天皇誕生日は3カ所で収束線によるほぼ平年並みの気温の雨か雪 来週は3月末から4月初めの陽気
一時的な穏やかな日差し
今週は、西高東低の冬型の気圧配置が強まり、強い寒気が南下して始まりました。
全国的に寒くなり、日本海側の地方では大雪となったところがあります。
しかし、きのう2月22日は、冬型の気圧配置が緩み、移動性高気圧が通過しています(タイトル画像参照)。
日本海側の雪の範囲も狭まり、西日本の日本海側でも晴れ間の戻り、全国的に少し寒さが和らいでいます。とはいえ、気温は平年並みか平年より低くなっています。
しかし、この移動性高気圧は強いものではなく、次の高気圧との間には気圧が低くなっており、その中に風が集まって雲が発生している所(収束線)があり、天分布気を複雑にしています。
きょう23日(木・祝)の天皇誕生日は、気圧が低くなっているところに収束線が3カ所発生する見込みです(図1)。
この3つの収束線に対応し、西日本や関東周辺では雨、北日本では雪か雨と、3カ所で降水現象ある見込みです(図2)。
穏やかな日差しがあったのは一時的の見込みです。
ただ、降水現象があっても、気温は平年並みか平年より高くなりそうです。
今年の真冬日と冬日
今冬の特徴として、冬型の気圧配置は強さの割には長続きしないということがあげられます。
令和5年(2023年)1月13日は北日本を通過した低気圧に向かって暖気が北上して4月並みの気温となり、最高気温が25度以上という夏日を観測したかのが21地点(全国で気温を観測している914地点の約2パーセント)もありました。
しかし、その後、西高東低の冬型の気圧配置が強まり、今冬一番の強い寒気が南下したため、1月25日には真冬日を観測したのが502地点(55パーセント)と、全国の半数以上の地点で、気温が一日中氷点下という、冷凍庫の中の状態でした。
また、冬日を観測したのが869地点(95パーセント)と、南西諸島以外は全ての観測地点で冬日でした(図3)。
今冬、真冬日、冬日を観測した地点数が一番多かったのは、現時点まででは1月25日です。
2月に入ると、強い寒気の南下は北日本どまりで、南岸低気圧が短い周期で通過するようになってきました。
南岸低気圧が通過するときは、暖気が入りますので、真冬日や冬日を観測した地点数が減少し、その後の寒気南下で増加するという変化をします。
真冬日や冬日の観測地点数は、減少傾向にあったのですが、バレンタインの頃(2月14日頃)に南下してきたバレンタイン寒波によって一時的に大きく増えています。
東京の気温変化
東京の最高気温と最低気温の推移をみると、2月に入ると寒暖差が非常に大きくなってきました(図4)。
2月10日には最高気温が3.5度と今冬一番の寒さとなりました(今冬二番は1月25日の3.7度)。
最低気温ではありません。最高気温が3.5度と真冬でもめったいない寒さとなっていますが、2月13日には19.3度と春本番の気温まで上昇しています。
そして、2月15日~16日は最高気温が10度に届かず、逆に2月19日の最高気温が18.5度となっています。
さらに、2月21日は最高気温が9.2度と、冬に逆戻りです。
このように大きな気温変化をしている2月ですが、今後は、下がっても平年並み、上げれば4月上旬並みという暖かい日が多い予想です。
最低気温も最高気温と似た傾向を示しており、0度近い冷え込みはなさそうです。
東京など東日本の太平洋側だけでなく、福岡など西日本でも事情は同じです(図5)。
福岡の最高気温は、寒くなって平年並みです。そして、来週の最高気温は3月末から4月並みの気温となる日があり、春は着実に近づいています。
北日本や東日本日本海側も、寒気が南下して冬に戻ったとしても、その南下期間は短くなっていますので、春近しです。
タイトル画像、図2の出典:ウェザーマップ提供。
図1の出典:気象庁ホームページに筆者加筆。
図3の出典:ウェザーマップ提供資料をもとに筆者作成。
図4、図5の出典:気象庁ホームページとウェザーマップ提供資料をもとに筆者作成。