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韓国は新型コロナウイルスの「首都大流行」を警戒!

辺真一ジャーナリスト・コリア・レポート編集長
戦略会議を主宰する文在寅大統領(青瓦台ホームページを筆者キャプチャー)

 韓国の中央防疫対策本部が10日午前10時に発表した統計によれば、昨日の新型コロナウイルスの新規感染者は50人と、再び50人台に戻ってしまった。

(参考資料:どうにも止まらない韓国の「新型コロナ」感染者 2日連続でボーダーラインを越えた!

 韓国の感染者は5日51人、6日57人と、自粛要請解除基準(50人以下)を2日連続で上回ったことで中央防疫対策本部に緊張が走ったが、7日38人、8日38人と30人台に減少し、安堵したばかりだった。

 特に憂慮の対象地域となっているのが首都圏だ。というのも、6月の感染者(1-8日計349人)のうち97%が首都・ソウル市、首都圏の京畿道及び仁川市から出ているからだ。

 直近の3日間をみると、6日は57人のうち52人、7日は38人のうち35人、8日の38人のうち33人が首都圏で感染が確認されている。そして、昨日も50人中、41人は首都圏の感染者であった。

 41人の内訳はソウルが12人、京畿道が21人、仁川が8人となっているが、ソウル市は規制が解除された5月6日までの1週間は4人、9人、6人、13人、8人、3人、2人と計45人だったのがこの1週間は18人、20人、13人、23人、27人、18人、12人と約3倍の計131人に上っている。

 また、仁川では一昨日、小学生と中学生の感染が確認されたことで居住地区の小学校や中学校の登校が中断され、遠隔授業に切り替えられた。ちなみに韓国の全感染者(1万1902人)のうち57.9%(6888人)を占めている大邱市及び全国で2番目に感染者の多い慶尚北道(1383人)は昨日も感染者はゼロだった。

 首都圏での感染拡大を受けて、韓国防疫当局は首都圏での大流行を憂慮し、感染に脆弱な地域を点検し、強力な感染拡大防止策をとることにしている。

 本日(10日)から感染リスクが高いクラブやルームサロン、カラオケボックスなどの遊興施設に対してはQRコードを利用した入店者名簿の作成が義務付けられる。

 入店者は氏名や連絡先などの情報が含まれたQRコードをスマートフォン(スマホ)で提示し、店の端末に読み取らせなければならない。また、ジムなど室内スポーツ施設や劇場や公演会場についても入店者名簿の作成が義務付けられる。訪問者名簿を確保することで感染経路を把握することができ、追加的な感染拡大を阻止することができる。

 また、2週間の隔離に従わず、離脱した場合、虚偽の証言で防疫規則に違反した場合、或いは防疫調査を拒否した場合は罰金を含む刑罰が科せられる。先月30日には仁川空港から入国したインドネシア人の男性が2週間の隔離措置に違反し、無断外出したため警察に検挙される「事件」まで起きている。

(参考資料:感染者が再び急増する韓国 「第2のシンガポール」に!?

ジャーナリスト・コリア・レポート編集長

東京生まれ。明治学院大学英文科卒、新聞記者を経て1982年朝鮮問題専門誌「コリア・レポート」創刊。86年 評論家活動。98年ラジオ「アジアニュース」キャスター。03年 沖縄大学客員教授、海上保安庁政策アドバイザー(~15年3月)を歴任。外国人特派員協会、日本ペンクラブ会員。「もしも南北統一したら」(最新著)をはじめ「表裏の朝鮮半島」「韓国人と上手につきあう法」「韓国経済ハンドブック」「北朝鮮100の新常識」「金正恩の北朝鮮と日本」「世界が一目置く日本人」「大統領を殺す国 韓国」「在日の涙」「北朝鮮と日本人」(アントニオ猪木との共著)「真赤な韓国」(武藤正敏元駐韓日本大使との共著)など著書25冊

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