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津波、数字が小さいからと海岸にいてはダメ #専門家のまとめ

斎藤秀俊水難学者/工学者 長岡技術科学大学大学院教授
(写真:アフロ)

 津波、数字が小さいからと海岸からの避難を迷ってはダメです。午前5時25分ごろ、鳥島近海で地震が発生し、各地に津波注意報が出されています。予想・到達ともにメートル単位で津波の高さが発表されています。津波の高さの0.6メートルとか1メートルとか、感覚的に数字が小さいと過小評価したら、とんでもないことになりかねません。数字の大小に惑わされず、ぜひ海岸から離れてください。

▼気象庁によりますと、9日午前7時47分までに観測された津波の時刻と高さは次の通りです。八丈島・八重根では午前7時17分に0.6メートル

▼9日午前7時51分、気象庁は津波関連の追加を発表しました。津波注意報が出ているのは伊豆諸島、小笠原諸島、高知県、千葉九十九里・外房、千葉内房

▼海に入るつもりがないのに、駆け上がってきた波によって海に引き込まれてしまい、命を落とす例が頻発します。この引き込みの正体が戻り流れです。

まとめ

 連休中で行楽地で過ごしている人が多いと思います。特に海岸で釣りをしているとか、プレジャーボートで釣りをしているとか、気をつけたいところです。

 数字が1(メートル)と小さく感じますが、砂浜だとかなり内陸方向にまで波が上がって、足元をすくわれて、強烈な戻り流れで海に連れて行かれる危険性があります。プレジャーボートは急に1メートルも海面変動があれば波で激しく揺れたり、防波堤の付近では波の重畳で転覆するおそれもあります。

 何事もないことを祈りつつ、早く海から離れたい時間軸です。

水難学者/工学者 長岡技術科学大学大学院教授

ういてまて。救助技術がどんなに優れていても、要救助者が浮いて呼吸を確保できなければ水難からの生還は難しい。要救助側の命を守る考え方が「ういてまて」です。浮き輪を使おうが救命胴衣を着装してようが単純な背浮きであろうが、浮いて呼吸を確保し救助を待てた人が水難事故から生還できます。水難学者であると同時に工学者(材料工学)です。水難事故・偽装事件の解析実績多数。風呂から海まで水や雪氷にまつわる事故・事件、津波大雨災害、船舶事故、工学的要素があればなおさらのこのような話題を実験・現場第一主義に徹し提供していきます。オーサー大賞2021受賞。講演会・取材承ります。連絡先 jimu@uitemate.jp

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