マタハラを受けやすい5つのパターンとは

(ペイレスイメージズ/アフロ)

マタハラを受けやすい女性の5つのパターンを以下にご紹介したい。

パターン1:その会社でフロンティアになる女性

会社で初めての産休・育休取得者となる女性はマタハラを受けやすい。会社や上司に対応経験がないため、どうしたらいいか分からないという無知さから来ているように思う。

「産休育休第一号になって欲しい」と言われていたが、いざそうなると社長をはじめ上司たちから嫌がらせを受けたため、退職したいと申し出た。すると「実績にしたいから」と産休・育休だけは取得するよう言われたという事例などがある。

パターン2:勤続年数が短い女性

新卒で入社してすぐ、転職してすぐの妊娠は、「会社にまだ何も貢献していないのにもう休むのか」となってしまいマタハラを受けやすい。

参考記事:新入社員へのマタハラ事例、若くて弱い立場なため中絶強要も

パターン3:妊娠の症状が順調ではない女性

重い悪阻や切迫流産・切迫早産・その他合併症などになってしまい、産休に辿り着く前に会社を休みがちになってしまうと「もう無理では?」とマタハラを受けやすい。

本来であれば、肉体的にも精神的にも辛い局面にあるので、できれば守ってもらいたい状況なのだが、サバンナで怪我をした子どものヌーからライオンに襲われていくかのようにマタハラされてしまう。

合併症で会社をお休みすると上司が自宅にやって来て退職強要された女性や、早産で入院中に解雇通知が病院まで送られてきた女性、流産の手術で入院中に降格させられてしまった女性もいる。

危険な状態になっても、職場で十分な勤務配慮が受けられなかった人も少なくない。女性側も体調不良を口にすると、退職を勧められてしまうので、無理をしてしまうケースが多い

また、なかなか妊娠にたどり着けない不妊治療も対象になることが多いように思う。NPO法人Fineさんの調査では、働きながら不妊治療を受けた人の9割が、仕事と治療の両立を難しいと感じ、このうち半数近くが、退職や休職など働き方を変えざるをえなかったという。

妊娠前、たとえば妊活中や不妊治療中など子どもが欲しいと願っている時期の嫌がらせや妊娠の妨げ行為は、“プレ・マタニティハラスメント(プレ・マタハラ)”と呼ばれている。

参考記事:妊娠順番制だけではない、妊娠前や妊活中に行なわれる“プレ・マタハラ”の実態

パターン4:二人以上お子さんがいる女性

一人ならまだしも、2回も3回も産休・育休を取得して休むのかとなってしまいマタハラを受けやすい。

こんなメールをもらったこともある。

子どもたちが行っている学校や保育園はクラスの半分以上が一人っ子。この状況は不自然だなと思っていたが、案の定、ママたちからは「二人目を妊娠すると会社を続けられない」との理由。しかも実際に二人目を妊娠して会社を辞めさせられたママもいるし、公務員のママは人事異動をさせられ厳しい状況に、とのこと。

他にもこんな連絡をもらったことがある。

「三人も子どもがいるのだから、もういいじゃない」と上司に言われ、職場のスタッフ一人一人に「妊娠してすみません」と謝罪させられた女性もいる。これはあまりに酷いのではと、その上の上司に相談に行ったところ謝罪して当然だと言われ、「今回妊娠したことは誠に申し訳ありませんでした。以後、妊娠しないようさせていただきます」と、今度は反省文まで書かされたという。

パターン5:非正規雇用で働く女性

契約社員・派遣社員・アルバイトなどの有期雇用社員であっても産休は取得できるし、一定の要件を満たせば育休も取得できる。しかし、この“一定の要件”というところが問題で、この要件があることによって非正規の女性は制度の適用範囲外と思い込まれてきた。非正規女性の育休復帰率はわずか4%という悲惨な数字であることが、それを物語っている(国立社会保障・人口問題研究所「第14回出生動向基本調査(夫婦調査)」より)。

「契約社員には時短勤務の制度がない」「契約社員に産休・育休を会社が許すとは限らない」とたとえ育休取得の要件を満たしていても、非正規は適用外という誤った対応をされてきた。

そして、このような思い込みは会社・マネジメント層だけでなく、女性自身も法律を知らなかったりする。非正規社員の8割以上が産休・育休を取得できると知らないという厚労省のデータがある(公益財団法人日本生産性本部「有期契約労働者の育児休業制度等に関するアンケート調査」(厚生労働省委託事業)平成25年11月実施より)。

非正規なので制度は使えないと思い込み、自分がマタハラを受けていることにさえ気が付いていない“隠れマタハラ被害者”もいるように思う。

なお、昨年1月以降、非正規の育休取得の要件は緩和され取得しやすくなっている。要件は以下。

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非正規の育休取得要件の緩和

【改正後】

 1.当該事業主に引き続き雇用された期間が1年以上であること

 2.子が1歳6ヶ月に達する日までに、その労働契約(労働契約が更新される場合にあっては更新後のもの)が満了することが明らかである者を除く

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以上5つのパターンを挙げたが、いつどのタイミングで女性が妊娠するか、これは女性の選択の自由だと思う。

上記ケースとなった場合は、女性側はより会社とコミュニケーションを取るよう努めてもらいたいし、会社側はマタハラが起こらないよう、より気を付けてもらえたらと思う。