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気温急上昇で早まる北国の春

饒村曜気象予報士
ふきのとう(写真:イメージマート)

春本番の温かさ

 令和4年(2022年)4月7日(木)~8日(金)は、北日本は上空に寒気を伴った低気圧が通過し、雪や雨が降る所がありましたが、8日(金)は移動性高気圧の接近で、天気が回復してくる見込みです(図1)。

図1 予想天気図(4月8日9時の予想)
図1 予想天気図(4月8日9時の予想)

 高気圧に覆われて穏やかな陽気が続いている東~西日本では最高気温が20度以上となる所が多く、春本番の暖かさとなるでしょう。

 週末はさらに気温が上がり、西日本や東日本では初夏の陽気になりそうです。

 来週は、本州付近に前線が停滞し、走り梅雨のように雨が多い天気となりそうですが、気温は春本番の見込みです(図2)。

図2 各地の10日間の天気予報(数字は最高気温)
図2 各地の10日間の天気予報(数字は最高気温)

 一頃のように、寒気が南下して冬の寒さになることはなさそうです。

 むしろ、日本の南海上の熱帯低気圧(台風1号に発達している可能性があります)によって、前線が刺激され、大雨の可能性もあります。

さくら開花前線

 さくらの花芽の成長に必要な気温は、2月までは低めでしたが、3月は平年より高くなったため、開花は各地で平年より早めとなり、さくら開花前線は、福島県まで北上しています。

 そして、週明けにかけて気温が非常に高くなるため一気に北上し、一週間後の15日(金)には津軽海峡まで達する見込みです(図3)。

図3 さくら開花前線(ウェザーマップ4月7日発表)
図3 さくら開花前線(ウェザーマップ4月7日発表)

 その後も気温が高い日が続く予報ですので、北海道では平年より約10日も早い開花が予想されています(表)。

表 北海道のさくらの開花
表 北海道のさくらの開花

 気温上昇で早まる北国の春です。

図1の出典:気象庁ホームページ。

図2、図3の出典:ウェザーマップ提供。

表の出典:気象庁ホームページとウェザーマップ提供資料をもとに筆者作成。

気象予報士

1951年新潟県生まれ。新潟大学理学部卒業後に気象庁に入り、予報官などを経て、1995年阪神大震災のときは神戸海洋気象台予報課長。その後、福井・和歌山・静岡・東京航空地方気象台長など、防災対策先進県で勤務しました。自然災害に対しては、ちょっとした知恵があれば軽減できるのではないかと感じ、台風進路予報の予報円表示など防災情報の発表やその改善のかたわら、わかりやすい著作などを積み重ねてきました。2015年6月新刊『特別警報と自然災害がわかる本』(オーム社)という本を出版しました。

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