「子どもがいないのに、PTAの保護者に家を訪問されて地元の小学校への寄付金を払うよう強要された」。先日こんな内容のツイートが話題になりました。衝撃的な内容で筆者もびっくりしましたが、事実かどうかは不明です。

 ただ、ここまで酷い話でなければ、学校への強制的な寄付はよくあります。加入意思確認を行っていないPTAが、自動強制加入させた会員(保護者や教職員)から徴収した会費で学校に「寄付」(*1)を行うのは、残念ながら珍しいことではありません。

 学校がこのような「寄付」を受け取ることには、問題があります。地方財政法で、国や自治体は「寄附金(これに相当する物品等を含む。)を割り当てて強制的に徴収(これに相当する行為を含む。)するようなことをしてはならない」とされているのです(*2)。

 学校への「寄付」を担う団体は、実はほかにもあります。名称は地域により異なりますが、PTAとは別に「後援会」「育成会」「期成会」などの団体(以下「後援会等」と総称)が存在し、そこでも自動強制加入で会員にした保護者からお金を徴収し、学校に「寄付」をしていることが割合よくあるのです(*3)。

 さらに、このような団体のなかには、地域住民からお金を集めるところもあります。つまり、子どもがいない家庭からも学校への「寄付」を徴収しているケースがあるのです。たとえば、最近聞いたのは以下のようなケースです。

*子どもがいなくても「寄付」、いたらダブルで「寄付」

 さいたま市のA小学校には、PTAとは別に「A小学校後援会」があります。同後援会の会則をみると、正会員は「本会の目的に賛同する児童の保護者」、賛助会員は「本会の目的に賛同する賛助者」と書かれています。

 ところが決算報告などをみると、賛助会員の会費収入は、自治会ごとに納められた既定額(学区に住む世帯数×約100円)となっています。賛助会員、すなわち「本会の目的に賛同する賛助者」から集めるのではなく、自治会に入っている人みんなに、学校への「寄付」を負担させている形です。

 しかも、後援会を通して学校に「寄付」を行っていることを会員に周知できていない自治会もあるため、知らないまま「寄付」をしている住民も少なくないといいます。

 同じさいたま市の別の地区にあるB小学校には「育成会」があり、これも学校に「寄付」を行っています。この育成会は、各自治会からお金を集めるほか、同校のPTAからもお金を受け取っています。

 しかし、そもそもこのPTAも学校に「寄付」を行っています。ですからつまり、子どもがいてPTAと自治会の両方に入っている住民は、3つのルートから学校に「寄付」をしていることになります(*4)。

 東北地方のC小学校にも、やはりPTAとは別に「協力会」があり、各自治会から「協力会費」を徴収しています。

 ある自治会は、約150世帯が加入しており、年間約15万円の会費を協力会に納めています。つまり一世帯当たり約千円を負担する形です。この地区に住む保護者のCさんによると、過疎地域で小学校の児童・家庭数も少ないため、「疑問があっても声をあげにくい」ということです。

 これらのように、「後援会等」を通して自治会から学校に「寄付」を行うやり方は、地方財政法が禁じている「割り当て寄付」に当たるものと考えられます。

 なお、冒頭で紹介したツイートのように、PTAの保護者が地域住民の家をまわって寄付を募るケースも実在しました。関西の郊外にあるD小学校では、PTA役員が一軒ずつ家をまわって千円ずつ徴収し、学校の備品を購入しているといいます。

 自らの意思で払う人もゼロではないのでしょうが、多くの住民は、断れずに払っている状況だといいます。数年前に、認知症の高齢者が「泥棒」と思い込んで騒ぎになって以来、見直しの方向になっているものの、昨年度も結局、同様のやり方で集金が行われたということです。

*学校が「寄付」に頼らず済むようにできないか

 もちろん、すべての「後援会等」が、強制的にお金を集めているわけではありません。なかには本当に任意で寄付を集めているところもありますし、また強制とも任意とも言いがたいグレーな「寄付」集めをしているようなケースもあります(*5)。

 ただ、「後援会等」の団体が本人の意思に関係なく「寄付」を集めているケースがよくあるのは事実です。戦後、77年も経つのですから、国や自治体は学校に十分な予算を配当し、学校が「寄付」に頼らないで済むようにできないものでしょうか。何のために税金を集めているのかな、と思います。

 保護者や地域住民も、漫然と「寄付」を続けるのをやめ、学校に十分な予算をつけるよう求めていかねばなりません。