「さつき晴れ」と「ごがつ晴れ」の違い
予報用語と解説用語
気象庁では、天気予報や注意報・警報などの情報が、誰にでも正確に伝わるよう、「明確さ」「平易さ」「聞き取りやすさ」「時代への適用」の4つの観点から「予報用語」を定め、その定義を決めています。
そして、注意深く、解説を付け加えて用いる「解説用語」と、「使用を控える用語」を定め、公表しています。
さつき晴れ
日本列島は、東シナ海にある高気圧におおわれ、晴れるところが多くなっています(図1)。
このような気圧配置がしばらく続き、多くの地方では晴れて「さつき晴れ」になりそうです(図2)。
ただ、この晴れをさす「さつき晴れ」は、広く使う「予報用語」ではなく解説用語です。
というのは、旧暦では、現在の暦より約1ヶ月遅れていたため、過去に使われていた「さつき晴れ」は梅雨時の貴重な晴れ間のことをさし、現在の使用例のように、「ごがつの晴れ(ごがつ晴れ)」をさすものではなかったからです。
同様の言葉に「五月雨(さみだれ)」があります。
「五月雨(さみだれ)」は6月の梅雨の雨をさし、「五月雨をあつめて早し最上川(芭蕉)」は梅雨時の歌です
ちなみに、「五月雨(さみだれ)」は、「使用を控える用語」となっています。
5月の天気
気象庁が5月9日に発表した1か月予報によれば、5月中旬から下旬にかけて、高気圧におおわれやすく、平年に比べ晴れて気温が高い日が多い予想となっています(図3)。
行楽に適した「五月晴れ(ごがつばれ、さつきばれ)」が多そうです。
しかし、春としては高い気温で推移することから、気象庁は「高温に関する異常天候早期警戒情報」も発表しています。
春は、「低気圧と高気圧が交互に通過し、天気が変わりやすい」ということが良くいわれます。
しかし、今年の春は、交互というより、高気圧におおわれて晴れることが多く、高気圧と高気圧の谷間で曇ったり、雨が降ったりしているという感じです。
図1、図3の出典:気象庁ホームページ。
図2の提供:ウェザーマップ提供。