北朝鮮が深夜に短距離弾道ミサイル1発を発射。最近の約3週間で合計15発目
北朝鮮は10月14日の深夜1時47分頃、平壌の近郊にある順安の一帯から短距離弾道ミサイル1発を発射しました。日本と韓国で観測された北朝鮮ミサイルの飛行性能は以下の通りです。
- 自衛隊の観測:水平距離650km・最大高度50km
- 韓国軍の観測:水平距離700km・最大高度50km・速度マッハ6
北朝鮮の過去の発射と照らし合わせると、弾道ミサイルとしては低い高度を飛び弾道後半で滑空を行うKN-23短距離弾道ミサイル(イスカンデル型)が近い性能になります。
なお10月14日はミサイル発射前に北朝鮮軍機が編隊で南下して韓国軍機がスクランブルを掛けており、北朝鮮空軍の挑発的な演習と連動したミサイル演習だった可能性があります。
北朝鮮の最近のミサイル発射(約3週間で合計15発)
- 09月25日朝 32号 KN-23水中発射型 ※ダム湖から発射
- 09月28日夕 33号、34号 KN-23拡大型
- 09月29日夜 35号、36号 KN-23
- 10月01日朝 37号、38号 KN-23
- 10月04日朝 39号 火星12中距離弾道ミサイル改? ※日本列島越え
- 10月06日朝 40号、41号 KN-23とKN-25
- 10月09日夜 42号、43号 KN-25
- 10月12日夜 44号、45号 巡航ミサイル
- 10月14日夜 46号 KN-23?
※2022年の総合計数は、失敗2発を含め26回の発射機会で48発のミサイル発射となります。予備実験を含め発射成功は46発です。
※3月20日に発射された口径300mm以下と推定される多連装ロケット4発は発射機会にカウントしていません。これを発射機会に数えると27回目になります。
※KN-23・・・ロシア製イスカンデル短距離弾道ミサイルの模倣。
※KM-23拡大型・・・KN-23を大型化して大重量弾頭を搭載した戦術核ミサイル。機体が大型化した分を弾頭重量増に廻しており、射程はKN-23と変化無し。
※KN-23水中発射型・・・KN-23の潜水艦発射型(SLBM)。ダム湖から発射したものは水中に沈めた発射筒付きポンツーンに搭載と推定。
※KN-25・・・超大型放射砲(多連装ロケット)。直径600mmと推定される上に長く、並みの短距離弾道ミサイルより大きく重いので、北朝鮮はロケット弾を自称しているが他国からは短距離弾道ミサイル扱いされる。
※火星12改?・・・当初は火星12中距離弾道ミサイルと思われていたが、改良型の可能性がある。射程4600km。
※巡航ミサイル・・・北朝鮮側の呼称は「長距離戦略巡航ミサイル」。ただし戦術核運用部隊に配備されている。射程2000km。