太平洋側では晴れ,北陸や東北は雨や雪の仕事始め、最高気温は全国的に平年並か高め 今年は暖冬傾向
仕事始めの日
1月4日は年末年始の休日が明け、官公庁や多くの民間企業で「仕事始め」となります(土日の関係で5日以降になる年もあります)。
官公庁の場合は、「御用始め」とも呼ばれ、古くは明治6年(1873年)から1月4日が「仕事始め」と定められており、現在では昭和63年(1988年)に施行された「行政機関の休日に関する法律」などによって定められています。
令和6年(2024年)の仕事始めの日は、前日に西~東日本では所々で雨、北日本では雨や雪をもたらした低気圧が日本の東海上に去り、大陸からの高気圧に覆われてくる見込みです(図1)。
このため、山陰~近畿、北陸~東北では午前中を中心に雨や雪が降り、雷を伴う所もありますが、南西諸島と西日本から東日本の太平洋側、および、北海道では、晴れた日の仕事始めになりそうです(図2)。
一方、正月に最大震度7を観測した能登半島など、北陸や東北は雲が多く、雨や雪の仕事始めになりそうですが、最高気温は全国的に平年並みか高くなる予想です。
冬至寒波
令和5年(2023年)は、冬至(12月22日)頃に今冬最強の寒波が西日本を中心に南下してきました。福岡では、最高気温が12月21日に3.7度、22日に4.3度と、平年の最低気温をも下回る寒さでした。
12月22日に全国で最高気温が0度を下回った真冬日を観測したのは264地点(気温を観測している全国914地点の約29パーセント)、最低気温が0度を下回った冬日は774地点(約85パーセント)もありました(図3)。
その後はほぼ平年並みの寒さとなっており、令和6年(2024年)の正月の寒波は北日本中心で、真冬日や冬日の観測地点数は、冬至寒波に及びませんでした。
そして、今後は、暖かくなる見込みですので、今のところ、今冬一番の寒さは冬至寒波の頃ということができます。
暖冬傾向
気象庁が昨年、12月28日に発表した向こう1か月(12/30~1/29)の天候の見通しでは、全国的に寒気の影響を受けにくいため、気温は高く、特に1月上旬にかけてはかなり高くなる見込みとなっていました(図4)。
北海道で、気温が高くなる確率が50パーセントの他は、気温が高くなる確率が60パーセントという予報でした。
シベリア高気圧は平年より弱く、アリューシャン低気圧は南側で平年より弱いため、冬型の気圧配置が平年より弱い時期があり、北・東日本太平洋側と西日本では、低気圧などの影響を受けやすい時期があるということからの予報です。
今の所、記憶的な暖かさにはなっていませんが、冬型の気圧配置が長続きしないこと、低気圧が周期的に通過しており、1か月予報のように暖かくなりそうです。
東京の最高気温と最低気温の推移をみても、「冬至寒波」の頃は冷え込み、12月23日の最低気温は0.1度、24日の最高気温は8.8度と平年を下回りました(図5)。
しかし、「冬至寒波」以降は最高気温、最低気温ともに平年より高い日が続き、気温が下がって平年並みで、今後も、この傾向は続く予報となっています。
東部太平洋赤道域の海面水が平年より高くなるという「エルニーニョ現象」が発生すると、日本では、西日本ほど暖冬になりやすく、東日本の太平洋側などで降水量が多くなる傾向があります。
気象庁が発表している「エルニーニョ監視速報」によると、現在、東部太平洋赤道域の海面水温は昨年春より平年より高い状態が続いており、冬の間はエルニーニョ現象が続く可能性が高いと予測しています(図6)。
エルニーニョ現象の発生は、暖冬傾向をしめしていると同時に、異常気象が発生しやすい年であることを示しています。
今年も、自然災害に注意をはらうことが必要な年になりそうです。
図1、図4の出典:気象庁ホームページ。
図2の出典:ウェザーマップ提供。
図3の出典:ウェザーマップ提供資料をもとに筆者作成。
図5の出典:気象庁ホームページとウェザーマップ提供資料をもとに筆者作成。
図6の出典:気象庁ホームページに筆者加筆。