今冬の冬日と真冬日

　今冬の特徴として、冬型の気圧配置は強さの割には長続きしないということがあげられます。

　令和4年（2020年）12月19日に非常に強い寒気が南下し、最高気温が氷点下という真冬日を914地点のうち297地点（32パーセント）で観測しています。

　また、最低気温が氷点下という冬日を観測したのが728地点（80パーセント）でした。

　冬シーズンの最初の強い寒波で、体感的には非常に寒く感じた寒気でした。

　その後、クリスマス寒波や年末年始寒波によって周期的に強い寒気が南下してきましたが、12月19日の寒気よりは弱いものでした。

　令和5年（2023年）1月13日は北日本を通過した低気圧に向かって暖気が北上して4月並みの気温となり、最高気温が25度以上という夏日を観測したのが21地点（全国で気温を観測している914地点の約2パーセント）もありました。

　しかし、その後、西高東低の冬型の気圧配置が強まり、今冬一番の強い寒気が南下したため、1月25日には真冬日を観測したのが502地点（55パーセント）と、全国の半数以上の地点で、気温が一日中氷点下という、冷凍庫の中の状態でした。

　また、冬日を観測したのが869地点（95パーセント）と、南西諸島以外は全ての観測地点で冬日でした（図1）。

　今冬、真冬日を観測した地点数が一番多かったのは1月25日です。

　2月に入ると、強い寒気の南下は北日本どまりで、真冬日や冬日を観測した地点数が減少しています。

　そして、南岸低気圧が周期的に通過するようになってきました。

火曜日の南岸低気圧

　今年の南岸低気圧は、短い周期で通過することと、南岸低気圧の北側に小さな低気圧が発生して関東地方の天気予報を難しくしているという特徴があります。

　現在、東シナ海で発生した低気圧が東進中で、九州から四国へと雨の範囲が広がっています（タイトル画像参照）。

　この、2月7日火曜日の南岸低気圧は、四国から本州の南海上を少し離れて通過する見込みですので、九州南部ではこの時季としてはまとまった雨の予想ですが、四国以西の雨量は少ない見込みです（図2）。

　ただ、南岸低気圧の北側の関東近海で小さな低気圧が発生する見込みです。

　このため、南岸低気圧本体の雨雲がかからない関東甲信地方でも、小さな低気圧の雨雲がかかり標高の高い所では雪の可能性があります（図3）。

　平地で雪の目安となっている、上空約1500メートルの氷点下6度線は、東北地方北部まで北上していますので、火曜の南岸低気圧は冬としては比較的暖かい雨をもたらすといえそうです。

金曜日の南岸低気圧

　火曜日の南岸低気圧に対し、2月10日（金）の南岸低気圧の場合は、前日に氷点下6度の等温線が関東南部まで南下した直後の通過です（図4）。

　上空約1500メートルの気温は、南岸低気圧の接近によって上がってきますので、2月10日（金）の南岸低気圧の場合は、西日本や東海地方は雨の可能性が高いのですか、関東地方は雪の可能性が高くなっています（図5）。

　気象庁の2月10日の東京都心の予報は「雨か雪」の予報となっており、どちらかというと雨の可能性が高くなっています。

　しかし、標高の高い所では雪ですし、東京都心でも雪の可能性が高い「雪か雨」の予報、あるいは「雪」の予報に変わるかもしれません。

　東京都心の最高気温と最低気温の推移を見ると、2月10日の最高気温の予想は5度となっています（図6）。

　最低気温ではなく、最高気温が5度で、冷たい一日の見込みです。

　東京都心でも、低気圧の進路や寒気の残り具合によっては、雪が積もる可能性がありますので、最新の気象情報に注意してください。

　なお、南岸低気圧通過後の13日（月）には暖気が入り最高気温が15度にもなるという、大きな寒暖差の7日間です。

来週の月曜日の南岸低気圧

　南岸低気圧は来週の2月13日（月）にも通過する見込みです（図7）。

　陸地に近い所を通る南岸低気圧ですので、南から多量の湿った空気が流入してくると考えられ、大雨に警戒が必要になるかもしれません。

　寒い寒いと言っているうちに、天気図は早くも春の様相です。

タイトル画像、図3、図4、図5、図7の出典：ウェザーマップ提供。

図1の出典：ウェザーマップ提供資料をもとに筆者作成。

図2の出典：気象庁ホームページ。

図6の出典：気象庁ホームページとウェザーマップ提供資料をもとに筆者作成。