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連休明けは今春最後の寒気通過

饒村曜気象予報士
稲妻(ペイレスイメージズ/アフロ)

早まった雨

 ゴールデンウィークが始まる前の予報は、「10連休後半はほぼ全国的に晴れるが連休明けは雨」というものでした。

 しかし、連休後半は上空に寒気がはいって大気が不安定となり、所により雷雨となりました。

 また、低気圧と前線による雨は、連休最終日の5月6日に早まりました。

 5月6日は、沿海州にある低気圧に伴う寒冷前線が日本列島を通過する見込みです(図1)。

図1 日本海を南下する寒冷前線の雲と地上天気図(5月6日3時)
図1 日本海を南下する寒冷前線の雲と地上天気図(5月6日3時)

 寒冷前線の影響で東北と北陸から西日本の日本海側では昼過ぎから、北日本や近畿・四国では夕方から、東日本の太平洋側は夜から雨が降り、雷を伴う所もありますので、気象情報に注意が必要です。

 この寒冷前線は、5月7日にはハッキリしなくなりますが、寒冷前線の西側の上空には、この時期としては強い寒気が流入しています(図2)。

図2 連休最終日から連休明けの天気図(5月6日21時と7日9時の予想)
図2 連休最終日から連休明けの天気図(5月6日21時と7日9時の予想)

今春最後の寒気か

 寒冷前線が日本列島を通過した後、日本の上空約5500メートルの気温は、一番低い所で氷点下30度と、真冬並みの寒気です。

図3 日本上空約5500メートルの気温(5月7日朝)
図3 日本上空約5500メートルの気温(5月7日朝)

 関東南岸から中国地方にかけても、氷点下21度という気温です。

 氷点下21度という温度は、晴れて地上付近の気温があがって夏日(最高気温が25度以上)になれば、上下の温度差が45度を越え、大気が非常に不安定になります。

 晴れて日射が強まれば、局地的に積乱雲が発達して雷雨となる可能性がある温度です。

 なお、この寒気が通過した後は、予測資料のある10日先までは寒気は南下しませんので、このまま、今回の寒気が今春最後の寒気になりそうです。

連休明けの天気

 連休明け5月7日は、大陸からの高気圧が日本付近に張り出してくるため、東日本から西日本はおおむね晴れるでしょう。午前中は雨や曇りの北日本でも午後は晴れてきます(図4)。

図4 連休明け(5月7日)の天気予報
図4 連休明け(5月7日)の天気予報

 ただ、上空に強い寒気が流入していますので、関東地方や北陸・東北地方を中心に、晴れて気温があがったら局地的な雷雨に注意が必要です。

 また、沖縄地方は、今後、曇りや雨の日が多くなり、梅雨近しを思わせる天気が続きます。

図1、図3、図4の出典:ウェザーマップ提供。

図2の出典:気象庁ホームページ。

気象予報士

1951年新潟県生まれ。新潟大学理学部卒業後に気象庁に入り、予報官などを経て、1995年阪神大震災のときは神戸海洋気象台予報課長。その後、福井・和歌山・静岡・東京航空地方気象台長など、防災対策先進県で勤務しました。自然災害に対しては、ちょっとした知恵があれば軽減できるのではないかと感じ、台風進路予報の予報円表示など防災情報の発表やその改善のかたわら、わかりやすい著作などを積み重ねてきました。2015年6月新刊『特別警報と自然災害がわかる本』(オーム社)という本を出版しました。

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