【BMW S1000XR 海外試乗インプレ】極上スーパースポーツの走りを快適ツーリングで楽しめる!

BMW S1000XR 画像出典:Webikeニュース 試乗:佐川健太郎

RRがベースの快適スーパースポーツ

BMWのS1000XRが新型になって登場。スペインで開催された国際試乗会からレポートします。

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同ブランドの中でS1000XRはアドベンチャー・スポーツと名付けられたセグメントで、先日お伝えしたF900XRの兄貴分的な位置付け。「XR」のネームが示すとおり、クロスオーバーなロードスポーツといった感じです。ただ、頭文字がS。そう、ベースはBMW最強の4気筒スーパースポーツ、S1000RRなのです。

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大雑把に言うと、新型S1000RRのサスペンションを長くして高速巡行に適したカウルと楽なライポジで仕立てた“快適スーパースポーツ”ということになるでしょう。

エンジンと車体を全面刷新し10kg軽量化

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ちなみにS1000RRも2019年のフルチェンジでエンジンと車体を一新しているので、新型XRも当然別モノに。エンジンは新型RRに採用された可変バルブ機構を持つ「シフトカム」を見送った代わりに低中速トルクを厚くし、4~6速のギヤリングを高速寄りに変更。最高出力165psは従来どおりですが、エンジン単体で従来モデルより5kgも軽量化されています。

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メインフレームも新型RR譲りの「フレックスフレーム」を採用。しなやかな剛性バランスが特徴で、エンジンを剛性メンバーとして積極的に活用することで強靭さとフロントからのインフォメーションを強化。

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前後サスペンションとホイールも新設計の軽量タイプとするなど、車重も8kg減(フルパッケージ状態では10kg減)の226kgまで絞り込まれています。格闘家に喩えるならパンチ力はそのままにウエイトを1階級下げてフットワークを磨きつつ、しなやかな身のこなしまで身に付けた感じでしょうか。

4気筒ならではの爆発的な加速フィール

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一見してフルLEDのシンメトリー顔になったこと以外、それほど変わった感じはしないのですが、実際に乗ってみるとこれがけっこう違います。まず、エンジンが滑らかになりました。従来型はやや粗削りな回転フィールで、その野性味が個人的には好きでもありましたが、新型では洗練されてシルキーと言ってもいいほど軽く回ります。

ただ、スロットルを開けていくと7000rpm辺りから回転パワーが炸裂。1万1000rpmのピークに向かって2次曲線的に加速していくのは4気筒ならでは。ふとTFTディスプレイに目をやると凄い勢いでスピードメーターの数字が跳ね上がり、周囲の景色が溶けていきます。この加速感はまさしくスーパースポーツ的。

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しかしながら最大トルクはRRより2000rpm近く低い9250rpmで発揮し、しかもRRを僅かに上回る114Nmに達しているのがポイント。つまり、ストリートでの実用域(といってもケタ違いですが)をターゲットにしていることは明らかです。

ハンドリングもよりSS的に進化

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ハンドリングもよりスーパースポーツ的になりました。ハンドル幅がより狭くなり、車体もスリムかつ軽量になったおかげで入力に対するレスポンスが向上。直4リッタークラスの威風堂々感は残しつつもより軽快に扱いやすくなりました。これにはスムーズなエンジン特性やサスペンションの改良も効いているはず。

従来のXRの立ち位置がS1000RRとR1250GSの中間的なところにあったとすると、新型はよりRRに近づいた感じかも。走り込むほどに“足長モデル”であることを忘れ、ついついアグレッシブに攻めたくなります。

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進化した電子制御による安心感も絶大でした。4種類のライディングモードとそれに連動してサス設定を最適化してくれるダイナミックESA、より高度に制御されたコーナリングABS&トラコン、スリッパークラッチとアップ&ダウンシフターに加え新型では急激な減速やシフトダウン時に車体安定を保つMSRが導入されるなど、至れり尽くせりのアシスト機構がライダーのミスをカバーしつつ、安全・快適に距離を稼がせてくれれます。

200km/hオーバーでも鼻歌混じり!?

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そして、高速道路では強力な4気筒パワーを路面に伝える強靭なシャーシによる圧倒的な安定感とともに、従来比で5cm高くなったウインドスクリーンとしなやかな長い足が、新型XRの高速クルーズ性能をさらに高めています。

イメージとしては、並列2気筒のF900XRの快適巡行速度は180km/h辺りが上限とすると、S1000XRは230km/h程度まで鼻歌混じりでいけそうな感じです。まあ、これはアウトバーンのような速度無制限での話ですが。

とにかく全方位的に凄いマシンです。「スーパースポーツの性能をツーリングでも楽しみたい」という人に是非おすすめしたいですね。

※原文より筆者自身が加筆修正しています。

出典:Webikeバイクニュース