北朝鮮が今日(25日)午前に短距離ミサイルを2発発射した。巡航ミサイルのようだ。

 韓国の報道では、韓国国防部は発射を事前に察知、探知できなかったようだ。奇襲的に低空で飛んできたためレーダーで捕捉できなかったとのことだ。

 発射時間についてはおよそ午前8時から9時の間と推定しているが、発射場所、飛行時間、飛距離、速度などは分析中とのことで詳細はまだわかっていない。

 昨年9月11日と12日に移動式発射車両(TEL発射管を5個装着)から発射された巡航ミサイルは北朝鮮が発表するまでは伏せられていた。朝鮮中央通信や「労働新聞」が13日になって報道したことで明るみに出た。しかし、発射地点は明らかにされないままだった。正確な着地点も不明だった。

 北朝鮮の発表のとおり、発射された長距離巡航ミサイルが「北朝鮮の領土と領海の上空に設定された楕円及び8の字型の飛行軌道に沿って7580秒(126分)飛行し、1500キロメートル先の標的に命中した」のが事実ならば、距離的には韓国の上空を飛び越え、日本列島に十分に届く距離であった。

 韓国は短距離でしかも国連決議に反する弾道ミサイルではなかったことから騒がなかったとされていたが、今回はそれなりにいち早く反応したことになる。

 北朝鮮は2017年6月8日に東海岸の元山から発射管を4つ備えたキャタピラの移動式発射台から巡航ミサイルを発射していたが、地対艦巡航ミサイルで、飛距離200km程度の短距離であった。

 米朝首脳会談もあって2018年と2019年は巡航ミサイルの発射は一度もなかったが、2020年4月14日に約3年ぶりに江原道・文川(元山付近)から空対地巡航ミサイルが数発発射されていた。

 さらに、昨年は3月21日にも平安南道・温泉(南浦近く)から地対艦巡航ミサイルを2発発射している。いずれもマッハ0.8~0.9前後だったが、どういう訳か、北朝鮮は発射したことを報道しなかった。また、米政府高官は北朝鮮が行った発射実験が「通常の軍事活動」で、弾道ミサイル発射を禁じた国連安全保障理事会の制裁対象になるものではないと述べていた。

 しかし、前述したように9月11日と12日の発射については北朝鮮は「大きな意義をもつ戦略武器である長距離巡航ミサイルの開発事業はこの2年間、科学的で信頼性のある武器体系開発工程に従って推進されてきた」と報道していた。

 今回発射された巡航ミサイルが仮に新型ならば、昨年9月に開催された国防展覧会に展示された2種類の新型巡航ミサイルの可能性が考えられる。

 北朝鮮が今日の巡航ミサイル発射を公表するのか、また金正恩(キム・ジョンウン)総書記が立ち会っていたのか、明日には判明するだろう。

(参考資料:短距離からICBM、巡航ミサイルまで北朝鮮のミサイル発射場は全国33か所に散在)