トイレットペーパーも高額転売相次ぐ 店頭で品薄 まるでオイルショック
新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、ドラッグストアやスーパーなどの店頭で、マスクや除菌グッズだけでなく、トイレットペーパーやティッシュペーパー、キッチンタオルなどの紙製衛生品全般が品薄になっています。
紙製品メーカーの業界団体・日本家庭紙工業会は、「供給量は十分にあるため、トイレットペーパーの在庫がなくなることはない」(NHKの報道より)としており、供給は安定しているそうです。ところが、トイレットペーパーの買い占めが全国的に起きているようで、一時的に品薄になっているようです。
そんな中、フリマサイト「メルカリ」などでは、トイレットペーパーやティッシュペーパーの高額転売が出始めました。28日時点では、通常300円前後のトイレットペーパーが、1000円前後で販売され、次々に購入されています。
新型コロナウイルスの影響でマスクが品薄になり始めたころ、メルカリではマスクの高額転売が横行。その後、「常識的な価格を超えたマスクの取引を禁止する」とし、マスクの出品は激減しています。ただ現在は、トイレットペーパーやティッシュペーパーの出品は増加しており、購入数も増えている状況です。
また、「Amazon.co.jp」など通販サイトでもトイレットペーパーが品薄になっており、出品者がユーザーに商品を販売できる「Amazonマーケットプレイス」では、通常300円前後のトイレットペーパーに3000円以上の値段が付いて出品されるケースも目立ちます。
トイレットペーパーなどが品薄になる背景には、「トイレットペーパーの材料はマスクと同じ」といったデマがSNSで拡散したことが挙げられます。さらに、「ウイルス感染を防ぐために外出を控えるに当たり、十分な数を備蓄しておきたい」といったニーズや、買い物に行って実際売り切れていたり、「トイレットペーパーは1人1個まで」と掲示されている様子を目の当たりにし、「買っておかなくては」と必要以上に購入してしまう心理もありそうです。
日本の歴史を振り返ると、原油価格が高騰する「オイルショック」が1970~80年代初頭に発生し、トイレットペーパーなど原油価格と直接関係のない商品の買い占めが起きました。今回、新型コロナウイルスと直接関係のないトイレットペーパーなどが品薄になっている現状は、まるでオイルショックのようです。