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「ラグビー界で最もセクシーな男」NZ代表ウィリアムズ、W杯後はセブンズに専念、五輪で金メダルを狙う!

斉藤健仁スポーツライター
SBWの代名詞とも言える「オフロードパス」は相手にとって脅威だ(写真:Action Images/アフロ)

8月19日、ラグビーのニュージーランド(NZ)協会は、2015-16シーズンの7人制ラグビー(セブンズ)のスコッド(代表候補)16名を発表した。その中に、「ラグビー界で最もセクシーな選手」と言われ、9月にラグビーワールドカップ(W杯)開幕を控えた「オールブラックス」こと15人制のNZ代表スコッドにも選出されているCTBソニー ビル・ウィリアムズの名があった。

NZでは15人制ラグビーの実績のあるウィリアムズとFLリーアム・メッサム(ともにチーフス)の2人が選出されたことが大きな話題となっている。2人はセブンズに集中し、来年のスーパーラグビーにはほぼ参加できないと推測されている。

◇「ラグビー界で最もセクシーな選手」

頭文字を取って「SBW」とも呼ばれるソニー ビル・ウィリアムズ。ラグビーだけでなくボクサーの顔を持つ選手でも世界的な選手で、端正な顔立ちと強靱な肉体を合わせ持ち「ラグビー界で最もセクシーな選手」と言われ、女性人気も高い。もともとは13人制(リーグ)ラグビーのスター選手で、2008年には15人制(ユニオン)ラグビーに転向した。

何と言っても彼の武器は身長191cm、体重110kgの体格とスピードを活かし、左手で相手をハンドオフしつつ、右手バックフリップのオフロードパスは、わかっていても誰にも止められない。

2010年からNZに戻り、2011年はNZで開催されたW杯でNZの優勝に貢献したSBWは、ボクシングを続けながらも、2013年には日本のトップリーグのパナソニックワイルドナイツでもプレー(実際にパナソニックのクラブハウスでボクシングトレーニングを目撃したこともあり!)。その後、再び13人制ラグビーに復帰し、2014年はオーストラリアのシドニー・ルースターズに優勝をもたらした原動力となった。

◇W杯2連覇とオリンピックのためにNZに戻る

そんなSBWは、2015年、再び、NZに戻った。リーグラグビーから、再びラグビーユニオンに専念することに決めたためだ。それは9月からイングランドで始まる、2連覇がかかった15人制のW杯に出場すること、そしてセブンズのNZ代表として2016年のリオデジャネイロ五輪に参加し、金メダルを目指すためだった。そのため、SBWはボクシングを中断する覚悟を決めたという。

今回、SBWがNZのセブンズのスコッドに選出されたのは、本人の希望も大きかったというわけだ。NZのセブンズ代表は15人制同様世界的強豪で、過去16年の「ワールドシリーズ」で12回優勝し、昨年度は総合3位だったが、すでにリオデジャネイロ五輪の出場を決めている。セブンズのW杯でも過去6回中2度優勝しており、2016年のリオデジャネイロ五輪の金メダルの最有力候補の一つだ。

◇「超人的なオフロードパスができる」(ティッチェン)

1994年からNZのセブンズ代表を率い、2012年にはセブンズのコーチとして初めてIRB(現ワールドラグビー)の殿堂入りを果たしたゴードン・ティッチェン(Gordon Tietjens)は、SBWのアスリート能力を高く買ってこういった。

「彼はすぐにセブンズに適応していくと思う。彼はスピードとパワー、そして超人的なオフロードパスができる、アタック能力に長けた選手です」

※2015年8月19日付けのシドニーモーニングヘラルド紙より引用

SBWは、自身が描いた未来(シナリオ)の通り、15人制W杯で2連覇に貢献だけでなく、セブンズ初のオリンピックで金メダルを獲得することができるだろうか--。今後も、彼のオフロードパスが15人制、そしてセブンズの「オールブラックス」で大きな武器となる。

◇NZ セブンズスコッド(2015-16シーズン)

Scott Curry (Bay of Plenty、captain)

Dylan Collier (Waikato),

Sam Dickson (Canterbury)

DJ Forbes (Counties Manukau)

Gillies Kaka (Hawke's Bay)

Akira Ioane (Auckland)

Rieko Ioane (Auckland)

Ben Lam (Auckland)

Liam Messam (Waikato),

Tim Mikkelson (Waikato)

Ardie Savea (Wellington)

Sherwin Stowers (Counties Manukau),

Sam Vaka (CountiesManukau)

Beaudein Waaka (Taranaki)

Joe Webber (Waikato)

Sonny Bill Williams (Counties Manukau)

◇2015~16 シーズン HSBC「ワールドシリーズ」日程と開催地

2015年12月4~5日 @ドバイ  

2015年12月12~13日 @南アフリカ(ケープタウン) 

2016年1月30~31日 @N Z(ウェリントン) 

2016年2月6~7日 @オーストラリア(シドニー)

2016年3月4~6日 @アメリカ(ラスベガス)

2016年3月12~13日 @カナダ(バンクーバー)

2016年4月8日~10日 @香港 

2016年4月16~17日 @シンガポール 

2016年5月14~15日 @フランス(パリ)

2016年5月20~22日 @イングランド(ロンドン) 

◇リオデジャネイロ五輪 7人制ラグビー(セブンズ)日程と開催地

2016年の8月6~11日 @ブラジル・リオデジャネイロ(デオドロ・オリンピックパーク)

※男女ともに12チームずつが出場する

スポーツライター

ラグビーとサッカーを中心に新聞、雑誌、Web等で執筆。大学(西洋史学専攻)卒業後、印刷会社を経てスポーツライターに。サッカーは「ピッチ外」、ラグビーは「ピッチ内」を中心に取材(エディージャパン全57試合を現地取材)。「高校生スポーツ」「Rugby Japan 365」の記者も務める。「ラグビー『観戦力』が高まる」「ラグビーは頭脳が9割」「高校ラグビーは頭脳が9割」「日本ラグビーの戦術・システムを教えましょう」(4冊とも東邦出版)「世界のサッカー愛称のひみつ」(光文社)「世界最強のGK論」(出版芸術社)など著書多数。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。1975年生まれ。

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