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軍事パレードに弾道ミサイルを登場させなかった北朝鮮

JSF軍事/生き物ライター
北朝鮮軍の独特な戦車の車上装備。対戦車ミサイル、自動擲弾銃、携行地対空ミサイル(写真:ロイター/アフロ)

 9月9日、北朝鮮は建国70周年記念の軍事パレードを実施しました。注目されていた中長距離弾道ミサイルだけでなく短距離弾道ミサイルも登場しませんでした。2月8日の朝鮮人民軍創建日「建軍節」の軍事パレードではICBMや新型短距離弾道ミサイルなど各種弾道ミサイルを行進させましたが、6月12日に開かれた米朝会談で始まった非核化交渉が続いている間は、挑発を避けようという意思が働いたのだと思われます。大型兵器はこれまでにも登場して来た地対空ミサイルシステム「KN-06」や300mm8連装多連装ロケット砲「KN-09」、地対艦ミサイル「KN-19」が目立つ程度でした。

 そして今回の軍事パレードで初めて確認された北朝鮮の新兵器は3種類あります。新型152mm自走榴弾砲と推定されるものは先進的な外観をしており、中国軍や韓国軍の自走榴弾砲にも引けを取りません。一方で装甲砲塔に出し入れできる収納式の8連装自走対戦車ミサイルは世界的に見ても珍しい形式で、砲弾の破片や機銃弾から搭載ミサイルを防御する意図があると思われます。

  1. 152mmクラスの自走榴弾砲(推定)
  2. 122mm自走榴弾砲M1991の改良型(砲塔変更、主砲換装?)
  3. 装甲砲塔に収納式の8連装自走対戦車ミサイル(推定)
軍事/生き物ライター

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