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前線を伴った低気圧で東北北部も梅雨入り 西日本の梅雨入りは?

饒村曜気象予報士
淀川河川敷からみる大阪(写真:GYRO PHOTOGRAPHY/アフロ)

東北北部で梅雨入り

 前線を伴った低気圧の通過で、北日本と北陸は大雨と暴風となり、6月15日に東北北部が梅雨入りをしました(図1、図2)。

図1 地上天気図(6月16日6時)
図1 地上天気図(6月16日6時)
図2 東北北部の雨と風の予報(6月16日15時)
図2 東北北部の雨と風の予報(6月16日15時)

 東北北部は、19日にかけて低気圧の影響で雨の降る日が多く、その後も気圧の谷や湿った空気の影響で曇る見込みで、平年より1日遅い梅雨入りでした。

 低気圧が発達したのは、上空に寒気が残っていたところに、久しぶりに暖気が南海上から流入したからです。

 このため、関東地方を中心に気温が上がり、東京では最高気温が30度以上の、真夏日になる予報です(図3)。

図3 東京の6月の最高気温と最低気温
図3 東京の6月の最高気温と最低気温

 これで、梅雨がないとされる北海道を除くと、梅雨入りをしていないのは、近畿・中国・四国・九州北部の西日本各地です(表1)。

表1 令和元年の梅雨入り
表1 令和元年の梅雨入り

西日本の梅雨入りは

 週明けは、移動性高気圧に覆われ、全国的に晴れますので、西日本の梅雨入りはなさそうです(図4)。

図4 予想天気図(6月17日21時の予想)
図4 予想天気図(6月17日21時の予想)

 雨や黒雲(雨の可能性がある曇)から推定すると、梅雨入りの可能性があるのは、四国(高知)では18日、九州北部(福岡)・四国・中国では19日で、過去の梅雨入りの遅い記録の更新が視野に入ってきます(図5)。

図5 各地の10日間予報
図5 各地の10日間予報

 西日本では、6月21日から24日に梅雨入りした場合、記録更新になります(表2)。

 また、昭和38年(1963年)に近畿と四国で梅雨入りが特定できませんでしたが、その再来があるかもしれません。

表2 西日本の遅い梅雨入り
表2 西日本の遅い梅雨入り

図1、図4、表1の出典:気象庁ホームページ。

図3、表2の出典:気象庁資料をもとに著者作成。

図2、図5の出典:ウェザーマップ提供。

気象予報士

1951年新潟県生まれ。新潟大学理学部卒業後に気象庁に入り、予報官などを経て、1995年阪神大震災のときは神戸海洋気象台予報課長。その後、福井・和歌山・静岡・東京航空地方気象台長など、防災対策先進県で勤務しました。自然災害に対しては、ちょっとした知恵があれば軽減できるのではないかと感じ、台風進路予報の予報円表示など防災情報の発表やその改善のかたわら、わかりやすい著作などを積み重ねてきました。2015年6月新刊『特別警報と自然災害がわかる本』(オーム社)という本を出版しました。

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