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FB五郎丸、トゥーロン移籍決定! ウィルキンソンの指導を受けて日本人初の欧州王者を目指す!

斉藤健仁スポーツライター
FB五郎丸の次のチャレンジは、フランスリーグとなった(写真:ロイター/アフロ)

6月8日、日本代表FB五郎丸歩が、来シーズン、トゥーロン(フランス)でプレーすることが各クラブから正式に発表された。

現在、FB五郎丸は右肩の負傷のリハビリ中であり、8月下旬に始まる予定のTOP14(フランス1部リーグ)の開幕には間に合わない見込みだが、来シーズンは日本のトップリーグでプレーする姿は見ることができなくなった。トゥーロンによると契約期間は1年で、更新オプションも付いているという。

※ラグビー版「銀河系軍団」トゥーロンとは→こちらの記事を参照

◇五郎丸は来季、日本では見られない

まず、日本の所属チームで、長年プレーしたヤマハ発動機ジュビロは、五郎丸選手とアドバイザリー契約を締結したと発表した。

「五郎丸選手がラグビー選手としての活動に専念し、さらなる飛躍を支えるため、従来の雇用契約を解約することで合意し、あらためてアドバイザリー契約を締結したものです。また、五郎丸選手は、これまで培った経験を生かし、ヤマハ発動機ジュビロ(ラグビー)の活動にアドバイザーという立場から関与いたします」(ヤマハ発動機ジュビロ公式HPより)

現在、五郎丸選手が所属しているスーパーラグビーのレッズは公式facebookで「私たちは今年の彼のチームへの貢献に感謝しています。彼と彼の家族の輝かしい未来をお祈りしています」とコメントした。

◇「欧州のメジャータイトルを獲得する初の日本人選手に」(会長)

次にトゥーロンの正式発表から見てみよう。公式HPではこう紹介している。「才能のあるFBは、BKなら幅広くプレーできるが、彼の特筆すべき点は、何と言ってもキックの精度だ。日本代表56キャップを得ており、テストマッチ通算708点を挙げ、先のワールドカップでも活躍した」

またムラド・ブジェラル会長はこうコメントした。「非常にすばらしい選手であり、キッカーだ。彼はヨーロッパのメジャータイトルを獲得する初めての日本人選手になるために、次の日本でのワールドカップのために、そして(キックコンサルタントの)ジョニー・ウィルキンソンに指導を受けるために、トゥーロンに来ることになった」

五郎丸は6月18日のTOP14の準決勝を見に来る予定で、21日に現地で記者会見を行うという。

◇「次のステージへチャレンジ」(FB五郎丸)

五郎丸自身は、報道を受けて公式ブログでこうコメントした。

「本日公式に発表された通り、今年の8月よりフランスリーグ(TOP14)Toulonでプレーすることが決定しました。決断するまでには悩みました。しかし『チャレンジせず後悔する事ほど、一生悔やむものはない』と考え決断しました。今は1日も早く、怪我を治し次のステージへチャレンジしていこうと思います」

個人的にはかねてより、フィジカルに強く、キックの飛距離もあるFB五郎丸のプレースタイルは、展開の速いスーパーラグビーより、FWの密集戦が多く、展開がスーパーラグビーよりも比較的遅い欧州のラグビーの方が合っているのではないかと思っていた。

トゥーロンはすでに、来シーズン、ラグビー版のサッカーの「チャンピオンズリーグ」にあたる、クラブ王者決定戦の「ヨーロピアンラグビーチャンピオンズカップ」出場を決めている。FB五郎丸が早くケガを治し、TOP14だけでなく、欧州クラブNO1決定戦で活躍している姿が見てみたい。

スポーツライター

ラグビーとサッカーを中心に新聞、雑誌、Web等で執筆。大学(西洋史学専攻)卒業後、印刷会社を経てスポーツライターに。サッカーは「ピッチ外」、ラグビーは「ピッチ内」を中心に取材(エディージャパン全57試合を現地取材)。「高校生スポーツ」「Rugby Japan 365」の記者も務める。「ラグビー『観戦力』が高まる」「ラグビーは頭脳が9割」「高校ラグビーは頭脳が9割」「日本ラグビーの戦術・システムを教えましょう」(4冊とも東邦出版)「世界のサッカー愛称のひみつ」(光文社)「世界最強のGK論」(出版芸術社)など著書多数。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。1975年生まれ。

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