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日韓関係は政治よりも経済が先行!「日本製品ボイコット」運動の熱が冷め、韓国で再び「日本ブーム」!

辺真一ジャーナリスト・コリア・レポート編集長
韓国市民団体が主導した「日本製品ボイコット運動」(「JPニュース」提供)

 日本の半導体素材輸出厳格化措置(2019年7月)や輸出手続きが簡素化される「ホワイト国」からの除外(2019年8月)に反発して2019年7月から始まった韓国の「ノージャパン」(日本製品ボイコット運動)の余波で長い間停滞していた日本の韓国進出企業に再生、復活の兆しが見える。

 韓国の「No Japan」運動は韓国内の日本製消費財の売り上げの急減、日本企業の撤収に繋がるなど日本にとっては少なからぬ経済的ダメージとなった。自動車、ビールを中心に日本製品の売り上げが急減し、ユニクロ、デサントなど日本の衣類業者も不買運動の影響をもろに受けていた。それもそのはずで韓国インターネット情報技術メディアの「JDネットコリア」が当時(2019年7月23日)10代から50代までを対象に実施した「不買関連で消費を少なくすべきと思っている日本製品」に関する調査で不買の対象としてアサヒビールやユニクロ、トヨタなどのブランドが上位に挙げられていたからである。

 ▲愛飲され始めた日本のビール

 「日本のビールを飲まない」の運動が始まるまでは日本産ビールの人気は断トツで2019年6月までの10年間、韓国国内での占有率はNo.1だった。しかし、全国700万の自営業者・中小のスーパーが日本製品販売中止を一斉に宣言したことでもろに影響を受けてしまった。

 結果として、韓国の日本産ビールの輸入額は2018年の7830万ドルから2019年には4000万ドル、そして2020年には新型コロナウイルス感染の影響も加わって566万ドルまで落ち込んでしまい、日本産ビールは中国、オランダ、ベルギー、米国、ポーランド、ドイツ、デンマーク、チェコに続いてフランスやメキシコ、香港に抜かれ一時は12位まで転落してしまった。

 しかし、ここにきて韓国の日本産ビールの輸入額は増加傾向にあるようだ。今年第1四半期の日本のビール輸入額は26万6000ドルと、前年同期比22.6%増となった。

 テレビにはアサヒビールのコマーシャルが流れているが、日本のビールのプロモーションキャンペーは実に3年ぶりのことのようだ。アサヒビールの輸入業者は明日(17日)から8月末までYouTubeやSNSを通じて「アサヒスーパードライ」のプロモーションキャンペーンを開始するとしている。先月から酒類業界が行っている輸入ビールイベント品目にアサヒとキリン、サッポロ、サントリーなどの日本産ビールが含まれている。

 ▲日本車も回復傾向

 日本車も昨年から徐々に回復傾向にあり、2021年1月から5月はレクサスの販売台数は3813台と、前年同期間の2583台よりも47.6%も増加した。トヨタも2139台から2507台に増え、ホンダも同様に1323台から1382と僅かながら増加していた。日本車の増加はハイブリッド車が牽引し、ハイブリッド車の販売台数は2万8056台と、昨年同期(8683台)から223%も急増した。

 日本車もこれまでボイコット運動の主要ターゲットにされ、2018年7月から2019年6月まで4万7450台の販売(金額にして1308億円)実績があったのに2019年7月から2020年6月までは半減し、2万3222台(金額にして927億円)と、約400億円の減となった。特に2020年1~6月までの販売実績は1万43台にとどまり、東日本大震災が起きた2011年(827台)以来、9年ぶりの落ち込みとなった。ホンダの営業利益は9割減となり、日産は韓国進出16年目にして撤退を余儀なくされていた。

 ▲ユニクロもスポーツブランドデサンも好調

 自動車同様にボイコット運動の直撃弾を浴びたユニクロも実績を向上させている。

 ユニクロは昨年から「ジル・サンダー」や「マルニ」などの高級ブランドとコラボレーションした商品を出品しているが、開店と同時に客が売り場に殺到するほど大人気となっている。

 

 韓国でユニクロを運営する「F.R.L.コリア」の2020年9月~2021年8月までの売上高は5824億ウォンと、前年比7.5%の減となったが、実店舗の削減など管理コストの改善に伴い、営業利益は前年同期比529億ウォンとなり、473億ウォンの黒字に転じていた。

 スポーツブランドDesangt(デサン・コリア)やアシックスなどの日本企業も黒字転換に成功している。

 「デサン・コリア」の昨年の売上高は5437億ウォンで、前年比9%増となった。営業利益は115億ウォンで、1年ぶりに黒字に転じた。アシックススポーツの昨年の売上高も前年967億ウォンと、同期比3.2%減だったが、営業利益は3億ウォンを記録した。

 ユニクロもビールや日本車同様に日本製品不買運動期間中は全体として大きく落ち込み、190店舗から2021年6月末までに少なくとも50店舗が消えてしまった。ユニクロの代表店である明洞の店は2021年1月に閉鎖され、江南と洪大の店も閉店した。姉妹ブランドのGU(ジユ)は韓国のオフライン市場からの撤退を余儀なくされていた。

 デサンも同様で韓国のボイコット期間中は営業利益が2018年の597億ウォンから2019年には90億ウォンに86.7%も減少していた。大型衣類業者「オンワード・ホールディングス」は日韓関係の悪化で売り上げが急減したため2020年2月に韓国の事業からの撤収を発表していた。

(参考資料:韓国人の訪日ラッシュが始まる! 「日本ボイコット」は忘却の彼方に!)

ジャーナリスト・コリア・レポート編集長

東京生まれ。明治学院大学英文科卒、新聞記者を経て1982年朝鮮問題専門誌「コリア・レポート」創刊。86年 評論家活動。98年ラジオ「アジアニュース」キャスター。03年 沖縄大学客員教授、海上保安庁政策アドバイザー(~15年3月)を歴任。外国人特派員協会、日本ペンクラブ会員。「もしも南北統一したら」(最新著)をはじめ「表裏の朝鮮半島」「韓国人と上手につきあう法」「韓国経済ハンドブック」「北朝鮮100の新常識」「金正恩の北朝鮮と日本」「世界が一目置く日本人」「大統領を殺す国 韓国」「在日の涙」「北朝鮮と日本人」(アントニオ猪木との共著)「真赤な韓国」(武藤正敏元駐韓日本大使との共著)など著書25冊

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