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韓国の日本製品ボイコット運動の結果は? 72%が今も「不買運動を継続」

辺真一ジャーナリスト・コリア・レポート編集長
徴用工問題で妥協しない韓国市民団体の抗議デモ(出所:主催団体)

 昨年7月に発動された日本の輸出厳格化措置に反発して始まった韓国の日本製品不買運動はまる1年が経過した。

 日本製品ボイコット運動は「日本の物を買わない、売らない、行かない」の「No ジャパン!」を合言葉に全国レベルで展開されたが、不買運動の対象は電子・生活家電品、自動車、酒類、衣類、化粧品、食料品、タバコ、ゴルフ用具、時計、それに楽器など広範囲にわたった。

 ユニクロを初め「メイドインジャパン」はどれもこれもダメージを受けたが、その象徴が日本製ビールと日本車、それに観光分野である。その結果をみると;

 ▲日本製ビール

 ボイコット運動前の昨年5月の輸入額は71億5千万ウォンもあったが、今年5月は9億2千万ウォンと87%も減少した。

 日本製ビールは外国産ビールの中では韓国人に最も愛飲されてきており、2009年から10年間もトップの座にあった。しかし、その人気度は今では中国、オランダ、ベルギー、米国、ポーランド、ドイツ、デンマーク、チェコ、フランス、メキシコ、香港に抜かれ、12位に転落している。

 ▲日本車

 不買運動前の1年間(2018年7月―2019年6月)の日本車実績販売数は4万7450台あったが、この1年間(2019年7月―2020年6月)は2万3222台と半分以下となった。金額にして1308億円から927億円と約400億円の減少となった。

 韓国の今年上半期(1ー6月)の外車輸入は12万856台と前年比10%増だが、日本車の今年上半期の販売数は1万43台と、東日本大震災が起きた2011年(8278台)以来、9年ぶりの落ち込みであった。

 韓国は日本にとって米国、香港に次ぐ第3位の貿易黒字国である。日韓貿易は1965年の国交正常化以来、一貫して日本の黒字で、2018年は240億ドルの黒字があった。しかし、昨年は191億ドルと、49億ドルも減少した。

▲観光

2018年の韓国人観光客(750万人)は中国人(830万人)に続いて2番目に多かった。しかし、昨年は約500万人と、約250万人も減少した。

 日本に最も近い韓国の第2の都市・釜山からフェリーを利用して日本を訪れる韓国人は多い。2018年8月から2019年3月まで108万人もいたが、「日本に行かない運動」が起きた昨年7月から今年3月までは28万人と、約4分の1となった。その影響をもろに受けたのが対馬で66万人から6分の1の11万人と、約84%の減となった。ホテルや旅館、レストランなど開店休業状態を強いられた。

 ▲世論調査結果

 日本製品不買運動の発端となった日本の輸出厳格化措置が解除されないためボイコット運動は今も続けられているが、韓国の世論調査会社、韓国リサーチ「世論の中の世論」が「韓国日報」紙に委託され、ボイコット運動1周年に際して全国成人男女1000人を対象に世論調査を実施したところ、72%が今も「不買運動に参加している」ことがわかった。不買運動に火が付いた1年前(8月1ー2日)の調査の時よりも11%減少していたが、それでも約3人に2人は依然として不買運動を継続していた。

 不買対象としている日本製品は1番に「日本車」、2番に「食料品」。続いて「家電製品」、「生活用品」となっている。また、「日本旅行」についても84%が「その気はない」との回答だった。

 「日本車」は1年前(2019年8月23ー26日の調査)の85%から86%、「日本食品」は83%から85%、「家電製品」は83%から84%、また「生活用品」も82%から83%とそれぞれ不買者が増えていた。

 「日本旅行」は回答者の84%が拒否反応を示していたが、この他に「映画とアニメ」は75%が不買対象としていた。これも1年前よりも2%も増えていた。昨年よりも「不買」が最も増えたのは「音楽」で73%から81%。昨年と変わらなかったのは「書籍」で72%のままだった。

 不買運動の今後について聞いてみたところ、「日韓関係が改善しても続くだろう」が意外にも半数に近い48%もあった。「改善すれば終了するだろう」は10%少ない38%となっている。韓国リサーチが昨年10月(24ー25日)に行った世論調査では「改善しても続くだろう」は49%、「改善すれば終了するだろう」は44%と、その差は5ポイントしかなかったが、今回は若干開いた感じだ。

 日本の輸出厳格化措置が与えた影響については「日本の経済的打撃が大きかった」が47%、「韓国の経済に打撃となった」が10%、「日韓双方等しく打撃になった」が34%。昨年10月の調査では「日本の経済的打撃のほうが大きい」が42%、「韓国の経済的打撃のほうが大きい」が20%となっていた。

 今回のアンケート調査では番外に「韓国と日本、どちらが先進国に近いと思うか」との設問もあったが、「日本は韓国よりも先進国である」は昨年8月(23-26日)の調査では50%あったのに今回の調査では32%に減少していた。

 その一方で「韓国のほうが日本よりも先進国である」は17%から31%に増えていた。半導体や家電製品の分野で日本に追いつき、追い抜いたことへの自信や新型コロナウイルスの防疫対策で日本よりも先行し、世界から称賛されたことによる自負心が反映されているようだ。

ジャーナリスト・コリア・レポート編集長

東京生まれ。明治学院大学英文科卒、新聞記者を経て1982年朝鮮問題専門誌「コリア・レポート」創刊。86年 評論家活動。98年ラジオ「アジアニュース」キャスター。03年 沖縄大学客員教授、海上保安庁政策アドバイザー(~15年3月)を歴任。外国人特派員協会、日本ペンクラブ会員。「もしも南北統一したら」(最新著)をはじめ「表裏の朝鮮半島」「韓国人と上手につきあう法」「韓国経済ハンドブック」「北朝鮮100の新常識」「金正恩の北朝鮮と日本」「世界が一目置く日本人」「大統領を殺す国 韓国」「在日の涙」「北朝鮮と日本人」(アントニオ猪木との共著)「真赤な韓国」(武藤正敏元駐韓日本大使との共著)など著書25冊

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