ロシア軍がオデーサの集合住宅を巡航ミサイルで攻撃、死者多数
4月23日、ウクライナ南西部の港湾都市オデーサをロシア軍が巡航ミサイルで攻撃し、民間人に多数の犠牲が出ました。軍事目標ではない民間の集合住宅に着弾しています。
当日に撮影された動画を確認すると、ウクライナ側の主張が正しいことが分かります。間違いなくロシア軍の巡航ミサイル攻撃がオデーサの民間集合住宅に対して行われました。
これは民間人を意図的に狙ったものなのでしょうか? それともミサイルの性能が悪く明後日の方向に飛んで行ってしまったのでしょうか? 民間人を意図的に狙ったのであれば明らかな戦争犯罪になります。
集合住宅に着弾する様子(特徴から巡航ミサイルと確定)
- ジェットエンジンの甲高い金切り音が聞こえる。
- ミサイルの速度が遅いので目視が容易に可能。
飛行する巡航ミサイルが集合住宅に着弾する様子です。巡航ミサイル特有のジェットエンジンの甲高い金切り音が聞こえます。そして亜音速で飛行する巡航ミサイルは遅いので、飛んで行く様子が目視できています。
しかしロシア側からは「ウクライナ軍の地対空ミサイルが誤射された結果だ」という反論が出ていますが(ANNA NewsのTelegramなど)、嘘でしかありません。出鱈目なプロパガンダです。
地対空ミサイルは推進剤が固体燃料ロケットモーターなのでこのような甲高い金切り音は立てません。また地対空ミサイルは超音速の数倍の速度で飛行するので、推進剤を使い切った後の滑空中の噴射炎も噴射煙も出していない高速のミサイルを目視で確認することは非常に困難です。光ってもおらず煙を吐き出してもいない飛翔体が容易に見えている時点で、これは決して地対空ミサイルなどではありません。
間違いなくこれはロシア軍の巡航ミサイルです。なおウクライナ軍は対地攻撃用の巡航ミサイルを保有していません。「コールシゥン2(Коршун-2)」巡航ミサイルという開発計画はありましたが、戦争には全く間に合いませんでした。
戦略爆撃機用の空中発射巡航ミサイル「Kh-101」と推定
- 主翼に後退角が付いている。
- 主翼の付け根から後方の胴体の比率が長い。
この日にオデーサに飛来した巡航ミサイルは外観上の2つの特徴から、ロシア空軍の戦略爆撃機用の空中発射巡航ミサイル「Kh-101」だと推定できます。最も大きな特徴である突出したエンジンポッドは画像が荒く確認ができませんが、ほぼ間違いないでしょう。
ウクライナ攻撃で他によく使用されているロシア海軍の海洋発射巡航ミサイル「カリブル」は主翼が直線で、その関係でミサイル胴体の中央に主翼が配置されているので見分けが付きます。