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バイクシーズンを迎える前にぜひ愛車のケアを!

佐川健太郎モーターサイクルジャーナリスト
(写真:アフロ)

久しぶりに乗る愛車は整備不良…!?

先日、約3か月ぶりに自分のバイクに乗る機会がありました。完全に冬眠状態だったためバッテリーが心配でしたが運よく?エンジン始動。翌日サーキットを走る予定だったので点検を兼ねてちょっと近所を走り回ってみました。普段から仕事でメーカーの広報車に乗る機会が多いのですが、それは見事に整備されピカピカに磨き上げられている車両ばかり(たまに違うこともありますが・・・)で、たまに自分の愛車に乗ってみると、あまりの整備不良ぶりに愕然としてしまいます。もちろんそれはNGですが・・・。

走りながらいろいろチェックしてみたのですが、まずリヤブレーキの効きが悪いのに気づきました。ペダルを踏んでもカチッとこないんですね。調べてみるとブレーキパッドがほとんど残っておらず、なんと摩材が紙1枚のように薄くなっていました。これはいかん、と慌てて新品を買ってきて交換。キャリパーを外してブレーキクリーナーで洗浄し、固着した汚れをブラシで落としてからパッドグリスを摺動部に薄く塗って、新品パッドとともに組み上げました。

ブレーキパッドと同時に点検するべきもの

どうせなら、とブレーキフルードも点検してみたら、茶色に濁っていて量もカツカツに減っているではありませんか。フルードが減っているのはパッドが摩耗して液面が下がっていることが多いため、単純に上から液を足すだけでは溢れてしまうことがあります。やはりパッドとともにフルードも一緒に交換するのがおすすめです、というか常識かな。ちなみにブレーキフルードはリヤ側が汚れやすく、特にリヤブレーキを頻繁に使う人は要注意。パッド交換は基本整備の中では比較的簡単なので、慣れていれば自分でできますが、パーツを組み間違えたり、エア抜きなどの知識がないと非常にキケンなので、自信がない人は素直にショップに直行しましょう!

何もしなくても、タイヤの空気圧は減っていく

それとタイヤの空気圧が前後とも規定値から大きく下回っていました。よく言われるように何もしなくても空気圧は1か月にコンマ1kgぐらいずつ下がっていきますし、冬場は気温が低いため空気圧も自然に下がります。空気圧が低いとハンドリングが重くなったり、フロントが切れ込んだり、燃費が悪くなったりと良いことは何もありません。長く乗っていない場合などは、タイヤ表面の細かい亀裂やサイドウォールのひび割れなどにも注意。特にハイパフォーマンスモデルはタイヤへの負担も大きいですからチェックしてみてください。

これから春に向かってだんだん暖かくなっていきますが、本格的なバイクシーズンを迎えるその前にぜひ一度、愛車のケアをしてみてはいかがでしょうか。あ、私からですね、まずは(笑)。

出典:Webikeバイクニュース

モーターサイクルジャーナリスト

63年東京生まれ。早稲田大学教育学部卒業後、RECRUITグループ、販促コンサルタント会社を経て独立。趣味が高じてモータージャーナルの世界へ。編集者を経て現在はジャーナリストとして2輪専門誌やWEBメディアで活躍する傍ら、「ライディングアカデミー東京」校長を務めるなど、セーフティライディングの普及にも注力。㈱モト・マニアックス代表。「Webikeバイクニュース」編集長。日本交通心理学会員 交通心理士。MFJ認定インストラクター。

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