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2018年型「Ninja 1000」が発売!進化熟成したスーパースポーツツアラーの魅力

佐川健太郎モーターサイクルジャーナリスト
KAWASAKI Ninja 1000

カワサキから「Ninja 1000」の2018年モデルが9月1日に発売される。主な変更点としてはカラーリングで、シルバー系とブラック系の2色をラインナップ。インテリジェンスを感じさせるクールで落ち着いた色合いが特徴となっている。

▲Ninja 1000 2018
▲Ninja 1000 2018

エンジンや車体構成は2016年にフルモデルチェンジを行った現行モデルを踏襲するもので、ネーミングでは「Ninja 1000」と表記されるがABSは標準装備となっている。これは2018年から始まるABS義務化に対応したものだ。

ツーリングもできるスーパースポーツ

最新版のニンジャを知る上で、2017モデルでの変更点を改めておさらいしておきたい。

初期型ニンジャ1000(欧州向けはZ1000SX)は、2011年に海外向けモデルとしてデビュー。フルカウルのスーパースポーツに、日常的に使える実用性を持たせた新ジャンルとして、パフォーマンスと実用性のベストバランスを追求したモデルとして登場した。

▲Z1000SX 2016(従来モデル)
▲Z1000SX 2016(従来モデル)

ニンジャ1000のキャラクターを明快に表した「ツーリングもできるスーパースポーツ」というキャッチフレーズは記憶に新しいところだ。同じエンジンと車体を持ったスポーツネイキッドの「Z1000」がルーツであり、3代目となったニンジャの現行モデルも兄弟車の関係にある。

現行モデルは2016年にフルモデルチェンジ

▲Z1000SX 2016(従来モデル)
▲Z1000SX 2016(従来モデル)

全面刷新された2017モデルでは、オールニューのボディワークを採用。特にフロントまわりはLEDヘッドランプが採用されるなど、アグレッシブなデザインとなり、ZX-10Rのイメージに近づいた。

また3段階に角度調整可能なウインドシールドを装備し、ライダーのニーズに合わせた整流効果の高いウインドプロテクションを発揮するなど高速クルーズ性能も高められている。

パワフルかつスムーズな高出力エンジン

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水冷4スト並列4気筒DOHC4バルブ1044cで最高出力104kW(141PS)と最大トルク111N・m(11.3kgf・m)を実現するエンジンは、従来型をベースにセッティングを見直され、一層パワフルかつスムーズな出力特性を得ることで、コントロール性と快適性も高められている。

また、アシスト&スリッパークラッチを標準で装備し、クラッチ機構に2種類のカムを設けることでクラッチレバーの操作力を軽減するとともに、急なシフトダウン時などは過度なエンジンブレーキを適度に逃がすことで、リアタイヤのホッピングやスリップを低減する仕組みを搭載。ロングツーリングでの快適性や安全性を高めている。

現行の3代目で電子制御を大幅に進化

▲Ninja 1000 2018
▲Ninja 1000 2018

3代目となる現行モデルでは電子制御もZX-10R由来となり大きく進化した。

ライダーの好みや走行状況によって、フルパワーとローパワーの2モードから任意に出力特性を選択できるパワーモード機能を搭載。

また、新たにボッシュ製IMU(慣性計測装置)の解析データを活用したカワサキ独自のエンジン&シャーシの総合マネージメントパッケージ、KCMF(カワサキ・コーナリング・マネジメント・ファンクション)を搭載し、コーナリング中のマシンの挙動をモニタリングすることで、エンジンパワーやブレーキ効力を常に最適な状態にコントロールする。

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トラコンとコーナリングABSを標準装備

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その他、選択可能な3種類のモードを備えたKTRC(トラクション制御、ウイリー制御)とKIBS (ピッチング制御、旋回中のブレーキ制御)を組み合わせることで、スポーツライディングから滑りやすい路面での走行まで様々な状況におけるライディングをサポート。

ちなみにKIBSとは、カワサキ独自のスーパースポーツ用ブレーキマネージメントシステムのことで、コーナリング中においても高度な油圧制御を行うことで、最小限の介入で効果的かつ安定したブレーキングを可能としている。

高剛性アルミフレームと充実した足まわり

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車体面では従来モデルを踏襲する高剛性のアルミニウムフレームを採用し、マスの集中化を高い次元で実現し、シャープな旋回性能と安定感のあるハンドリングを両立。

サスペンションも従来どおりフロントに倒立タイプ、リアにはホリゾンタルバックリンクサスペンションを備え、快適な乗り心地と路面追従性を確保した。

エルゴノミクスの追及でさらに快適に

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ブレーキにはラジアルポンプマスターシリンダーとラジアルマウントのモノブロックキャリパー、ペタルディスク、そしてABSを組み合わせるなど、スポーツモデルとしての強力な制動性能とツアラーとしての万全の安全性を両立。

シートも改良され、ライダー側は座面を大きくサポート性を高めることで長時間のライディングでの快適性を高めつつ、タンデム側もクッションの厚みを増すと同時に前端部を上げてパッセンジャーが前に滑りにくい形状とするなどエルゴノミクスを追及。シート高も815mmと従来よりも5mm下げられた。

ETCユニットを標準装備

デュアルヘッドランプもLED化され、大幅な光量アップに加え照射範囲を前方、側方ともに1.5倍程度まで拡げるなど夜間の安全性も向上。メーターパネルも新設計となり、大径アナログタコメーターを中心にワーニングランプと多機能液晶パネルを左右に振り分けた現代的なデザインとなっている。

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また、タンデムシート下にETCユニットを標準装備し、インストゥルメントパネルにETCインジケーターを搭載するなど高速ツーリングに対応している。

スマートな一体感を演出するパニアシステム

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従来と同様、グラブバーの変更なしでアクセサリーのパニアケース装着を可能としたクリーンマウントパニアシステムを搭載。

パニア装着に当たってはグラブバーの交換を必要とせず、そのまま取り付け可能な設計とするなど使い勝手とスマートなリヤビューを実現。パニアケースのはみ出しが少ないレイアウトを採用することで、狭い道の通過などでの不安を解消している。

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デビュー以来、世代を超えて進化熟成を重ねるニンジャ1000。強力な走りのパフォーマンスと実用性の高さに加え、10R譲りの最新電制パッケージが与えられるなど、日本発のスーパースポーツツアラーとして今や揺るぎない地位を確立している。

このジャンルのリーダーとして今後も息の長い活躍を期待したい。

※原文より筆者自身が加筆修正しています。

出典:Webikeバイクニュース

モーターサイクルジャーナリスト

63年東京生まれ。早稲田大学教育学部卒業後、RECRUITグループ、販促コンサルタント会社を経て独立。趣味が高じてモータージャーナルの世界へ。編集者を経て現在はジャーナリストとして2輪専門誌やWEBメディアで活躍する傍ら、「ライディングアカデミー東京」校長を務めるなど、セーフティライディングの普及にも注力。㈱モト・マニアックス代表。「Webikeバイクニュース」編集長。日本交通心理学会員 交通心理士。MFJ認定インストラクター。

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