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ホンダで人気のNCシリーズが750ccに排気量アップして登場!ワンモアパワーでさらに楽しく!

佐川健太郎モーターサイクルジャーナリスト
HONDA NC750X

ホンダから新型スポーツモデル「NC750X」と「NC750S」が登場。1月24日(金)に発売される。このモデルは「ニューミッドコンセプト」シリーズとして開発され2011年にデビューした「NC700X」「NC700S」をベースに排気量を拡大しパワーアップしつつ、燃費性能向上と充実した装備を実現しているのが特徴だ。

水冷4ストOHC直列2気筒750ccエンジンは、低中回転域でより力強いトルク特性としながら、バランサーを従来の1軸から2軸タイプに変更することで振動を低減。トランスミッションのハイレシオ化を図ることで燃費性能向上を実現した。また、2車種とも有段式自動変速機=デュアル・クラッチ・トランスミッション(DCT)を搭載する仕様を引き続き設定しつつ、より低中速域の力強さを活かした変速特性に変更するなどセッティングの熟成も図られた。

さらに新たにメーター内に燃費計を採用。マニュアルトランスミッションタイプにもギアポジション表示を新採用するなど装備の充実化を図っている点も見逃せない。

NC750S
NC750S

また、「NC750X」にはオフロードイメージのパターンタイヤを採用。全モデルに瞬間および平均燃費計の採用、シート表皮の変更やアジャストタイプのブレーキレバーを採用するなど装備の充実を図っている。加えて、従来モデルと同様、シート高を30mm低く設定したローダウンのTypeLDを用意し選択の幅を広げている点も従来どおりだ。

なお、同じエンジンにDCTを搭載するスクータータイプの「インテグラ」も改良され、アルミ製スイングアームを新たに採用。フロントカウル形状変更など車体各部の変更と熟成が図られた。

一段と熟成が進んだNCシリーズだが、今回の一番のポイントはやはり排気量アップだろう。エンジンのボアを4.0mm拡大してボア×ストロークを77.0mm×80.0mmに設定したことで、従来モデルに比べて最高出力値は発生回転数(6,250rpm)を変えずに3kW(4ps)向上させて40kW(54ps)へとアップ。

最大トルク値も発生回転数4,750rpmはそのままに、7N・m向上して68N・m(6.9kgf・m)へと向上させた。NCシリーズの美点である低中速トルクを生かしつつも、従来モデルで望む声が多かった“ワンモアパワー”が上乗せされたことで、さらに走りの楽しさも増しているはずだ。

インテグラ
インテグラ

パワーに余力が生まれた分、ハイレシオ化して燃費性能も向上させている点にも着目したい。元々、このクラスとしては驚異的な低燃費がウリであったが、今回60km/h定地走行テスト値は従来モデルを1.0km/L上回る42.0km/Lを実現。また、DCTのセッティング変更によりエンジンブレーキがより効く設定となり、マフラー内の構造変更により歯切れの良いエキゾーストサウンドを実現するなど、ドライバビリティや感性の部分でもさらに磨きがかけられているようで楽しみだ。

そして、日本の大型バイクの代名詞でもある“ナナハン”に格上げされたことは、やはり大きな意味があると思う。

モーターサイクルジャーナリスト

63年東京生まれ。早稲田大学教育学部卒業後、RECRUITグループ、販促コンサルタント会社を経て独立。趣味が高じてモータージャーナルの世界へ。編集者を経て現在はジャーナリストとして2輪専門誌やWEBメディアで活躍する傍ら、「ライディングアカデミー東京」校長を務めるなど、セーフティライディングの普及にも注力。㈱モト・マニアックス代表。「Webikeバイクニュース」編集長。日本交通心理学会員 交通心理士。MFJ認定インストラクター。

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