90歳現役声優 元気をつくる「声」の話』(イマジカインフォス刊)が発売中。

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