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公道用戦闘機「ストリートファイターV4」が究極の峠道レース“パイクスピーク”でデビュー!

佐川健太郎モーターサイクルジャーナリスト
Streetfighter V4 prototype 写真出典:DUCATI

ドゥカティの「ストリートファイターV4」がいよいよベールを脱ぐ。ストリートファイターV4は昨年デビューしたドゥカティ初のV4エンジン搭載のスーパーバイク「パニガーレV4」をベースに開発されたネイキッド版である。

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伝統のヒルクライムでデビューウィンを狙う

その舞台に選ばれたのは米国で開催される伝統のヒルクライムレース、通称「パイクスピーク」。標高2,862mのスタートラインから4,301mの頂上にあるゴールまで、全長20kmのコースを一気に駆け上る。

ライダーにはこのレースを知り尽くした優勝請負人のカーリー・ダンを起用。2018年も自身4度目となるパイクスピークでの勝利をムルティストラーダ1200で達成している。今回投入されるマシンはプロトタイプだが、世界が注目するこの大舞台でのお披露目ということを考えると、ドゥカティも相当自信を持っていることがうかがえる。

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ストリートファイターV4は“公道専用のパニガーレ”とドゥカティでも位置付けられている。その意味で、究極のワインディングロードとも言えるパイクスピークは、新型マシンのパフォーマンスを世に示すには最高の舞台になるという訳だ。

パニガーレV4直系の戦闘マシン

ストリートファイターV4はパニガーレV4直系の派生モデルだ。エンジンは水冷90度V型4気筒1103cc「デスモセディチ・ストラダーレ」で、エンジンを剛性メンバーとして利用するアルミ製ダイヤモンドフレーム、通称「フロントフレーム」に搭載する共通の基本レイアウトを採用する。

パニガーレV4の最高出力は214ps/13000rpmだが、ストリートが主戦場となるこの新型マシンのキャラクターと立ち位置を考えれば、より低中速トルク型の出力特性へとアレンジされているはずだ。電子制御も同様にストリート向けに最適化されるに違いない。

EICMA2019で一般公開へ

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デザインもシンプルだ。パニガーレV4の優雅なフルカウルをすべて剥ぎ取り、その代わりにバイクとしての形を保つための最低限のシュラウドとアンダーカウルを装着し、アップタイプのワイドバーにより自由度の高いライポジとするなど、いわばストファイの正統派スタイルに仕上げられている。未だプロトタイプの段階なのでヘッドライトカバー部分などは公道仕様に変更されるとは思うが、それ以外のエンジンやフレームの基本骨格、前後サスペンションとブレーキなど足まわりのレイアウトや、タンクとシートカウル形状なども含め、パニガーレV4とほぼ共通化されているように見える。

なお、ストリートファイターV4は2019年のEICMAで一般公開予定となっている。日本での発売は未定だが、反響次第では来春早々にも国内投入も期待できるはずだ。

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パイクスピークで記録更新なるかに注目

パイクスピークの決勝日は6月30日。かつてムルティストラーダによって2輪部門で初めて10分切りを達成したカーリー・ダンが、彼自身の持つレコードを新型ストリートファイターV4で塗り替えられるかどうかに注目が集まるだろう。もうすぐ、その真価が試されるはずだ。

Ducati Streetfighter V4 Prototype at Pikes Peak

※原文より筆者自身が加筆修正しています。

出典:Webikeバイクニュース

モーターサイクルジャーナリスト

63年東京生まれ。早稲田大学教育学部卒業後、RECRUITグループ、販促コンサルタント会社を経て独立。趣味が高じてモータージャーナルの世界へ。編集者を経て現在はジャーナリストとして2輪専門誌やWEBメディアで活躍する傍ら、「ライディングアカデミー東京」校長を務めるなど、セーフティライディングの普及にも注力。㈱モト・マニアックス代表。「Webikeバイクニュース」編集長。日本交通心理学会員 交通心理士。MFJ認定インストラクター。

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