2023年9月最新「内閣支持率・政党支持率」トレンドレポート
この記事では、先月の記事「2023年8月最新「内閣支持率・政党支持率」トレンドレポート」に引き続き、世論調査会社グリーン・シップの「GS選挙調査センター」が全国規模で毎日実施している情勢調査のデータ提供を受け、モーニングコンサルト社の調査や、その他の調査機関の数字などから、内閣支持率や政党支持率の分析をお送りします。
岸田内閣の支持率 下げ止まりか
まず、モーニングコンサルト社のデータです。世界各国のトップ間における比較に適しているモーニング・コンサルト社の調査は、10月12日時点で、支持率が23%、不支持率が63%となりました。先月の調査と比べても1%ほどの変化であり、不支持率が支持率を大幅に上回る状態となっています。モーニングコンサルト社の調査では、6月から支持率・不支持率ともに大きな変化がないため、下落傾向に歯止めがかかっているものの、低迷している状態から抜け出すことができていません。
内閣支持率は横ばい、外交と経済対策が鍵か
一方、国内の調査会社グリーン・シップ社も似た傾向を示しています。直近の調査では、内閣の支持率は22.9%、不支持率は69.1%でした。特筆すべきは、7月以降、この数字がほとんど変わらない「横ばい」の状態が続いている点です。9月には内閣改造など支持率向上の要因となり得る出来事がありましたが、これらが支持率に大きな影響を与えることはありませんでした。特に、内閣改造に関して「女性の副大臣・政務官を一人も起用しない」という点がマスメディアで大きく報道され続け、今回の内閣改造に関する好印象を持つ人が少なく、これが支持率上昇の足かせとなった可能性が考えられます。
しかし、岸田内閣の支持率が一直線に下がっているわけではありません。横ばいの状態が続いているため、今後の政策、例えばイスラエルとパレスチナを巡る問題への対応などといった外交施策や、自民党が17日に政府に提出する経済対策などが、支持率の回復の鍵となるでしょう。
特に過去のデータを見ても、外交政策の成功は内閣の支持率上昇に直結しています。昨年参院選直後から明るみになった旧統一教会の問題から支持率は下落し、今年2月の時点で下げ止まりの状態でした。しかし、岸田首相のウクライナ訪問により支持率が上昇し、G7の開催で内閣支持率の上昇はピークに達しました。その後マイナンバーカードを巡る問題で下落しましたが、現在の下げ止まりの状態を打破できるのは、岸田首相の得意とされる外交政策だと考えられます。
維新の支持率が低調に、国民はやや伸ばす
政党支持率に関する調査結果から、日本維新の会の支持率が下落傾向にあることが明らかになりました。その背景には、地方議員による秘書の兼職問題や、居住要件を満たしていなかった地方議員の当選無効などといった不祥事が立て続けに発生したことが挙げられます。さらに、鈴木宗男参院議員がロシアに訪問し、その際の言動に対する批判が巻き起こったことも、党のイメージをさらに下げる要因となったとみられます。最終的には離党という結論になりましたが、鈴木宗男議員が維新所属の道議に「今後の所属は各自の判断で」と述べたことなどから、北海道における維新の支持率が下がる可能性もあります。統一地方選挙を機に立憲民主党との差を大きく引き離しましたが、一部の報道によれば、立憲民主党を引き離していた維新の支持率が、再び横並びになる勢いとなっています。
一方、国民民主党の支持率は上昇傾向を維持しています。代表選を通じてメディアやSNS上での露出が増え、支持率増加に繋がったとみられています。また、SNS活用においては、X(旧Twitter)上での地方議員を中心とした情報発信が目立ち、党全体としての活気を感じさせる動きとなっています。