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【ラグビーW杯】日本代表、初戦に向けて本格始動!「(攻撃の)選択肢を増やしたい」(ジョーンズHC)

斉藤健仁スポーツライター
SO/CTB立川と話す、ジョーンズHC(撮影:斉藤健仁)

9月19日、イングランドで開催されるラグビーワールドカップ(以下W杯)の初戦・南アフリカ代表戦を迎えるラグビー日本代表。5日にイングランド・グロスターで行われたジョージア(旧グルジア)代表戦に13-10で逆転勝利、7日にブリストルに戻り、南アフリカ代表戦に向けてのトレーニングを開始した。

「エディー・ジャパン」の直前のテストマッチはすべて終了。残すはW杯本番のみとなった。ジョージア代表戦の翌々日の9月7日、ミーティングが長引いたため、予定より遅れて選手たちはブリストルの練習場にやってきた。当初30分の予定だった練習は、1時間ほど熱気に包まれて行われた。

練習終了後、日本代表を率いるエディー・ジョーンズHC(ヘッドコーチ)が報道陣の取材に応じた。

――(7日の)練習が当初より長くなった理由は?

ジョーンズHC 必要だからです。南アフリカ代表戦で取り入れようと思っていることを全員で取り組みました。その理解度を高めるために時間をかけました。今週はやることを明確にしなければいけない。

――セットプレーからの攻撃で新しい形を試していました。

ジョーンズHC オプションをもっと持つということです。W杯の中で、戦術面で向上していくことが大事です。相手のディフェンスに応じて、選択肢を増やしたい。

――練習では石鹸水で濡れたボールでも練習していました。

ジョーンズHC イングランドだからです。9月19日の南アフリカ代表戦も雨と予想されているので、それに対する準備です。

――ジョージア代表戦を終えて、ようやく、W杯の初戦の南アフリカ代表戦に集中できるという状況でしょうか?

ジョーンズHC 100%そうです。すべてはW杯に向けての準備です。今日、何人かオフにしていますが、現在、31人中30人がトレーニングできます。そして南アフリカ代表戦では31人から(23人の)メンバーが選べます。プレーの明確性を高めつつ、選手たちの(試合に出たいという)アピールを見ていきたい。

――ジョージア代表戦で途中交替したNO8ホラニ龍コリニアシ選手の状態はどうでしょうか?

ジョーンズHC 水曜日(9日)から軽く練習を始めます。脳しんとうをした選手は、健康状態を一番に考えます。 

――次戦はいよいよW杯本番です。今の心境は?

ジョーンズHC ワクワクしています。だから睡眠をしっかり取らないといけないと思っています。世界で2番目に強いチームと4万人の観衆の前で試合ができる、素晴らしいチャンスです。このために4年間、努力してきました。選手も緊張するでしょう。すべては準備の一貫です。

――次戦がいよいよW杯初戦ということで、選手たちに改めて、何か伝えたことはあるのでしょうか?

ジョーンズHC 目の前にあるチャンスがある、という話をしました。南アフリカ代表にすべてプレッシャーがかかっています。このチャンスを楽しまないといけません。

――ご自分にプレッシャーを感じてないのでしょうか?

ジョーンズHC チームに良いパフォーマンスをしてほしいだけです。練習が始まる前に、リー(・ジョーンズDFコーチ)と話しましたが、このチームに関われて光栄です。ハードワークしてやれることやって、国の代表のラグビーのプライドを取り戻すために、すべてをやっています。来週の土曜日に選手たちが良いパフォーマンスをするために、しっかりと環境を整えることが自分の役割だと思っています。

――南アフリカ代表戦が行われるブライトンの印象は?

ジョーンズHC 素晴らしい、美しいグラウンドです。芝の状態も良いです。チケットも売り切れです。これ以上ない環境です。南アフリカ代表はW杯での勝率はニュージーランド代表よりも高い。日本代表のW杯の勝率は下位4チームに入っています。南アフリカ代表戦は、日本もラグビーでしっかり戦えるということを見せる絶好のチャンスです。

ラグビー日本代表は11日午前中までブリストルで練習などを行う。そして11日の夕方、いよいよブライトンに移動し、19日のW杯初戦の南アフリカ代表戦に備える。なお日本代表が南アフリカ代表と対戦するのは初めてのこと。

スポーツライター

ラグビーとサッカーを中心に新聞、雑誌、Web等で執筆。大学(西洋史学専攻)卒業後、印刷会社を経てスポーツライターに。サッカーは「ピッチ外」、ラグビーは「ピッチ内」を中心に取材(エディージャパン全57試合を現地取材)。「高校生スポーツ」「Rugby Japan 365」の記者も務める。「ラグビー『観戦力』が高まる」「ラグビーは頭脳が9割」「高校ラグビーは頭脳が9割」「日本ラグビーの戦術・システムを教えましょう」(4冊とも東邦出版)「世界のサッカー愛称のひみつ」(光文社)「世界最強のGK論」(出版芸術社)など著書多数。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。1975年生まれ。

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