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「ひろゆき離れ」は本当に起きているのか?

岡田有花フリーランス記者
ひろゆき氏のTwitterより(筆者キャプチャ)

 10月7日、Twitterのトレンドに「ひろゆき離れ」というワードが躍り出ました。

 「ひろゆき」は、言わずと知れた、2ちゃんねる創設者の西村博之さんのことです。

 辺野古基地建設反対運動の座り込みをめぐるひろゆき氏の言動が、“ひろゆき離れ”を起こしているという「FLASH」のWeb記事がきっかけで、「ひろゆき離れ」が話題になったのです。

 しかし、この記事のユーザーコメントや、Twitterの意見を見ると様相は異なります。

 「ひろゆき氏は昔からそういう人だし、“ひろゆき離れ”は起きていない」。そんな論調が多いのです。

「空気を読まない」強さ

 筆者は20年ほど前、ひろゆき氏に取材を通じて知り合い、それ以降、たまに連絡を取っています。

 彼のスタンスは、当時から驚くほど変わっていません。それは、空気を読まずにツッコミを入れる、自らの利害は置いておいて、第三者視点でロジカルに判断して発言する、というものです。

 そんな彼の姿勢は、「空気を読む」ことが尊重される日本では異質であり、しばしば批判の的になる一方で、空気を読み疲れた人々からは「よく言ってくれた!」と称賛されることも多くあります

 40代以上の2ちゃんねる世代には、そんなひろゆき氏の姿勢はなじみ深く、当たり前のものでした。

 今回の辺野古の座り込みをめぐり、空気を読まず、前提もいったん置いておいて「それは座り込みと言えるのか」と問題提起したのは、極めて彼らしい姿勢だと、筆者は感じました。

“ひろゆき人気”が沸騰しているからこそ

 ただここ最近は、ひろゆき氏のプレゼンスが2ちゃんねる運営当時よりさらに上がり、テレビなどネットの外のメディアにも頻繁に出演するようになりました。まさに“ひろゆき人気”が沸騰している状態です。

 そんな状況で、ひろゆき氏について最近知った人が、ひろゆき氏にいわば“勝手に”期待を寄せ、今回の事態でまた“勝手に”失望している。それが「ひろゆき離れ」と表現されたのかもしれません。

 私が知る限り、ひろゆき氏は20代からスタンスを変えていませんし、最近は、ひろゆき離れどころか、ファンはますます増えているように思います。

 ひろゆき氏の認知度や人気が上がったからこそ、それを快くないと思う人が増えるのは当然です。彼は万人に愛されるタイプではありませんから、これからも批判記事が出ることはあるでしょう。とはいえ彼は百戦錬磨。批判をものともせず、これからも進んでいくと思います。

フリーランス記者

1978年生まれ。京都大学卒。IT系ニュースサイト記者、Webベンチャーを経て、IT・Web分野を軸に幅広く取材、執筆するフリーランス記者。著書に「ネットで人生、変わりましたか」(ソフトバンククリエイティブ)。

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