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「秋の全国交通安全運動」がスタート 「公開取締り」情報を活用して安全運転を!

佐川健太郎モーターサイクルジャーナリスト
(ペイレスイメージズ/アフロ)

今年は9/21(金)~30(日)まで実施

毎シーズン恒例の「秋の全国交通安全運動」が、本日9月21日(金)から30日(日)まで全国の都道府県で実施される。また、交通死亡事故ゼロを目指す日として9月30日(日)が設定され、最終日は特に取締りも強化されるはずだ。この機会にぜひ一層の安全運転を心掛けていただきたい。

今回の重点項目は以下のとおりだ。

1. 子供と高齢者の安全な通行の確保と高齢運転者の交通事故防止

2. 夕暮れ時と夜間の歩行中・自転車乗用中の交通事故防止

3. 全ての座席のシートベルトとチャイルドシートの正しい着用の徹底

4. 飲酒運転の根絶

■警察庁「平成30年秋の全国交通安全運動」

高齢歩行者の死亡事故が増えている

平成30年1月~6月までの今年上半期の交通事故死者数は1,603人と昨年同期より減少しているものの、死亡事故に占める高齢者(65歳以上)の比率は全体の56.6%と高い水準にあり、75歳以上の高齢者ドライバーによる死亡事故も増えている。

また、全死者の約4分の1を占める高齢歩行者のうち、約6割が「法令違反あり」とのこと。法令違反別では、高齢者は高齢者以外と比較して「横断違反」の割合が高いそうだ。つまり横断歩道以外の場所を渡っていたり、信号無視して横断するケースも多いということ。

自分はルールを守っていても、相手はそうでない場合もある。特に歩行者が多い住宅街や交差点付近は注意したい。

秋は薄暮時間の事故が増える

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また、今回注目したいのが重点項目にも挙げられている薄暮時間(日没時刻の前後1時間)における死亡事故について。交通死亡事故は一日の中で17時台~19時台において最も多く発生している。過去のデータからも薄暮時間帯における死亡事故件数は1月から6月までは減少するが、7月以降は増加傾向に転じ、特に10月~12月にかけて最も多く発生している。

特に薄暮時間帯は昼間と比べて「自動車対歩行者」による事故の割合が高くなる傾向にあり、その時間当たりの発生件数は昼間に比べて約4倍も多いそうだ。夕暮時は夕陽などの影響で横断中の歩行者を見落としやすく、また帰宅時間と重なり道路も混んでくる時間だ。日がどんどん短くなるこれからの季節は特に注意したい。

「公開交通取締り」情報を活用しよう

さて、取締りが強化されるこの時期、我々ライダーとしても普段以上に安全意識の向上に努めたいものだ。そこで朗報なのが、各都道府県警察のホームページなどに公開されている「公開交通取締り」情報だ。各管轄によって表示の仕方はまちまちだが、「スピード違反」や「横断歩行者妨害違反」、「飲酒運転」などの重点取締り場所が番地や交差点名などとともに公開されている。

たとえば警視庁ホームページでは、9月中の速度取締り実施場所として「中央区」では「昭和通り(国道4号)」の「中央区日本橋3丁目付近」とピンポイントで表示している。これ以外にも23区や多摩地区における重点取締り場所が地図入りで分かりやすく示されているので活用しない手はないだろう。もちろん、公開されている重点ポイントだけ注意すればいいというものではないが、通勤・通学やツーリングに出かける前に目を通しておくと精神的にも安心だろう。

絶好のツーリングシーズンの到来ともに、ぜひ今一度安全運転を心掛けていただきたい。

■警視庁「公開交通取締り」

出典:Webikeバイクニュース

モーターサイクルジャーナリスト

63年東京生まれ。早稲田大学教育学部卒業後、RECRUITグループ、販促コンサルタント会社を経て独立。趣味が高じてモータージャーナルの世界へ。編集者を経て現在はジャーナリストとして2輪専門誌やWEBメディアで活躍する傍ら、「ライディングアカデミー東京」校長を務めるなど、セーフティライディングの普及にも注力。㈱モト・マニアックス代表。「Webikeバイクニュース」編集長。日本交通心理学会員 交通心理士。MFJ認定インストラクター。

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