日本政府は6月10日から海外からの添乗員付きのパッケージツアーを受け入れるようだ。外国人観光客の受け入れは実に2年ぶりとのことだ。陽性率が低い国に限っては入国時の検査が免除され、入国が可能となる。

 ワクチン3回接種者に限っては3日間の隔離措置免除など入国規制緩和ですでに韓国では「日本旅行ブーム」が再燃しつつある。

 韓国旅行業は様々な日本旅行商品を用意している。例えば、「ハナツアー」や「全員ツアー」「ロッテ観光開発」など旅行会社はチャーター便による北海道ツアーなどを企画しており、「実に良い旅行」社も航空路線の正常化を前提に日本旅行商品の売り出しを3年ぶりに再開している。

 仁川国際航空公社によると、航空会社「エアー釜山」は仁川―成田と仁川―関西の定期路線を新規就航する。また日韓の間では6月初旬に金浦―羽田路線(週8回、16便)も再開される見通しである。この路線はドル箱路線と言われており、かつては年間200万人以上が利用していた。

 韓国の航空会社からすれば日本路線の場合は搭乗率が高く運航距離が短く、収益性や市場性を考慮すればメリットが大きい。航空会社の「日本回帰」に拍車がかかるのは自然の流れである。

 韓国観光業界の集計では、まだノービザの目途が付いてない段階にもかかわらず日本の入国規制緩和の動きが表面化した今月16日から23日までの1週間に日本ツアー予約率は前週(9~14日)よりも139%も増えたそうだ。ノービザが復活すれば、7月中旬からは日本旅行の需要は爆発的に伸びるものと期待されている。

 予想される韓国人の訪日ラッシュは▲円安であること▲「コロナ」が落ち着いたこと▲反日感情が薄れたことの3つの要因が上げられているが、特に日本の半導体素材の輸出厳格化と「ホワイト国」(輸出管理優遇国)から除外されたことに反発して2019年8月から始まった「日本製品不買運動」(日本のモノを買わない、売らない)がおさまったことの影響が大きいようだ。

 韓国観光公社のデーターによると、2019年8月に始まった「日本ボイコット運動」は日本旅行もターゲットにされ、全国に「日本に行かない」の合言葉が拡散されていた。

 その結果、8月の1カ月間で日本を訪れた韓国人は30万8700人と、前年8月(59万3941人)に比べて48%の減となり、東日本大地震が発生した2011年5月に58.3%減少して以来の最大減少幅となった。

 最終的には2019年は503万人と、2018年の754万人から約250万人も減少した。さらに2020年には「コロナ」の影響も加わって48万人まで大幅減少していた。

 2001年から就航していた米子―ソウル便がこの年の9月から運休するなど韓国人観光客の減少による被害は鹿児島、宮崎、大分など九州をはじめ地方都市の観光産業に影響を及ぼした。韓国人観光客で持っている対馬は66万人から6分の1の11万人にまで急減し、ホテルや旅館、レストランなどの多くは半ば開店休業状態に追いやられた。

 下関と釜山を往来する関釜フェリーを利用して対馬や福岡、大阪などを訪れた韓国人乗客は2018年の約142万6000人から2019年は約93万2000人、さらに2020年は約6万人と急減した。新型コロナウイルスの感染が拡大した2020年4月以降は乗客が一人もいないため、貨物輸送以外は、運航を停止している。

 アジアでは中国に続く、最大の「顧客」である韓国人観光客に対する日本の観光業界の期待も大きいものがあるが、今後、日韓関係悪化の原因となっている元徴用工や元慰安婦問題などが解決されれば、日韓観光客の相互訪問に弾みがつくことになるであろう。