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ゴールデンウィーク前半は全国的に曇りや雨で、高い山では天気急変に注意

饒村曜気象予報士
ゴールデンウィークのカレンダー(提供:イメージマート)

冬から春へ

 令和5年(2023年)の冬は、1月25日には今冬一番の寒波が襲来しました。

 気温を観測している全国914地点のうち869地点(約95パーセント)で最低気温が氷点下になるという冬日に、502地点(約55パーセント)で最高気温が氷点下という真冬日になっています。

 全国の半分が冷凍庫に入ったような厳しい寒さとなったのですが、その後は気温が高い日が続き、3月は記録的な暖かさとなり、北日本でも真冬日を観測しなくなっています(図1)。

図1 夏日と冬日、真冬日の観測地点数の推移(令和5年1月1日~4月16日)
図1 夏日と冬日、真冬日の観測地点数の推移(令和5年1月1日~4月16日)

 最低気温が氷点下という冬日になっても、日中の気温は高くなることが多くなり、最高気温が25度以上という夏日も増えてきました。

 気象庁の1か月予報によると、4月中旬は全国的に気温が平年より高く、下旬以降は平年並みの見込みです(図2)。

図2 長期予報(一か月予報)による平均気温の予想
図2 長期予報(一か月予報)による平均気温の予想

 降水量は、東日本と西日本で平年並みまたは平年より多い確率が若干多く、北日本と南西諸島は平年並みとなっています。

 ただ、気になるのは、新型コロナウイルスによる行動制限がなくなったゴールデンウィークの天気予報です。

ゴールデンウィークの天気予報

 ウェザーマップでは、16日先までの天気予報を発表しています。

 降水の有無の信頼度が5段階で一番低いEや、ニ番目に低いDが多く含まれている予報ですが、ゴールデンウィーク前半の天気は、ほぼ全国的に曇りや雨の見込みで、高い山では天気急変の恐れがあります。

 北日本から東日本では、ゴールデンウィーク初日の4月29日の昭和の日まではお日様マーク(晴れ)や白雲マーク(雨の可能性が少ない曇り)が多くなっています(図3)。

図3 北日本から東日本のゴールデンウィーク前半の天気予報
図3 北日本から東日本のゴールデンウィーク前半の天気予報

 しかし、翌30日以降は、黒雲マーク(雨の可能性がある曇り)や傘マーク(雨)の日が増えてきます。

 札幌と名古屋は、連日傘マークですし、傘マークのない東京でも降水確率が25パーセント以上あります。

 西日本から南西諸島でも天気予報は似ています。

 傘マークがあるのは、広島と鹿児島で、おのおの1日だけですが、黒雲マークの日が多く、降水確率が高くなっています(図4)。

図4 西日本から南西諸島のゴールデンウィーク前半の天気予報
図4 西日本から南西諸島のゴールデンウィーク前半の天気予報

 各地とも、気象情報に注意が必要なゴールデンウィークになりそうです。

 また、このようなときは、高い山では天気が急変しがちです。

 麓は春から初夏でも、山頂付近は冬の天気ということはよくあります。

 せっかくの休みだから予定通りではなく、せっかくの休みだからこそ気象情報を利用して予定を柔軟に考え、楽しんでください。

図1、図3、図4の出典:ウェザーマップ提供資料をもとに筆者作成。

図2の出典:気象庁ホームページをもとに筆者作成。

気象予報士

1951年新潟県生まれ。新潟大学理学部卒業後に気象庁に入り、予報官などを経て、1995年阪神大震災のときは神戸海洋気象台予報課長。その後、福井・和歌山・静岡・東京航空地方気象台長など、防災対策先進県で勤務しました。自然災害に対しては、ちょっとした知恵があれば軽減できるのではないかと感じ、台風進路予報の予報円表示など防災情報の発表やその改善のかたわら、わかりやすい著作などを積み重ねてきました。2015年6月新刊『特別警報と自然災害がわかる本』(オーム社)という本を出版しました。

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