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MVアグスタからの挑戦状 60年代WGPマシンを再現した「スーパーベローチェ800」が新しい!

佐川健太郎モーターサイクルジャーナリスト
※記事内画像はすべて、MVアグスタジャパン プレスリリースより出典

MVアグスタから最新モデルがリリース。レトロなスタイルとモダンな性能を組み合わせたスポーツモデル「SUPERVELOCE 800」が6月より、その上級バージョンである「SUPERVELOCE 800 Serie Oro」が5月より国内発売されることが発表された。

ちなみにSerie Oro(セリエ・オロ)は一昨年のEICMA 2018にコンセプト展示され『Queen of the Show(ショーの女王)』と称えられた美しき限定仕様車で、今回新たにスタンダードモデルとして「SUPERVELOCE 800」が追加されている。

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▲SUPERVELOCE 800 Serie Oro

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▲SUPERVELOCE 800

ベースは最新3気筒スーパースポーツ「F3 800」

エンジンは現行スーパースポーツモデル「F3 800」の水冷並列3気筒排気量798ccがベース。最高出力148ps/13000rpmのハイパワーに慣性モーメントを打ち消す逆回転クランクなど独創的な設計で知られるが、スーパーベローチェへ搭載するに当たり出力特性を最適化、より扱いやすい設定になっているという。

計5種類のエンジンモードにアップ&ダウンシフター、8段階+無効化可能なトラクションコントロールなどを標準装備。車体側もスチールトレリス構造のメインフレームや特徴的なサイドプレートはF3と共通ながら、前後のサブフレームは専用。ライポジもより快適な方向に若干改良されているようだ。その他F3 800と異なる点としてはホイールが専用デザインのスポークタイプとなっていること。マルゾッキ製倒立フォークやザックス製リンク式モノショックなども専用タイプになっているようだ。詳細な装備やスペックはメーカーリリースを参照していただきたい。

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アゴスティーニが活躍したWGP黄金時代が蘇る

スーパーベローチェの特筆すべき点、それはやはりデサインだろう。現代のスーパースポーツらしい鋭くアグレッシブな姿をしたF3に対し、こちらのヌラッとした流線型デザインにはレトロ感が漂っている。ロケットカウルを思わせるフロント先端に埋め込まれたLED単眼ヘッドライトは、昔のレーサーの鼻面に貼られていた丸いゼッケンプレートを彷彿させるし、平面的なサイドカウルや丸みを帯びたテールカウルもまさしく60年代風。

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それもそのはずで、スーパーベローチェのデザインは1960年代から70年代前半にかけてロードレース世界選手権を席巻した黄金時代のMVアグスタのGPマシンをモチーフにしている。当時のGPマシンは4ストロークエンジンが主流で(その後日本メーカーの2スト勢が台頭)、MVアグスタはいち早く3気筒や4気筒のマルチシリンダーエンジンを350ccクラスや500ccクラスなどの大排気量カテゴリーに投入。当時のWGP界のスーパースター、ジャコモ・アゴスティーニのライディングにより最高峰500ccクラスで7連覇、350ccクラスで6連覇するなど文字どおり勝ちまくっていた。

ネオクラ・スーパースポーツという新たな可能性

とりわけ印象的なのはセリエ・オロ専用の「3アウトレット」エキゾーストで、右2本&左1本に分かれた黒塗りのサイレンサーはまさにレトロGPレーサーを思わせるシルエット。赤×銀に色分けされた伝統的なカラーリングも含め、マニア垂涎の一台と言えるだろう。

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現代のスーパースポーツの性能や機能はそのままに、外観だけクラシカルに仕上げる手法はカスタムの世界ではよくあることだが、メーカーが積極的に取り組んだのはおそらく初と言えるかも。「ネオクラシック・スーパースポーツ」という新たなジャンルに挑んだという点でも注目すべきモデルだ。

出典:Webikeバイクニュース

モーターサイクルジャーナリスト

63年東京生まれ。早稲田大学教育学部卒業後、RECRUITグループ、販促コンサルタント会社を経て独立。趣味が高じてモータージャーナルの世界へ。編集者を経て現在はジャーナリストとして2輪専門誌やWEBメディアで活躍する傍ら、「ライディングアカデミー東京」校長を務めるなど、セーフティライディングの普及にも注力。㈱モト・マニアックス代表。「Webikeバイクニュース」編集長。日本交通心理学会員 交通心理士。MFJ認定インストラクター。

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