台風11号は12号になりかけた雲も取り込んで発達 沖縄近海で移動が遅くなって大きな予報円に
台風11号の発達
暴風域を伴った非常に強い台風11号が、小笠原諸島を通過し、沖縄地方に向かって進んでいます(図1)。
台風に関する情報は、最新のものをお使いください。
気象庁では、台風11号が発生した8月28日15時の時点では、この台風は暴風域を持つほどには発達せず、西日本に接近する頃には、熱帯低気圧に衰えると見ていました。
台風進路の海面水温は、台風が発達する目安とされる27度を上回る30度位でしたが、台風11号の南西側に積乱雲の塊があり、熱帯低気圧に発達、場合によっては台風12号になる可能性があったからです(タイトル画像参照)。
このため、台風11号と、台風12号になるかもしれない雲の塊の間で、台風のエネルギー源である水蒸気を奪い合う形となり、どちらも、あまり発達しないと考えられたからと思います。
しかし、ここへきて、台風12号になりかけた雲も取り込み、台風11号が発達してきました。
予想天気図では、台風11号の等圧線が南側に大きく垂れ下がっています(図2)。
この垂れ下がったところが、台風12号になりかけた残骸です。
そして、西進して沖縄に向かっています。
沖縄近海での減速
台風11号は、沖縄近海に達した頃から速度が遅くなる見込みです。
このため予報円が大きくなり、重なって見にくくなります。
この時に役立つのが、3時間毎に予報されている暴風域に入る確率です(図3)。
大東島地方や沖縄本島南部で、暴風域に入る確率が一番高い時間帯が、おのおのの台風11号が再接近する時間帯です。
また、沖縄本島南部で、再接近の時間帯か過ぎても、暴風域に入る可能性がなかなか小さくならないのは、台風がすぐには去らないことを示しています。
那覇の16日先までの予報を見ると、暴風域マークが4日続きます(図4)。
沖縄では、強い風や雨が続きますので、厳重な警戒が必要です。
また、沖縄近海で停滞した台風が、いつ北上するかということは、非常に難しい予報です。
西日本では、台風予報の誤差が非常に大きいことを考え、早めの対策をお願いします。
タイトル画像、図1、図4の出典:ウェザーマップ提供。
図2、図3の出典:気象庁ホームページ。