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「生涯・東芝」を宣言したラグビー日本代表主将リーチ、サンウルブズでの新たな挑戦に「ワクワクします」 

斉藤健仁スポーツライター
日本代表だけでなくサンウルブズでもプレーすることになったリーチ(撮影:斉藤健仁)

 1月14日(日)、2017-18シーズンのトップリーグの最終戦となる、総合順位決定トーナメントが行われ、東芝ブレイブルーパスは、神戸製鋼コベルコスティーラーズに17-41で敗れて6位でシーズンを終えた。

 ラグビー日本代表のキャプテンを務める東芝のFL(フランカー)リーチ マイケル(29歳)は、前節で右足首を負傷したため、この日はメンバー外でスタンドから試合を観戦。来季の契約についてたずねると「東芝フォーライフ!」と笑顔を見せて、「生涯・東芝」を宣言し、来季も東芝でプレーをすることを明言した。

◇東芝復活に向けて「身体を作らないといけない」

 今季の東芝は昨季の9位から6位へと順位こそ上げたが、シーズン序盤の4連敗が響いて、中盤から終盤に7連勝したものの、レッドカンファレンス3位でトップリーグの1~4位の順位決定戦を兼ねる日本選手権に出場することはかなわなかった。

 リーチは今季の東芝に関して「やりたいラグビーと身体がマッチしていない。まず(フィジカルを)強化しないといけない。(今季の)東芝はどちらかというと気合いでやっていて、(上位のチームと)フィジカリティーに圧倒的な差があった。戦術よりももっと身体を作らないといけない」と指摘した。

 またリーグ戦の終盤で7連勝したことに関してリーチは「東芝はシンプルにボールを持ったら前に(行く)。そのためには10番(SO=スタンドオフ)が大事。(2013年度に)デイビッド・ヒルがいなくなってから苦しくなったが、(今季は元オールブラックスのSO)ビーバー(スティーブン・ドナルド)が(シーズン途中から)入って来て、かなりチームに良い影響を与えた。彼が入ると入らないではチームが違った」とベテランSOがチームに好影響を与えたことを強調した。

 ただ残念ながら、現在のところSOドナルドは来季、東芝でプレーする予定はないようで、東芝がトップ4に復活するためには新しい10番を探すことと、身体を作って「シンプルに強みを出す」(リーチ)ことが欠かせないだろう。

◇2019年ラグビーW杯を見据えてサンウルブズでプレー!

 この1年間、チーフス(ニュージーランド)でスーパーラグビー、昨年6月と11月の日本代表でテストマッチ、そして東芝でトップリーグとほとんど休みなくプレーしていたリーチは、今年から、2019年ラグビーワールドカップを見据え、日本のスーパーラグビーチームであるサンウルブズに加入することを決めた。

 3年目を迎えるサンウルブズはジェイミー・ジョセフHC(ヘッドコーチ)らラグビー日本代表とほぼ同じコーチ陣が兼任することになり、その意義をリーチは「ゲームプランとかマッチする時間が増えて、たくさん試すことができて、シャープになる。日本代表にとってはいい」と歓迎した。

 当初、この1年間で試合数が多かった選手は、トップリーグ後、サンウルブズの最初の期間は休養に充てるのではないかと予想されていた。ただ、ジョセフHCは、1月28日から始まる、大分・別府と福岡・北九州で行われる2週間のキャンプには全員参加を求めているという。

 トップリーグが終わって10日間しかオフがないが、リーチは「もっと休みがほしいですが、(新しいメンバーが多いので)チームを作らないといけない。みんなが来ないと準備できない。最初が大事」と語気を強めた。

 現在、33名しか発表されていないサンウルブズのスコッドは42名まで増える見通しで、最初の2週間で、急ピッチでチームの根幹を作るというわけだ。

◇「メンバーを見ていても(今季が)楽しみです!」(リーチ)

 ただ、2018年からジョセフHCやトニー・ブラウンコーチらが日本代表とサンウルブズのコーチングスタッフを兼ねることになり、ヘッドコーチ自ら選手の年間の試合数を30試合ほどに制限する方向で、リーチによると「最初の2週間のキャンプが終わった後、(サンウルブズの)最初の4試合に出る人、出ない人が別れる」と説明した。

 つまり、最初の4試合に出ないことが決まった選手は少しオフが与えられて、昨年同様、日本代表候補合宿である「NDS(ナショナル・ディベロップメント・スコッド)キャンプ」で、調整することになろう。

 またリーチが日本代表だけでなくサンウルブズでもキャプテンをやるかどうかに関しては「たぶんやらないと思います。一番やるべき人がやるべきですが、それは現在、誰かわからない。もし言われたらやるかもしれない」と明言を避けた。ジョセフHCは、ハイランダーズ(ニュージーランド)時代から、キャプテン2人体制を好んでおり、サンウルブズでもそうなる可能性は高い。

 一昨季は18位、昨季は17位のサンウルブズは今季の目標を「5位以上」に掲げているが、それがどれだけ大変なことか、昨年までニュジーランドの強豪チーフスでプレーしていたリーチは身に染みてわかっているはずだ。

 そのため「高い目標を持つこと、そして最初の2週間で、チームカルチャーを作ることは大事です。ただ最初の4試合は結構苦しいと思う」と本音を吐露する一方で、サンウルブズでプレーすることに関しては「メンバーを見ていても楽しみ。すごくワクワクしています!」と意気込みを語った。

 リーチは現在、家族とともに短いオフを故郷のニュージーランドで過ごしている。英気を養って、1月28日からサンウルブズの一員として、新たなチャレンジをスタートさせる。

スポーツライター

ラグビーとサッカーを中心に新聞、雑誌、Web等で執筆。大学(西洋史学専攻)卒業後、印刷会社を経てスポーツライターに。サッカーは「ピッチ外」、ラグビーは「ピッチ内」を中心に取材(エディージャパン全57試合を現地取材)。「高校生スポーツ」「Rugby Japan 365」の記者も務める。「ラグビー『観戦力』が高まる」「ラグビーは頭脳が9割」「高校ラグビーは頭脳が9割」「日本ラグビーの戦術・システムを教えましょう」(4冊とも東邦出版)「世界のサッカー愛称のひみつ」(光文社)「世界最強のGK論」(出版芸術社)など著書多数。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。1975年生まれ。

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